結婚相談所の婚活が成功するために…ご両親に知っておいて欲しいこと
「結婚相談所に行きなさい」と言っただけで、子供は動かない
結婚相談所に行きなさい
そう伝えても、娘さん・息子さんが動かない。

周りの同年代が次々と結婚していくのを見て、つい焦ってしまうお気持ち、痛いほどわかります。
そんな不安を抱えた親御さんが、私のところに毎月のように相談にいらっしゃいます。
「子供を結婚させるまでが親の責任です」
と、私はいつも独身のお子様がいらっしゃるご両親に言います。
ただし、ここで言う「責任」は、子供を相談所に無理やり連れて行くことではありません。
私が現場で何百組ものご家族を見てきて、はっきりとわかったことがあります。
親に連れられて結婚相談所に入会した子供のほとんどは、上手くいかないのです。
良かれと思った行動が、なぜ逆効果になってしまうのか?
親が本当にやるべきことは、何なのか?
この記事で、現場で見えた答えをお話しします。
ご両親が踏み込んだ「あの一言」が、なぜ届かないのか
うちの娘、もう32なのに、何度言っても結婚相談所に行ってくれなくて
息子に資料を渡したら、机の上に置いたまま一週間経ちます
こういう相談が、本当に多いのです。
ほとんどのご両親が、子供が世間で言われる結婚適齢期(男性30代前半・女性20代後半)を過ぎてから初めて、少しずつプレッシャーをかける程度のものです。
そろそろ結婚考えないの…?
それでも動かない子供を見て、思い切って「結婚相談所に行きなさい」と踏み込む。
その一言が出るまでの、ご両親の長い葛藤を、私は否定しません。
むしろ、よくぞ踏み込んでくださった、と思います。
ただ、現実問題として、その一言で動く子供はほとんどいません。
なぜか?
親が悪いのでもありません。子供が悪いのでもありません。
今の婚活というものが、ご両親が経験されたものとは、まったく別のものになってしまっているからです。
子供にとって「結婚相談所に行きなさい」は、外国語に近いのです。
意味はわかる。
でも、自分の人生のどこに位置づければいいのか、見当がつかない。
ここから先は、その「ズレ」の正体を、現場から見えた順番でお話しします。
昔の常識が通じない、今の婚活という現実
昔はおせっかいなおばさんやおじさんが、適齢期を過ぎた男女にお見合いの話を持ってきました。
そろそろ結婚しないとね

会社の上司からも、直接パワーワードを放り込んできました。
イイ人はいるのか?
- 近所のおばさん
- 職場の上司
- 親戚のおじさん
今思えば、社会のあちこちに「結婚を意識させる装置」があったのです。
鬱陶しいと言いながら、私たちはその装置の中で、いつの間にか結婚を考えていました。
誰もが、いやが応にも若い時期から「結婚」を意識させられてきたのです。
「結婚を意識させる装置」が消えた現代
その装置が、今、ほぼ全部消えました。
- 職場で「彼氏いるの?」と聞けばハラスメント
- 親戚の集まりも減った
- 近所付き合いも薄くなった
独身でいることへの社会的プレッシャーは、ご両親の時代とは比べ物にならないほど小さくなっています。
一人暮らしも快適で、何の問題もない。
むしろ、結婚しない方が自由で楽だ、という空気すらある。
そんな環境で育った子供に、「いつか自然に結婚するだろう」という感覚は通じません。ご両親の世代の「自然に」は、社会装置が背中を押し続けてくれていたから「自然に」見えただけだったのです。
装置が消えた今、結婚を意識させる存在は、家庭の中にしか残っていません。
——だから、親しかいないのです。
これは責任の押し付けではなく、構造の話です。
今、子供に「結婚」という言葉を持ち込めるのは、ご両親しかいない。
事実として、そうなっている。
親にしか伝えられない「結婚の本当のかたち」がある
結婚や恋愛とは、とてもナイーブで他人が踏み込みにくい話ですから、他人から知識を得ることは難しい。
ネットには情報が溢れています。

- 婚活ブログ
- YouTube
- SNS
けれど、本当のところ、結婚した人間が結婚の中身を語る場面って、ほとんどありません。
同僚の結婚生活の実態なんて、よほど親しくないと聞けない。
聞けたとしても、誰もが本音を話すわけではない。
誰もが経験したことのない未知の領域に足を踏み入れることが結婚なのです。
その未知の領域について、唯一、子供に正直に話せる立場の人間が、ご両親なのです。
夢や希望だけではない、結婚のリアル
われわれ両親は、幸せな人生が、「結婚」という夢と希望で実現するものではないと知っています。
結婚とは日常であり、生活であり、愛であり、我慢であり、悦びであり、苦しみであること。
子供に伝えるべきは、結婚の素晴らしさだけではありません。
むしろ、生活の手触り、相手と暮らす面倒くささ、それでも一緒にいたいと思える瞬間、喧嘩の後の気まずさと和解。
そういう、面倒で、苦しくて、悦ばしい、全部込みの現実です。
- 結婚とはどういうものか?
- 愛とはなんぞや?
- 幸せな家族とは?
これらを、正直に子供に教える役目が両親にはあります。
ご両親の役割は、「子供を結婚させる人」ではなく、「結婚の現実を正直に渡せる人」。連れて行くことではなく、考えるための材料を渡すこと。これが、現代における親の役割の実体です。
親が連れてきた子供ほど、結婚相談所で上手くいかない理由
ここから、おそらくご両親にとって一番受け止めにくい話をします。
じつは、両親に連れられて結婚相談所に入会する女性のほとんどは、上手くいきません。

これは、私の結婚相談所に限った話ではありません。
同業の仲間と話していても、ほとんどの相談所が同じことを言います。
親に連れられてきた子は、長く活動するわりに、なかなか結果が出ない
理由は、単純なところにあります。
おそらく娘さんが20代後半で結婚相談所に入会し、男性と出会う活動を始めたとしても、いいなと思える人はすぐには現れないでしょう。
その理由は、頭と心がまだ恋愛モードになっていないからです。
私は今のままで十分
恋愛なんて面倒
結婚はまだ考えられない
今の生活に必死です
心の中でこう考えているところに、まあまあの男性や普通の男性が現れても、ドキドキする方が奇跡です。
これ、当然のことなんです。
人の心は、スイッチ一つで「恋愛モード」に切り替わるものではありません。
お見合いの席で、目の前に座った真面目な男性を見て、心が動かない自分に本人が一番驚くのです。
あれ、私、こんなに何も感じないの?
もう一つ、ご両親に知っておいていただきたい現場の事実
そして、ここはご両親が一番誤解されているところなのですが——
結婚相談所というのは、やっぱりモテない男性が7割くらいいるので、真面目な男性はとても多いですが、素敵な相手と出会えるかと言うと、、、そんなことはないです。
これは業界の内側にいる専門家として、はっきりお伝えしておかなければなりません。
相談所に入れさえすれば、ちゃんとした男性とトントン拍子に話が進む
——そういう場所では、ないのです。
真面目で誠実な男性が多いのは事実です。
けれど、その中から「この人と一緒に生きていきたい」と思える相手に出会うには、本人の心が動いていなければ無理なのです。
モテなかった男性の良さを見抜くのも、普通の男性の中に光るものを見つけるのも、本人の感受性がオンになっていなければできない仕事です。親が「相談所に入れたから安心」と思った瞬間から、子供は一番難しい仕事を、心が止まったままひとりで背負わされることになります。
優しい子ほど、自分の気持ちを置き去りにする
ただでさえ難しい婚活なのに、本人の希望と両親の希望まで満たそうとすると、難易度が天文学的に上がってしまいます。
恋愛をいくらしていようが、いくら異性から今モテていようが、こと結婚となると自分だけで決められる話ではありません。
けれど現在、厳しい婚活をしている女性の多くは、そんな風に割り切って簡単に相手を振ることができない心優しい方が多いです。
心の優しい方であればあるほど、好きになった相手と、ズルズルと長い恋愛を続けてしまいます。
その優しさは、お見合いの席にも持ち込まれます。
お母さんはこういう人がいいって言ってた
お父さんは年収を気にしてた
優しい子ほど、後ろにいるご両親の顔をちらっと思い浮かべてしまう。
自分が「ピンと来ないな」と思っても、「でも親は喜びそうな人だしな」と、自分の心の声を一段下に置いてしまう。
逆に、自分は良いなと思った相手でも、「お父さんが反対しそうだな」と思えば、その芽を自分で摘んでしまう。
連れて行くだけでは、心は連れて行けない。
優しい子の心は、お見合いの席の真ん中ではなく、お見合いの席と実家のあいだ、宙ぶらりんのところに置かれてしまうのです。
これが、現場の事実です。
これまで、良かれと思って口うるさく言ってしまったご両親も、どうかご自身を責めないでください。
それは愛情ゆえの焦りだと、私も現場で痛感しています。
大切なのは、これからの関わり方を少しだけ変えていくことなのです。
現場で見えてきた、年齢と婚活成果の動かし難い関係
ここからは、ご両親の焦りに、現場の数字で根拠をお返しする話です。
結婚相談所に入会される方は、何歳の方が最も多いと思いますか?

- 一番多いのが、30代前半の女性
- 次に20代後半の女性と30代後半の女性
- 30代後半男性
- 40歳以降の男性
- 40歳以降の女性、30代前半男性
の順です。
では、一番成婚退会をするのが早い人は何歳だと思いますか?
断然、20代後半の女性と、30代前半の男性です。
入会する人数はそれほど多くない年代の方たちです。
つまり、入会する母数が多い30代前半女性より、入会数が少ない20代後半女性の方が圧倒的に早く決まるんです。
ここに、現場の冷たい事実が表れています。
需要と供給のバランスとして、若い女性と30代前半の男性が、最も相手から求められる。
だから、入会から成婚までの距離が、圧倒的に短いのです。
はっきり申し上げます
ご両親の気持ちは、本当によく分かります。
「30歳を過ぎたら」なんて言葉は、できれば使いたくありません。
それでも、プロとして、残酷な現実をお伝えすることをお許しください。
現場で見続けてきた事実として、お伝えしないわけにはいかないことがあります。
女性は30歳を過ぎると、歳を重ねるごとに結婚が難しくなります。
世間で言う結婚適齢期を過ぎた女性が、こぞってライバルひしめく婚活界に参戦してくるからです。
30代女性は、厳しい競争を勝ち上がっていかねば、良い男性と巡り合えません。
男性も30代後半を過ぎると、厳しい婚活に突入します。
一流企業や公務員といった安定した仕事や、年収600万以上の高収入のライバル達が続々と参戦してくるからです。
反対に、20代女性と30代前半の男性は、婚活界では本当によくモテます。
多くの魅力ある素敵な相手から申し込みが殺到し、自分と相性の合う結婚相手をじっくりと選ぶことが出来ます。
けれど、若い男女はそんなことに気が付きません。
その時その場の恋愛を楽しんでいます。そして、初めて気付くのです。
自分の結婚が簡単ではない
と気が付いた時、ライバルひしめく婚活界へやって来るのです。
厳しい現実ですが、裏を返せば、これに1日でも早く気づくことができれば、確実に対策は打てるということでもあります。
ただし、年齢だけが勝負を決めているのではない
年齢の話を聞くと、ご両親は「だから早く相談所に入れなければ」と思われるかもしれません。
ただ、現場で見ていると、本当の差は、年齢そのものよりもう一段奥にあります。
「恋愛モード」に入れているかどうか。
20代後半の女性が早く決まるのは、若いからだけではありません。
そろそろ自分の人生に、誰かを入れてもいいかな
と心が動き始めている方が多いから、目の前の男性を見つめる目が、ちゃんと働くのです。
逆に、30代でも、心が恋愛モードに入っている女性は、ちゃんと決まっていきます。
20代後半でも、心が止まっている女性は、なかなか動きません。
だからこそ、年齢の数字は、子供を脅すためではなく、「早く気づくほど、心の準備をする時間も長く取れる」という意味で読み替えてください。
早く気づくほど、選べる時間は長くなる。それだけのことなのです。
子供に届く言葉、突き放してしまう言葉
では、その焦りを、どんな言葉に変えて、子供に渡せばいいのか?
ここが、この記事で一番お伝えしたかったところです。

命令形を捨てて、「私はこう思っている」という親自身の本音にする。子供は、命令には反発しますが、親の素の心配には、案外、耳を傾けます。
出会いがない子供へかける言葉
「結婚しなさい」では、子供は動きません。命令されているからです。
代わりに、こう伝えてみてください。
将来の選択肢を、自分で狭めてほしくないの
今のままでは5年後に大変なことになるよ、と私は思ってる
将来のために、今、恋愛することも大切よ、と思ってる
もっと出会いを増やさないと、恋愛しない脳になっちゃうよ
特に最後の——
「恋愛しない脳になっちゃうよ」
これは、半分冗談めかして言えるご家庭なら、ぜひ使ってみてください。
深刻に言うと脅しになりますが、笑いながら言えれば、本音が届きます。
人間の心は、使わなければ動かなくなります。
ドキドキしない日々が長く続けば、本当に、誰を見てもドキドキしない人になっていく。
これは脅しではなく、現場でたくさん見てきた事実です。
「恋愛しない脳」になってしまった子は、相談所に入っても、心が動かない。
だから親としてかけてあげるべき言葉は、「結婚しろ」ではなく、「あなたの心が動かなくなることが心配なの」なのです。
今、お付き合いしている相手がいる子供へ
これも、ためらわず伝えてください。
結婚に照準を合わせて付き合う時期だぞ
全部OKになってから結婚できる人なんていないぞ
見切り発車で結婚しないとできなくなるぞ
「全部OKになってから結婚できる人なんていない」
——この一言は、私が現場で何度も口にしてきた言葉です。
完璧な相手を待っていたら、誰とも結婚できません。
年収は少し理想に届かないけれど、話していて一番ホッとする。
条件は完璧じゃないけど、一緒にいて苦にならない。
そういった「見切り発車」から幸せになったご夫婦を、私は数え切れないほど見てきました。
これは、結婚した親世代だからこそ、説得力を持って言える真実です。
条件だけの結婚に潜むリスク
ちなみに、心が動かないまま、条件だけで結婚に踏み切るのも、それはそれで危ういのが現場の本音です。
当たり前ですが、新しい出会いの機会が増えるほど、人は恋愛をするし、結婚をするし、浮気もするし、不倫もするんです。
心が動いていない結婚は、結婚した後で、別の形で歪みが出てくることがある。
だからこそ、独身のうちに、ちゃんと心を動かす経験を積んでおくことが、後の家庭を守ることにもなる。
お見合いや交際で断られた子供へ
ここで原因探しをしないことが、何より大事です。
だから言ったでしょ
絶対に言わないでください。代わりに、こう声をかけてあげてください。
縁がなかっただけ。次に進む方が、ずっと価値がある
断られて落ち込めるってことは、ちゃんと向き合った証拠よ
子供は、断られたこと自体より、その後の親の言葉で、婚活そのものを嫌いになります。
親の責任は「結婚させること」ではなく「考えるきっかけを渡すこと」
最初に申し上げた、「子供を結婚させるまでが親の責任です」という言葉。
ここまで読んでいただいた今、この言葉の意味が、少し違って聞こえているかもしれません。

責任とは、子供を相談所に連れて行くことではありません。
命令することでも、誘導することでもない。
子供が、結婚というものを考えられる空気と、きっかけを、家の中に作ること。
それだけです。
我々の時代と違って、現代の若者たちは恋愛に力を注ぎません。
恋愛経験なしで婚活を始める人も珍しくないのです。
じつは両親だって、今の婚活は経験していないのです。
昔はそんなことなかった。
昔は、普通の人は、ごく普通に結婚できるものでした。
2005年に厚生労働省が発表した統計によると、1970年の時代では30代で結婚していない人は10人に1人以下だったのが、今や約半数です。
これだけ社会が変われば、ご両親の世代の感覚と、今の子供たちの現実が噛み合わないのは、当たり前のことなのです。
だから、お互い、手探りでいいのです。
完璧なアドバイスなんて、誰にもできません。
それでも、説教ではなく対話に、命令ではなく本音に、変えていく。
婚活界にやって来た皆さんは口をそろえて言います。
もっと早く気付いたらよかった
この後悔を、ご両親の言葉で、少しでも減らせるとしたら。
最後に、現場で何度も実感してきた言葉を、もう一度だけ、お渡ししておきます。
幸せな結婚をしたいのなら、「一日も早い婚活を」。この言葉は真実です。
その「一日」を、子供に渡せるのは、ご両親だけです。
今日の夕食の席で、「お母さんは、あなたの将来の選択肢が狭まるのが心配なの」と、説教ではない本音の一言を、一つだけ伝えてみてください。
そこから、何かが少しずつ動き始めます。





