自分が処女だから童貞を望む女性の話

自分が処女だから童貞を望む女性の話

処女だから童貞を望む女性は変なのか

「処女だから、相手も童貞がいい」――そう思ってしまう自分は、おかしいのだろうか?

検索窓にこの言葉を打ち込んだ人は、たぶん誰にも言えないまま、何年も心の奥にしまってきた願いを抱えているのだと思う。

誰かに話せば笑われるかもしれない。重いと思われるかもしれない。

だから一人で考え続けてきたのかもしれない。

先に答えを書く。変ではない。

むしろ、そう思う背景には、本人にしか分からない怖さや願いがある。ただし、その願いを結婚相談所で条件としてそのまま通そうとすると、想像以上に難しくなる。

3年前、45歳の初婚女性が私のところにやってきて、本気でその願いを口にした。

1年間、女性経験のない40代男性10名と会ってもらって、結果は全員不成立。

きれいごと抜きで、現場で見届けた話をする。

処女が童貞を望むのは自然な感情です

これから書くのは、心理学の解説ではない。そういった慰めでもない。

実際に45歳でその願いを口にした女性が、1年動いて何が起きたのか。

現場でそばにいた私の話だ。

「初婚同士がいい」と望んだ45歳女性の相談

3年ほど前のことです。45歳の女性から相談を受けました。

二人で助け合って信頼できる男性と結婚がしたいんです。

最初のカウンセリングは、そういう一言から始まった。

初婚の女性。

仕事は市役所に勤めている公務員で、年収が700万円以上ある。

独身でこの年収を維持してきたのだから、仕事は真面目にやってきた人だ。

「結婚はこうあるべき」という強い思い

第一印象は、婚活市場で有利に働きやすい華やかなタイプではなかった。

オシャレに気を使っているというより、どちらかと言えば地味めな印象の女性だった。

体型も、婚活の場では好みが分かれやすい感じでね。

これは攻撃したくて書いているんじゃない。

婚活の話をするうえで、第一印象がどう見られるかは避けて通れない。

伝えなければ嘘になるから書いている。

今まで結婚しようと思ったことはあるのか聞くと、何度もある、お付き合いした男性も数人いた、ただみんな真面目じゃなかったから結婚には至らなかった、という。

どういう点が物足りなかったんですかと聞くと、

二人で一緒に支え合って、運命共同体で、心の底から信頼し合って死ぬまで生活していきたいってね。

そういう男性じゃなかった、と彼女は言った。

「結婚はこうあるべき」という考えがとても強くて、正直、少し圧倒された。

年齢に関係なく、ここまで結婚観が強く固まっている方は、現場でも多くはない。

希望条件を聞いたら、こうだった。

  • 収入にはこだわらない
  • 真面目に仕事をしている
  • 健康
  • 身長は170センチ以上
  • 太ってる人はNG
  • 初婚
  • 年齢は40代の男性
  • 私だけを見てくれる人

年収不問という一点が、現場の人間としては少し意外だった。

彼女自身が700万円あるから、相手には求めない、と言う。

話を聞きながら、この条件のうちどれかは譲ってもらうことになるな、と思っていた。

ただ、こちらが譲ってもらいたい項目は、彼女にとっては全部譲れない項目でもあった。

再婚男性を絶対に拒んだ理由は「初婚」ではなかった

うーん。

正直、現場目線ではかなり難しい希望だ。

45歳の女性で結婚が決まるのは、だいたい50代の男性ですよ。

私はそのまま伝えた。

これは、長く現場でやってきて見てきたパターンだ。

決め打ちではなく、確率の話。

そう言うと、仕事場でも50代の人とは話が合わない、と言う。

なるほど、そうですか、と返した。

本人がそう感じるなら、そこは無理に押せない。

初婚ではなくて、再婚の方も希望に入れたらどうですか?

ただ、40代の男性で、初婚で、170センチ以上で、太っていなくて、という条件だと、母数がぐっと減る。

だから、そう聞いてみた。

ここで彼女は変わった。

一度結婚したら一生添い遂げるのが結婚だと。

ここは熱弁するんだよ。

顔を紅潮させて、絶対に譲りません! という感じで話し出す。

その瞬間、私は「これは本気だ」と確信した。

それまでの「二人で支え合って」というやわらかい話し方が、急に芯のある声になった。

だから、ただのワガママとしては扱えなかったんです。

なぜそう思うのですか、と踏み込んで聞くと、一度離婚をした男性は信用できない、と言う。

私は初婚同士で結婚したいんです

若い頃に離婚した男性の中には、一度失敗したから今度は奥さんに優しくしよう、家族を大事にしよう、と思っている人も多い。

そう伝えても、彼女は引かず、断固としてそう言う。

いいでしょう、いいでしょう。

どんな希望も否定はしません。そう言って引いた。

ここで押しても、彼女の心は閉じるだけだと思った。

押し合っても何も進まない。

担当者への強い拒否反応

それで、もう一人サポートを付けることにした。

同年代の女性で、とてもサポート熱心な人がいるから、女性同士でいろいろ話せるんじゃないかと思って。

すると彼女は、その担当の人は結婚されていますか、と聞いてきた。

一度離婚したけど、子連れで再婚して、今はとても優しい旦那さんと家族も増えて幸せにやっています、と答えた。

返ってきた言葉はこうだった。

「その担当の女性は辞めて下さい。その女性は再婚をしているんですよね。その人が担当になったら私にも再婚を勧めるのだと思います。別の人にして下さい!!!」

ここまで強くこだわるのには、必ず理由がある。

そう感じた。

「初婚がいい」だけでは、ここまでの拒否は出ない。

それほどまでに、この条件は彼女の中で譲れないものになっていた。

本音は「初めての男性がいい」だった

別の40代の女性カウンセラーと二人で担当することになって、婚活がスタートした。

身長だけは、170センチから165センチに落としてもらった。

すると、お見合いは意外と組めた。

相手男性の収入にこだわらないというところが強くてね。

男性側から見れば、相手の条件は以下のようになるわけだから。

  • 健康
  • 仕事が真面目
  • 初婚
  • 太っていない
  • 身長が165センチ以上

普段、お見合いが組めなくて苦しんでいる男性たちとも、お見合いが組める。

でも、お見合いをするじゃない。

もうね、相手からも断られるし、自分からも断るのよ。

驚くくらい、女性から断る。

自分の理想の夫婦になれそうにない

断った理由を聞くと、彼女はそう言う。

彼女の説明では、あれこれ理由を並べるけれど、要は、相手に自分を最優先してほしい、結婚したら自分だけを見てほしい、という思いがかなり強かったのだと思う。

それを1回目のお見合いの場で言う。

彼女にとっては大事な確認だったのだと思う。

ただ、初対面でそれを言われたら、男性も身構える。

そりゃそうだ。

それでも、根気よくいけば現れると思った。

真面目で、ぽっちゃり好きで、誠実に奥さんだけを愛してくれそうな人が。

収入を期待しないでいいのなら、案外いけるとも思った。

隠されていた本当の願い

でも、それでも、なおも決まらなかった。

そこで担当スタッフが、本音の本音の部分、心の奥底にある本当の要望を聞いてくれたんだ。

ここで、ようやく核心が見えた。彼女はまだ男性経験のない方だった。

旦那さんには、初めての男性がいいんです

だから、初婚にこだわっているのではなくて、初めての男性がいいと言うんだ。

童貞がいいってね。

最初に言っていた「今まで何人かと付き合ったことがある」という話は、本当ではなかった。

それも分かった。

男性遍歴を作って話したのは、たぶん、自分の本音をいきなり相談所に出すのが怖かったんだと思う。

これはね、まあ、難しい。彼女の本当の願いがやっと見えた。同時に、なぜここまで再婚を拒んだのか、なぜ担当変更を強く望んだのか、全部つながった。彼女は「経験のある男性」が怖かった。自分だけ未経験という非対称が、結婚生活で耐えられないと感じていた。それが本音だった。

結婚相談所で童貞男性は本当に見つかるのか

ここからが現場の話になる。

交際経験はないけれど、風俗経験はある男性の場合はどうなのか?

担当に聞いたら、確認してみます、ということになった。

それなら大丈夫です

つまり、初めて恋愛をしました、という男性と結婚したいということだった。

風俗経験があっても、お付き合いした女性がいなければ可、という線引きだった。

ここから条件が一段と尖った。

お見合いで相手に今までの女性遍歴を聞いて、過去にお付き合いしたことのありそうな人は断る、というやり方になった。

これは、難しいね。

彼女いない歴40年とか、今まで付き合った女性は0人です、とか、システムでは確認できないから。

プロフィール欄に「彼女いない歴」を書く欄はない。

書く欄があったとしても、自己申告だから保証もない。

ネットワークを駆使した捜索

それで、相談所のシステム以外にも、知り合いの相談所の人にそういう男性がいるのか聞いて回った。

電話で、メールで、業界の集まりで。

40代で、女性経験がほとんどない男性はいませんか?

かなり特殊な条件だが、知り合いのカウンセラーに片っ端から聞いていったんだ。

「うちの会員さんで、こういう希望の方がいて」と事情を話して。

普通だったら誰も聞かないような頼み方だよ。

すると、実際にいるんです。少なくない数で。

今まで女性経験のない男性がね。彼女いない歴40年超えの40代男性が。

やっぱり、相談所間のネットワークを持っているカウンセラーは、こういう時に強い。

一つの相談所のシステムだけ見ていたら絶対に出てこない人たちが、ネットワークの先にはいる。

ただ、そこで見えてきた現実が一つあった。少なくとも私が相談所の現場で見てきた範囲では、女性経験が少なく、かつ仕事面でも安定している男性会員は多くありませんでした。仕事ができて社会的にも安定している男性は、たいてい途中でお付き合い経験を持っている。逆に、40代まで交際経験がない男性の中には、仕事や対人関係の面でも不器用さを抱えている方が少なくなかった。

もちろん、これは誰かを下げたい話ではない。

未経験の男性にも、真面目で優しい人はいる。

ただ、婚活の現場では「女性経験がないこと」と「女性を自然にリードできること」は、なかなか同時には出てこない。

ここを見落とすと、後で苦しくなる。

彼女の場合は、仕事面の条件を厳しく問わなかった。

年収不問、真面目ならOK。条件としてはむしろ広い。

だから候補は出せた。

条件を満たす男性を、ネットワーク経由で集めることはできた。

問題はそこから先だった。

40代未経験男性10名と会った1年後の結末

ということで、何回目くらいだったかな。

今まで女性とお付き合いしたことのない、40代の男性に10名くらい会ってもらいました。

で、結果は。

1年くらい頑張りましたが、全て、良いお付き合いにはならなかった。良いご縁にはならなかった。10人、全員。

ちょっといい感じまでにはなったんだけれどもね、ここから注文が増えていったんだ。

最初は「収入は気にしません」「女性経験がない人なら」と言っていた。

でも実際にお付き合いの入口に立つと、今度は別の部分が気になってくる。

  • お店は男性に決めてほしい
  • 会話はもう少しリードしてほしい
  • デートのプランを引っ張ってほしい
  • 清潔感がもう少しほしい
  • 男性として、女性をエスコートしてほしい

そうやって、童貞であること以外の注文が、少しずつ増えていったんです。

はぁ。

これは、彼女がワガママだったという話じゃない。

本人は真剣だったし、相手の男性たちも真剣だった。

だからこそ、ズレが出ると苦しくなる。

求められるものの「反転」

女性経験のない40代男性に、自然なデートのリードや女性慣れした振る舞いを求めるのは、かなり難しい。

経験がないから、経験から学んだ振る舞いを持っていない。

デートのお店なんか決めたこともない人に、いきなりエスコートを求めても出てこない。

彼女が「初めての男性がいい」と望んだ時点で、リードできる男性とは別の方向の人を選ぼうとしていた。だから、お付き合いの段階に進んだ瞬間、求めているものが反転していった。彼女自身も、その矛盾に途中で気づいていなかったと思う。

童貞であることと、理想の夫になれることは、まったく別の話だ。

経験がないということは、相手をリードする訓練もないということで、それは結婚生活が始まってからじわじわ効いてくる。

条件そのものより、その条件の先に何を求めているのかを見ないと、婚活は途中で苦しくなる。

こういう場合もあるんですね。

私のサポートでは難しかった、という話

ここで、まとめのような一般論を書こうかとも思った。

「処女の女性はこうしたほうがいい」「条件をこう見直しましょう」って。

でも、やめておく。この話を成功談として書くことはできない。

きれいにまとめて、「こうすれば大丈夫です」とも言えない。

私たちはできる限りのことをしました。
10人の男性を探して、会ってもらって、1年かけて動きました。
それでも結果にはつながらなかった。
正直に言うと、「私のサポートでは難しいな」と思ってしまった例です。
今でも、もっと早く彼女の怖さに触れるべきだったと反省しています。

業界ネットワークも使った。

担当も二人体制にした。

条件も身長だけは譲ってもらった。

それでも、お付き合いの入口で、求めるものが変わっていく流れを止められなかった。

途中で「彼女の本当の怖さは何なのか」をもっと早く言葉にできていたら、何か違ったかもしれない。

今でもそう思う。

条件を絞ると母数が減ります

これは婚活ではよく言われる話です。でも、このケースはもっと極端でした。

「45歳で、処女で、相手も童貞がいい」。

この条件になると、単に人数が減るというより、出会える男性のタイプそのものがかなり限られてくる。

そして、その限られたタイプの男性に、後からリードを求めても、それは出てこないんです。

これは現場で10人会わせて、ようやく見えた話だった。

それでも、彼女がスッキリして退会した話

彼女は成婚しなかった。

でも、全力で婚活に取り組んで、たくさんお見合いもして、最後はスッキリされた感じで退会されました。

それが、唯一よかったところです。

これは負け惜しみで書いているんじゃない。

1年前の彼女と、退会した日の彼女は、同じ人ではなかった。

「初婚がいい」じゃなくて「初めての男性がいい」だと、自分で認められるところまで来ていた。

ずっと誰にも言えなかった願いを人に話して、その願いに沿って実際に動いてみた。

動いた結果、何が起きるかも、自分の目で見た。

それが結婚に直結しなかっただけで、彼女自身の中では何かが終わっていた。

いつも言っていますが、思っているだけで動いてみないと、いつまでも堂々巡りなんですね。

もし結果が上手くいかなかったとしても、気持ちの整理ができたり、考え方が変わったり、もしくは深まったり、得られるものが必ずあるということです。婚活は、結婚相手を探すだけではなく、自分の本音を知る時間にもなるんです。

処女だから童貞を望む。

この願いそのものは、悪いことじゃない。誰にも責められる筋合いはない。

誰にも言えなかったとしても、その願いを持った自分を責める必要はない。

ただ、その願いをそのまま条件にして婚活市場へ出すと、現実はかなり厳しくなる。

彼女の1年は、それを正面から教えてくれた事例だった。

自分が本当に守りたいものは何なのか。

そして、相手に求めているものは、本当に「童貞」という条件なのか。

そこを一緒に考えるのが、私たちカウンセラーの仕事なんだと思う。

彼女のケースでは、私はそこにたどり着くのが遅すぎた。

次に同じような相談が来たら、もう少しだけ早く、本当の怖さの話をできるようになりたいと思っています。

同じような願いを持っている人は、条件だけで考えずに、その条件で自分が何を守ろうとしているのかを、一度言葉にしてみてほしい。

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