シングルマザーの恋愛ってぶっちゃけどう?経験者がリアルを語ります。

シングルマザーの恋愛ってぶっちゃけどう?経験者がリアルを語ります。

「もう男性なんて一生いらない」と思っていた彼女が、怯えずに眠れる夜にたどり着くまで

元夫から殴られながら、「もう男性なんて一生いらない」と本気で思っていた女性がいました。

あの頃の彼女に、今の彼女のことを話しても、たぶん信じなかったと思います。

数年後に別の男性と再婚して、娘の寝息を隣で聞きながら、誰にも怯えずに眠れる夜を知ることになるなんて——。

岡田は、恋愛や婚活、夫婦関係の相談を受ける中で、こうした「もう二度と誰かを信じられない」と思うほど傷ついた人の声に何度も触れてきました。

だからこそ、この話はただの再婚体験談ではありません。

怖かった夜から、安心して眠れる夜へ。

そこにたどり着くまでの話です。

元夫のDVから逃げた女性が、もう一度恋愛しようと思うまで

離婚した直後、彼女は「もう男性と一緒に暮らすのは絶対にイヤ」と思っていました。

元夫から身体的DV・モラハラを受け、怯える日々を過ごしていたため、玄関のドアが開く音だけで心臓が縮む生活が、彼女にとって当たり前になっていたんです。

だから離婚した日、安いアパートの薄い壁の向こうで娘の寝息だけが聞こえる夜、彼女は布団の中で泣きました。

悲しくて、ではありません。怖くなかったからです。

人の顔色を伺わなくていい。

気を使わなくていい。

暴力に怯えなくていい。

子供にも、ちゃんと笑顔で「おかえり」が言える。

それだけで充分でした。

むしろ男性は邪魔な存在だとさえ思っていました。

男性の靴音が後ろから近づいてくるだけで、無意識に肩がこわばる。

コンビニのレジで男性店員に話しかけられただけで、視線をそらす。

そういう自分を、しばらく彼女は責めもしませんでした。

当然だと思っていたからです。

実際、DVやモラハラを経験したあとに「男性全体が怖い」と感じてしまう人は少なくありません。

岡田が相談を受けていても、そこを無理に急がせるべきではないと感じます。

怖さが残るのは、弱いからではなく、それだけ深く傷ついたからです。

ただ、離婚後に時間が経つにつれて、少しずつ景色が変わっていきました。

職場の男性上司が、娘の発熱で早退する時に「気にせず行きなさい」と当たり前のように言ってくれる。

スーパーで娘がぐずった時、見ず知らずのおじさんが「大変だね、お母さん」と笑ってくれる。

——この人たち、怒鳴らないんだ

そんな当たり前のことに、いちいち驚いている自分がいたそうです。

決定的だったのは、ママ友たちと飲みに行った夜でした。

何の気なしに「うちの元夫、機嫌悪いと壁殴ってたんだよね」と話したら、全員が箸を止めたんです。

一瞬、店内のBGMだけが妙にはっきり聞こえた。

え、それ普通じゃないよ

壁殴る人、私のまわりにはいない

ねえ、それ本気で言ってる…?

順番に、戸惑いながら言葉が降ってきました。

一人は箸を持ったまま、口元に手を当てていた。

彼女はその時になって初めて、友人の中に「夫から殴られたことのある人」が一人もいないという事実に気づいたんです。

自分の結婚生活は、世間の標準から大きく外れていた。

「壁を殴る夫」も、「物が飛んでくる夜」も、「玄関の靴音で身がすくむこと」も、自分の家の中だけのルールだった。

みんなの家には、なかった。

異常だったのは、元旦那だけだった。世の中の男性全員が怖いわけではなかった。

もちろん、そう思えるようになるまでには時間がかかります。

彼女の場合は、たぶん3年くらいかかったそうです。

3年かかったことは、遅かったわけではありません。

それだけ傷が深かったということです。

DV夫との結婚生活で「もう結婚も恋愛もこりごり…」と思っていた彼女ですから、自分にそんな願望が湧くことすら驚きだったのです。

もう一度、誰かと暮らすのも悪くないかもしれない

そう思った夜、彼女は自分で自分に少し引いたと言っていました。

ただ、いざ恋愛しようとしたら、独身時代とは何もかも違っていたんです。

シングルマザーの恋愛が、独身時代と決定的に違うところ

最初に言ってしまうと、多くの場合、シングルマザーの恋愛は、独身時代の恋愛とはまったく違うものになります。

独身時代の恋愛なら、深夜にふらっと呼び出されて駅前のバーで終電まで話し込む、みたいなことができたじゃないですか。

連絡が来た瞬間にメイクし直して家を飛び出せる、あの軽さ。

シングルマザーには、それがありません。

何が違うかというと、デート場所とか、預け先の確保とか、そういう実務的な話だけではないんです。

もちろん、それも大きな問題です。

けれど、本当に重いのはその先です。

一番違うのは、「彼氏」という関係に踏み込んだ瞬間から、相手が無条件で「半・家族」みたいな存在として頭に入ってくることです。

最初は「バツイチだし、子供がいる自分のことを好きになってくれる男性なんているんだろうか」と不安だったそうです。

でも、いざ好きになってくれる人が現れた時、彼女の頭をよぎったのは「この人、娘とご飯食べられるかな」だったんですよ。

デート何回目で告白されるかな、ではなくて。

彼氏・彼女というよりは「家族」のような関係に近い交際です…。

恋愛の相手である前に、生活の中へ入ってくる人として見てしまう。

この「…」は、独身時代の自分が聞いたら絶対にピンとこない感覚だと思います。

たとえば、デートの帰り道に駅で別れる時。

独身時代なら「またね」で振り返らずに改札を抜けて、その夜のうちにLINEで余韻を引き延ばすのが恋愛だった。

でも、シングルマザーになってからの彼女は、別れ際にもう「次に会うのは娘も一緒の日かな」と考えていました。

彼の好きな食べ物を覚える時、頭の片隅で「これ、娘も食べられるかな」と確認している。

彼が「今度どこ行く?」と聞いてくれた時、まず浮かぶのは静かなバーではなく、芝生のある公園だった。

恋人を、生活の中に置く場所から考えてしまう。

「ドキドキ」より先に、「この人、信頼できそうだな」が来る。

色気より、安心感を先に測ってしまう自分がいて、最初はそれが寂しくもあったそうです。

あの、何も背負っていない頃の、無責任なドキドキはもう戻ってこないんだなって。

でも、後から思えば、それで良かった。

もちろん、元夫を選んだ彼女が悪かったという意味ではありません。

ただ、ドキドキを最優先にして、安心感を後回しにしていたことには、後から気づいたのです。

この感覚を踏まえた上で、実際に彼氏ができてから彼女がぶつかった現実を、2つだけお話しします。

彼氏ができてから本当にぶつかった2つの壁

壁①:娘の発熱でデートが消えた夜、彼女は「気遣われる」ことの重みを知った

土曜の朝、メイクして、久しぶりに大人の服を着て、玄関で靴を履こうとした瞬間に娘が「ママ、頭いたい」と言ったんです。

額に手を当てると、熱い。体温計38.4度。

一週間前から楽しみにしていたランチが、5秒で消えました。

「ごめん、娘が熱出ちゃって」とLINEを送り、薬局で解熱剤と冷却シートとゼリーを買って、帰り道、コンビニの袋を提げてアパートの階段を上がっている時にスマホが震えました。

大丈夫?娘ちゃん何度?ゼリーとか持っていこうか?

——彼女は、玄関の前で立ち止まりました。

コンビニの袋の取っ手が手のひらに食い込んで、白くなっていた。

その時に気づいたんです。

離婚してから、誰にも「大丈夫?」と聞かれていなかった、ということに。

娘の前ではずっと「大丈夫な母」をやってきたし、職場では「大丈夫なシングルマザー」をやってきた。

誰にも聞かれないから、自分でも自分に聞かなくなっていた。

あの夜、彼女は自分がこんなに「気遣われたかった」のかと、自分で自分にびっくりしたんです。

「ゼリーは買ったから大丈夫」と返したけれど、玄関で少し泣いたそうです。

娘に見られないように、洗面所で水で顔を洗ってから、寝室に入った。

正解の言葉を返してくれた、という話ではありません。

「了解、お大事に。また都合つく時に」と返してくれる人にも、ちゃんとした人はいます。

婚活でも夫婦関係でも、相手を支える言葉は、きれいな正解文より「気にかけている姿勢」の方が深く残ることがあります。

ただ、あの夜、彼女は自分が「守られたい」と渇望していたことに、生まれて初めて気づいた。

元夫といた頃は、守られたい以前に、守られないのが当たり前だったからです。

壁②:返せないLINEを見つめていた夜と、「朝にLINEするわ」の8文字

シングルマザーの夜って、本当に体力が残っていません。

仕事をして、保育園に迎えに行って、娘に「今日なにした?」と聞きながら夕飯を作って、お風呂に入れて、絵本を読んで、寝かしつける。

気付いたら娘の隣で自分も寝落ちしている。

そういう生活を送っていると、夜中に「今日何してた?」という恋人らしいLINEを返す体力が、本当にないんです。

ある夜、娘を寝かしつけて自分も寝落ちして、夜中の1時にトイレで目が覚めて、スマホを見たら彼からのLINEが3件溜まっていました。

今日仕事どうだった?
ご飯食べた?
もう寝ちゃった?

彼女は、暗い廊下に座り込んで、しばらくそのLINEを見つめていました。

返さなきゃ、と思うのに、指が動かない。

「返せない自分は、彼を大事にしていないんじゃないか」という罪悪感だけが、お腹の底に溜まっていく。

しばらくして、彼から一度だけ「俺、優先順位低いのかな」と言われた夜があり、彼女は黙ってしまいました。

だって、低いんです。順位で言ったら。

でも、子供を優先することと、相手を大切にしていないことは別です。

優先順位が低く見えることと、どうでもいいと思っていることは、まったく別なんですよね。

それを言葉でどう伝えればいいのか、何回もLINEを書いては消した夜があったそうです。

最終的に彼女が送ったのは、「あなたのことは大事。でも、私の今の生活は、夜10時にはもう電池が切れる仕様なの。それでも一緒にいてくれる?」というような、めちゃくちゃ不格好な文章でした。

返ってきたのは、「了解。じゃあ朝にLINEするわ」だけ。

その8文字に、少し泣いたそうです。

責められなかった、というだけのことに、彼女は呼吸が浅くなっていたことに気づいたんです。

元夫の時は、返事が遅いだけで物が飛んできた。

スマホの通知を見るたびに身がすくんでいた癖が、まだ抜けていなかった。

「朝にLINEするわ」は、彼女の電池切れを責めない、という意味でした。

そんな現実の中で、彼女が「この人だ」と思えた瞬間がありました。

大きな告白や派手な出来事ではなく、むしろ日常の中の小さな場面でした。

再婚を決めた日。彼が娘を肩車してくれた、あの夕方のこと

その日は、近所の動物園に3人で行きました。

彼女の場合は、デートに子供も一緒に連れて行っていました。

最初は「子連れで来るなんて重い」と思われるかなと身構えていたけれど、彼の方から「今度、娘ちゃんも一緒にどこか行こうよ」と言ってくれたんです。

公園や動物園に遊びに行き、子供が疲れたら彼が抱っこしてくれ、人混みでは娘を肩車して遠くの景色が見えるように楽しませてくれました。

——と、文字にしてしまうと、なんだかドラマみたいに聞こえるかもしれません。

でも実際は、もっと地味でした。

その日、ペンギンの前で娘が「だっこー」と言った時、彼は一瞬「えっ、俺が?」という顔をしたんです。

慣れていなかったから。

子供を抱き上げる手つきがぎこちなくて、娘の脇の下に手を入れる位置が微妙にずれていて、娘が「いたい」と言って、彼がすごく焦って「ごめんごめん」と謝っていた。

彼女はそれを、3メートルくらい後ろから見ていました。

別に感動的なシーンではありません。

ただ、夕方のオレンジの光が二人にあたっていて、彼の白いシャツが少しだけ汗で背中に張りついていて、娘の小さい靴が彼の太ももにぶら下がっていて。

帰り道、もう体力の限界だった娘を、彼が肩車しました。

「もうちょっとだよ、頑張れ」と、自分に言い聞かせるみたいに小さい声で言いながら。

彼の歩幅は、娘を乗せた分だけ少し小さくなっていて、彼女は半歩後ろを歩きながら、その背中をずっと見ていた。

何も特別な言葉は交わしていません。

ただ、駐車場で娘を下ろした時に、彼が「重かったー」と笑って、首を回して、それから彼女の方を見て「明日、肩こるかも」と言ったんです。

その「明日、肩こるかも」を聞いた瞬間、彼女の中で何かが、すうっとほどけました。

娘は車のチャイルドシートで、もう半分眠りかけていて。

彼は運転席で肩を回しながら、ちょっと照れたみたいに笑っていて。

彼女はその横顔を、助手席から黙って見ていた。

たぶん、彼が娘に対して完璧な父親のように振る舞っていたら、彼女は逆に怯えていたと思います。

「いい人すぎて怖い」って。

でも彼は、抱っこの仕方を間違えるし、肩車の後で「肩こるかも」と言うし、娘が寝た後の車の中で「正直、どう接していいかまだ分かんないんだよね」と正直に言う人だった。

不器用なまま、それでもそこに居てくれる人。

彼女が欲しかったのは、ヒーローではありませんでした。

逃げずに、生活の中に残ってくれる人だったのです。

まとめ|「一人で立派に」を、自分に課していたのは自分だった

岡田がシングルマザーの方から恋愛や再婚の相談を受けていると、「私も再婚したいと思っています!」「再婚したいけど、出会いがない…再婚した人は、どこで出会っているんですか?」といった声をもらうことがたくさんあります。

こうした声に触れるまで、こんなに再婚を望むシングルマザーが多いとは思っていなかったので、正直驚きました。

みんな、言わないだけだったんだ

そう思いました。

元夫のDVから逃げて、娘と二人で安いアパートで震えていた夜に「もう男性なんて一生いらない」と思っていた女性がいます。

そうした相談に向き合ってきた岡田として、どうしても伝えたいことがあります。

シングルマザーでも恋愛していいし、素敵な人に出会えたのなら、再婚を考えてもいい。

「シングルマザーは一人で子供を立派に育てていくべき」——そういう声はたしかに世間にあります。

でも、振り返って一番きつかったのは、世間の声よりも、それを自分の中に取り込んで「一人で立派にやらなきゃ」と自分自身に課していた呪いの方だったのだと思います。

「一人で立派に」を自分に課して苦しくなる必要なんて、誰が決めたわけでもなかった。

まずは、誰かに頼りたいと思った自分を責めないことからでいいのです。

無理に恋愛を始めなくてもいい。すぐに再婚を目指さなくてもいい。

ただ、「怖い」と感じる自分も、「もう一度誰かと生きたい」と思う自分も、どちらも否定しなくていい。

DVから逃げて、娘と二人で震えていた夜の彼女に、今の彼女のことを話しても、やっぱり信じなかったでしょう。

でも、信じなくていい。

ただ、「一人で立派に」を自分に背負っている人がいたら、その肩の力、少し抜いてもいいよと、それだけ伝わればいい。

——再婚した今、彼女は夜、娘の寝息を聞きながら眠っています。

物音にびくつかない。玄関の音にも身構えない。

それだけのことが、彼女にとっての一番の奇跡です。

あなたにも、怯えずに眠れる夜を選んでいい。

まずはそのことを、自分に許してあげてください。

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