子供のこと

子供のこと

出産のこと

「いつかは子供を産みたい」

「愛する人と家庭を作りたい」

「子育てをしたい」 

こう考えて、結婚を決意する方はたくさんいるでしょう。

2012年に内閣府から発表された統計では、「自分は幸福である」と感じている人は、子供のいない人よりも、子供がいる人の方が多いことが示されました。

もちろん、子供を持たない、という夫婦の選択もあっていいと思います。

しかし、子供を育てる充実感というものは、他の何物にも代えられない、素晴らしいものだとも思います。

不妊症の心配

しかし、【どうしても子供が欲しい】と思って結婚を決意する人には注意も必要です。

現在、日本で不妊症に悩むカップルは200万組いると言われています。

割合にすると7組に1組です。

また、何らかの不妊治療を受けている人は50万人と推測されています。

「不妊」とは、健康なカップルが定期的に避妊せずセックスを続けていても、2年経っても妊娠に至らない状態をいいます。

通常は、1年で約80%、2年で約90%のカップルが妊娠するといわれています(避妊しない場合)。

出産年齢とは?

では、女性の出産年齢とは何歳なのでしょうか?

一般的な出産年齢は20~34歳だと言われています。

医学の進歩により、最近は高齢での出産が、昔に比べると安全になっていますが、女性が35歳を過ぎてしまうと、出産リスクが非常に高まることもよく知られています。

35歳を超えると、子宮や卵巣の機能が急激に老化していくので、女性は不妊症や流産になりやすくなります。

でも35歳というのは、あくまで一般的な年齢であって、人によっては20代で閉経してしまう方や不妊に悩む方、反対に40歳になっても問題のない方もいらっしゃいます。

特に注意しなくてはいけないのが、40歳を過ぎた初産の場合です。

帝王切開や吸引分娩などの高齢出産リスクがとても高くなります。

女性が【子供を産みたい】と思ったなら、一日でも早く結婚を決め、出産準備をするべきなのです。

男性が問題の場合もあります

また、出産の問題は女性特有のものではありません。

WHO(世界保健機関)の1998年の発表によると、不妊原因が男性のみにある場合が24%、女性のみの場合が41%、男女ともにある場合が24%、不明が11%です。

男性に問題があって不妊に悩むカップルが増えています。

また、最近、特に多く見られるのが、

「セックスをしたくない」男性です。

妻のことを好きだし、女性に興味もある。

性欲はあるのだが、セックスに対する興味がない、という摩訶不思議な心理的な現象です。

コンドームの売り上げが年々減少しているそうです。

解決策は未だに見い出せていません。

また、メタボリックシンドロームや糖尿病、高血圧、アルコール依存、ストレス関連、うつ病などの疾患からEDになることもあります。 

男性が心理的問題から勃起不全(ED)になってしまうと、回復するのに時間がかかることが多いです。

男性にとってのもっと大きな問題は、現代男性の精子の数が減ってきていることです。

原因は諸説あるのですが、ストレスや化学物質だと言われています。

精子の数は、男性が40代後半になると、さらに減少します。それに加えて、精子の運動量も低下します。

そして男性が50代になると、遺伝子異常が起こりやすくなります。

特に、お酒やたばこが好きな男性は、こういった症状になりやすいことが分かっています。

女性と同じく男性も、【子供を産みたい】と思ったなら、一日でも早く結婚を決め、出産準備をするべきです。

不妊治療のこと

一方で「不妊の原因」をつきとめることは簡単ではありません。

「妊娠」のメカニズムは複雑で、

「男性が射精した精子と女性の卵巣から排卵した卵子が、卵管で出会って受精し、受精卵が分割しながら子宮にたどり着いて子宮内膜に着床する」

というプロセスのどこか1カ所にでも問題があれば妊娠しにくくなりますし、不妊の検査をしてもとくに問題が見つからないケースも少なくありません。

「不妊の治療」には、排卵とセックスの時期を合わせるタイミング法や、精子を子宮に注入する人工授精(AIH)、さらに高度な治療として体外受精(IVF)や顕微授精(ICSI)があります。

体外受精は保険適応外なので、1回の治療に約40万円の費用が掛かり、その成功率は25%と言われています。

そのため不妊治療に何百万円も注ぎ込んでしまうことはざらにあります。

結婚前に考えてほしいこと

結婚を考えるうえで、よくよく考えてほしいのは、

【子供を第一に考えて結婚しても、子供ができない場合もある】

ということです。

子供に障害や病気がある場合もあります。出産するときに母体が安全とも限りません。

「結婚して、元気な赤ちゃんを産み、素直な子供に育てる」

という理想が、叶わない場合もあることを考えておかなくてはなりません。

もし不妊に悩んだ時、もし子供に障害があった時、もし母体に影響が出た時は、夫婦が力を合わせて乗り越えるしかありません。

「子供が欲しい」と思って結婚する気持ちは分かります。

ですが、やはり結婚とは、男性は妻と、女性は夫とするものです。

何よりもまず最初に、愛する夫や妻のことを考えてください。

「この人となら、どんな困難でも乗り越えていける」

そう確信して初めて、結婚を決めてほしい、と思うのです。

着床前診断について

不妊治療に悩む夫婦が近年増え続けています。

そして2015年の春からは、体外受精した受精卵のすべての染色体を調べる臨床研究が始まります。

これはどういうことか? というと、

現在は、妊娠した母体の羊水を採取して調べると、たとえばその胎児がダウン症であるかどうか? 他の染色体異常があるかどうか? などがわかる『着床前診断』という検査がありますね。

この検査だけでも、国内では大変大きな議論になっていますよね。

それは、

ダウン症とわかってしまった子供を産むべきかどうか?

それとも中絶をするべきか?

など、どうしても『命の選別』という問題になってしまうからです。

『産むべきだ!』 と他人が言うだけなら簡単です。

けれど障害を持った子供を育てるというのは、理想だけでは通用しません。。。

現実の連続です。。。

外野からとやかく言える問題ではありません。

その、現実の世界で・・・

おなかの赤ちゃんに異常があるとわかった両親は、実際にはどうしていると思いますか?

じつは・・・ 

実際に異常がわかった両親のうち、実に97%が人口妊娠中絶手術を選んでいるそうです。

この検査が始まる前ならこの世に産まれていたはずの命が、そんなにも多く中絶になっているんですね。

悲しい現実です。

この問題は、どれだけ考えても、またどれだけ議論しても、結論が出ることなんてありません。

ただ、晩婚化が進んでいる現在、とくに独身の方には、この問題は、じっくりと、時間をかけて考えてほしいと思うんです。

そこで、平成27年1月21日の朝日新聞に掲載されていた記事をお伝えしたいと思います。

子供を授かる、ということを、とても、とても、考えさせてくれる内容なので、ぜひ読んでください。

個人で選択できる環境が必要

障害がある子供を生んだ医師 宇井千穂さんの自身の体験からのご意見です。

宇井千穂・・・・・1969年生まれ。北里大医学部卒。客室乗務員を経て、2010年に医師に。現在は皮膚科医をして働いている。著書に「18トリソミーはるの」。

===============以下、朝日新聞より===============

 はるの(郁乃)は2年前、「18トリソミー」という疾患と共に生まれました。不妊治療の末、43歳にして初めて授かった子です。

 ふつうは2本の18番染色体が3本ある。

 それが18トリソミーです。

 心臓や肺などに重い障害が出るほか、様々な発育異常が出て、1歳までに90%が亡くなるとされています。はるのも昨年4月、1歳3カ月の生涯を終えました。

 たとえ障害があっても育てようと思っていましたが、「自分の子どもの様子が知りたい」という気持ちが強く、羊水検査の予約をしました。でも検査日に出血があったので中止しました。
 はるのの異常がわかったのは妊娠27週目のとき。超音波検査で18トリソミーの可能性を指摘されました。その瞬間、『怖い』と思いました。どれぐらい障害があるのか。どれぐらい生きられるのか。我が子の見えない将来への恐怖だったと、今にして思います。

 1週間後、871グラムの小さな赤ちゃんが生まれました。育ちきっていない胎児がそのまま出てきて管がいっぱいつながれている、『先生、寿命はどれぐらいでしょう』と聞くと、『1ヶ月』という答えが返ってきました。『私がいない間に死んじゃうかも』と思い、ずっとベッドから離れられなかった。

 かわいそう、ごめんなさいとばかり思っていました。

唯一無二の存在

 それが2か月後、初めて両目を空けて、澄んだ黒目で私を見つめたのです。その瞬間、私は恋に落ちました。

 はるのはとにかくかわいくて、一緒にいるだけで幸せだった。子どもが病気になったからといって、愛情が変わる親はいませんよね。はるのは最初から病気だっただけです。もちろん、延命治療でつらい思いもたくさんしました。でも、私の顔を見て、笑顔を返してくれる。抱っこで泣きやむ。お互いが唯一無二の存在でした。

 もし私が出生前診断や受精卵検査を受けたら、はるのには会えなかったかもしれません。今、再び不妊治療を受けていますが、もし受精卵診断を受けることができたとしても、受けません。子どもに障害があっても、その存在だけで幸せな気持ちになることを、はるのを通じて知っているからです。

 けれど、ほかの人にも同じ選択を強いるつもりはありません。病室の隣のベッドに、一度も見舞いに来ないお母さんがいました。看護師さんに理由を尋ねると、『来ないことになっている』という。

 そのお母さんは子どもの人工呼吸器を抜いて、心中を図ろうとしたそうです。それを聞いたとき、私は自分を恥じました。それほど我が子の病気に苦しんでいる母親がいることを、わかっていなかったのです。

治療法の一つに

 今の時代。仕事をしながら子どもを産もうと思ったら、40歳近くになってしまいます。受精卵検査の技術が進んだことも、不妊に悩む女性が増えていることが背景にあるのでしょう。18トリソミーは根治につながる治療法がありません。それならば検査で病気を取り除くという考え方も治療の一つになる。私も医療者なので医療技術の発展自体は大歓迎です。

 ただ、染色体に異常のある受精卵の排除と『命を選別する』という言葉とを単純に結びつけることには反対です。『命の選別は許されるか』と聞かれ、『はい』と答える人はまずいないでしょう? 子どもの看護が大変なお母さんは、子どもではなく疾患に苦しめられているのです。だからその苦しみの原因を除こうとすることは非人道的ではない。そんな考えを共有できればと思います。

 当然のことながら、この検査を医療機関には商売道具として使ってほしくありません。また命にかかわらない病気を調べることや、容貌を選別する目的で行うことにも反対です。でも、検査を受けたいと思う人が後ろめたい気持ちを持たずに、個人の選択として決断できる環境が必要でしょう。

 あなたの身近な人が受精卵検査を受けたいと考えたなら、その選択を尊重してほしい。妊娠や出産をめぐる医療の進歩が人を幸せにするためには、社会の意識が変わっていくことも大切ではないでしょうか。(聞き手・岡崎明子)

===============以上、朝日新聞より===============

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