普通の男ほどヤバイ!その男は結婚詐欺師
私が会った結婚詐欺師は、どこにでもいる「普通の男」だった
身長165センチくらい、ガリガリで眼鏡、お腹だけ少しポテッと出ている。
正直、第一印象だけ見たら、女性にモテるタイプにはまったく見えませんでした。

気が弱そうで、捕らえられた宇宙人みたいな体型のミスターA。
最初は「結婚詐欺をやっている」と言われても、私自身が信じられなかったほどです。
その彼が、私の前にスマホを置いて、たくさんの写真を見せてきました。
- 女性とのツーショット
- キス写真
- 腕を組んでいる写真
- 寄り添っている写真
本気で信じられなかったです。
美人もいた。セレブそうな人もいた。
お金持ちそうな年配の女性もいた。どれも、本当に仲良さげに写っていました。
探せばいくらでもいますよ
涼しい顔でそう言った彼の手口を、これから暴きます。
なぜそんなことができるんだ、その見た目で——。
これが、取材中ずっと私の頭から離れなかった疑問でした。
結婚詐欺師と聞いて、多くの人は男前で、パリッとした男を思い浮かべると思います。
でも、私が会ったAは真逆でした。
なんの魅力もない、その辺で見かけてもまったく目に留まらないような男。
それなのに、写真の中で彼に寄り添っている女性たちは、彼を心から信じている顔をしているのです。
被害を減らすために手口を公開する
女性は読んでいるだけで腹が立つかもしれません。
信じたくない話かもしれませんが、それでも、こういう被害に遭う人が少しでも減るように、最低の悪い奴の手口を公開します。
怖がらせるためではなく、あなたやあなたの身近な人を守るためにお伝えします。
ただ、この何の魅力もない男に、なぜこれほどの女性が惚れたのか?
Aは、その答えをはっきり口にしていました。
結婚詐欺師の特徴は、見た目ではなく「状況作り」にある
Aに、どうやって女性を口説くのかを聞きました。
返ってきたのは、こんな言葉です。

見た目なんか一切関係ない。一番大事なのは、状況作りだ
Aが上手かったのは、口説き文句ではない。
先に「信じたくなる空気」を作ることだった——私はそう受け取りました。
男はみんな、自分は見た目が悪いとか、お金がないとか、しょうもない理由でアタックを諦めている。
でも実際は、男がどんな人間かなんて、ほとんど関係ない。
状況さえ作ってしまえば、女は男に簡単に惚れる。
Aはそう自信満々に主張しました。
ここで私が引っかかったのは、Aが「自分の魅力で口説く」という発想を最初から捨てているという点でした。
彼が口説いているのは「女性そのもの」ではなく、「女性が置かれている状況」のほうなのです。
そしてAの発言で、もう一つ忘れられないものがあります。
女性と付き合う最大のコツはね、彼氏が欲しいと願っている女性と出会うこと。この一点のみに集中する
この一言は、ぞっとするほど合理的でした。
彼は、自分のことを「タイプ」とまではいかなくても、「範囲外」だと思わない女性に絞ります。
- それほど面食いではないこと
- お金持ちが良いとか、贅沢志向の女性ではないこと
- 「尽くしてくれるタイプ」が好きであること
とはっきり言いました。
狙うのは「恋愛したい気持ちが前に出ているタイミング」
派手な男に注意——という世間の認識は、ここで崩れます。
Aが見ているのは「寂しい女性」ではない。
「恋愛したい気持ちが前に出ているタイミング」のほうです。
人の紹介を素直に信じられる時。ちょっと寂しい夜。
普通の男に見えるからこそ、警戒の網をすり抜ける。
それが彼の武器でした。
ではAは、その「彼氏が欲しい女性」を、どこでどう見つけているのか?
手口は、想像しているのとはずれた場所から始まります。
結婚詐欺の手口は、お金の話よりずっと前から始まっている
Aがまず向かう先は、夜の街です。
居酒屋でも、バーでも、カフェでもいい。

一人で時間をつぶしていそうな、声を掛けやすい店に入ると言いました。
ただのナンパではないか、と私は思いました。
それで成功するなら誰も苦労しない、と。
Aは笑ってこう言いました。
ナンパが難しいのは断られるからだろ? 失敗するから怖いんだろ? 成功するなら怖くないんだよ
その上で、声を掛ける相手は厳密に選びます。
ちょっと見栄っ張りっぽい、SNSで日常をアップしてそうな、それでいて彼氏がいなさそうな女の子。
私、人見知りしません。誰とでも仲良くしゃべれます
というタイプの子です。
そしてAははっきり言いました。
絶対に美人には声を掛けちゃダメだ。失敗するに決まってるから
ここまで聞いて、私は早合点しました。
あーわかったわかった! その女性とまずは仲良くなって、そこから友達の輪を広げていくってやつだな〜
甘いわ〜〜〜、岡田さん甘過ぎるわ〜〜
そうAに笑われました。
彼が狙っているのは、目の前で声を掛けたその女性ではなかったのです。
特にヤバいのは、その女性が岡田さんのこと好きになるかもしれないだろ? そうなったら最悪だ、計画は全部大失敗だな
それに、女性ってそんな簡単に大切な友達を紹介してくれないよ。第一、バーで出会った男にお金なんか貢ぐわけがない
——マジか。そんな手があったのか?
「向こう側」にいる女友達を狙う
Aの本当の狙いは、声を掛けた女性そのものではない。
彼女の「向こう側」にいる、まだ見ぬ女友達のほうでした。
つまり、最初に声をかけた女性を『ターゲットを探し、情報を運んでくれる無自覚な協力者』に仕立て上げるのです。
自分より可愛くない友達を紹介するのは女子の典型パターンだ、ともAは言っていました。
ここでぞっとするのは、自分が直接Aに声を掛けられなくても、自分の友達経由で標的にされうるという構造です。
誠実そうな男友達からの紹介——その一行こそが、次の罠の入り口になります。
「友達のイケメンを紹介したい」から始まる、巧妙な信頼の偽装
ここからがAの手口の核心です。
声を掛けた女性とその場で仲良くなったあと、Aはこう切り出します。

君のこと、僕の友達に紹介したい
誠実そうに、真面目な顔で。
僕の友達ですごく良い奴がいるんだけど、そいつ君のこと絶対にタイプだと思う
と続ける。
出会って間もない男から、いきなり友達を紹介したいと言われるのは、本来不自然なはずです。
これが一つ目の大きな違和感です。
興味を持ってきたら、Aは友達の写真を見せます。
イケメンでめっちゃ良い奴なんだけどさ、真面目過ぎて奥手だから、彼女が出来ないんだ
時にはその場で電話をして、友達と代わったりもする。
電話に出た「友達」は、Aがあらかじめ仕込んでおいた何でも屋や、別の知人。
声の主は、写真の人物ではないのです。
これが二つ目の違和感です。その上でAは、こんなお願いを重ねます。
連れてくる女子は、面食いとかはダメだよ。贅沢な女もやめてね。できるだけ、今は彼氏がいなくて、彼氏が欲しいって思ってる女性を頼むよ
尽くしてくれるタイプの女性が好きなんだ
最初に声を掛けられた女性は、ここで全力を出します。
この最高の男友達を紹介してもらう代わりに、自分のネットワークから「最高の女友達」を連れてこようとする。
そして、ここがAの必殺技でした。
Aはその「紹介してもらう予定の女の子」のことを、徹底的にリサーチさせるのです。
踏み越えちゃいけないところを飛び越えさせることが重要で、どこまで内緒の話をさせるのかがポイントだ
Aは、架空のイケメン友達の過去の恋愛、フラれた話、フッた話、誰にも言ってない話まで、自分の口から先に話します。
友達にはなんとか幸せになってほしいんだ
と添えて。
すると相手も、ターゲット女性の元カレ、別れた理由、好きなタイプ、悩みまで、どんどん話してしまうのです。
これ、えげつなくないですか?
本人は「たまたま分かってくれる人」に見せているけれど、実際は事前に情報を集めて、相手の心の鍵穴に合わせて言葉を差し込んでいるだけ。
「他人の恋愛事情を、出会って間もない男にここまで詳しく話している」その状態自体が、すでに異常です。
そして当日。
「4人で遊ぼう」と言っておいて、いい感じの男友達は——。
急遽ドタキャンだよ! だって仕方ないじゃないか、仕事とか家族とかの急用なんだから
そう笑うAを見たとき、正直、ゾッとしました。
すごいですよね、こいつ。
そんなの普通の神経ではできません。
その日は3人で軽く食事だけ。
本当に、ごめんな
と言いながら、Aはターゲット女性と連絡先を交換します。
プライベート情報をすでに知り尽くしているので、彼女の喜ぶデートを提案し、ツボを的確に攻めていく。
簡単に「運命の人」になれる、と本人は断言していました。
ではイケメン友達はその後どうなるのか?
会えないよ、絶対に。だって架空の人物だもん。そんなのいるわけないじゃないか
しばらくLINEで連絡を取り合ったあと、こんなメッセージが届く。
ごめん、好きな人ができたんだ。こういう連絡はやめることにする
送信者はもちろんA本人。
電話で女性と話した「友達」は、まったく無関係の男だったというわけです。
紹介・友人経由・他人の口添え。
本来なら信頼の根拠になるはずのものが、すべて偽装の道具に化けている。
これがこの章で最も恐ろしい部分です。
結婚詐欺師の見分け方|会えない人・急用・先回りの情報収集
Aがやっていたのは、本人確認を避けることではなく、「確認したくならない空気」を作ることだった。
だから、優しい言葉より先にここを見てください。

- いつまで経っても会えない関係者がいる——「親友」「兄貴分」「ビジネスパートナー」「紹介したい人」。名前や写真は出てくるのに、いざ会う段になると毎回ドタキャン。Aが認めた通り「だって架空の人物だもん」というケースは、現実にあります。
- 急用とドタキャンが、不自然なタイミングで重なる——一度や二度なら誰にでもある。けれど、こちらが期待を高めた直後、紹介の当日、関係が一段深まりそうな節目。そういう「ここぞ」というタイミングで毎回崩れるなら、それは偶然ではなく演出です。
- 相手が、自分の情報を不自然に先回りで知っている——共通の知人がいる場合、ある程度の話が伝わっているのは自然。けれど、誰にも話していないはずの過去、好きなタイプ、悩みのツボまで「なぜそれを?」と感じる精度で当ててくる場合は、別ルートで情報を抜かれている可能性があります。Aは、紹介者経由でターゲットの内緒話を全部引き出していました。
- 違和感を確認しようとすると、急に距離を取る——「その人、本当にいるの? 一度ちゃんと会わせて」「LINE見せて」。こういう確認に、苛立ったり、笑ってはぐらかしたりする態度が出るなら要注意。Aは「めんどくさいって言って、別れたらいいんだよ」と、はっきり口にしていました。確認に耐えられない関係は、確認させたくない理由がある関係です。
補助的に挙げるなら、勤務先や家族の話を毎回ぼかす、SNSの過去がやたらに少ない、ツーショットや顔の写る写真を嫌がる。
一つだけなら偶然ですが、二つ三つ重なるなら、軽く流していい話ではなくなります。
ここまで読んで、「自分は大丈夫だろうか」と思った方もいるかもしれません。
でも、誤解しないでほしいことがあります。
結婚詐欺で狙われやすい女性は、「弱い人」ではない
騙される女性は、どこか抜けている人なんじゃないか
そう思った方がいたら、はっきり否定します。

騙される女性が弱いのではない。
Aみたいな男が、女性の優しさ、信じたい気持ち、紹介してくれた相手の顔を立てる誠実さを、ものすごい分析力で狙い撃ちしてくるんです。
これは弱さではない。
人間関係の中で、本来であれば長所として働くものばかりです。
実際、騙された女性の多くは、ごく普通の、誠実で真面目な人たちです。
仕事も家庭もきちんと持っていて、判断力もある。
ただ、「人を疑うところから関係を始めたくない」という人間としての真っ当な感覚を持っているだけ。
正直に言います。Aの行動力と分析力だけ見たら、すごい。
女性の好きなことを徹底的にリサーチして、そんな男性になり切る。
ターゲットを絞って、手当たり次第に攻撃しない。
女の子と知り合えない
と悩む男がたくさんいるのに、Aはとんでもない数の女性と知り合いなんだから。
しかし、それを人を幸せにするためではなく、人を壊すために使っている。そこが本当に鬼畜生だと思いました。
Aが悪質だったのは、相手の欠点ではなく、相手の美点に手を伸ばしていた点でした。
あなたは弱いから狙われた
のではなく、「あなたが大事にしているもの」を狙われたのです。
標的にされたのは性格の隙ではなく、相手が信じていた善意のほう。
だから、もしあなたや、近くにいる誰かが、こうした男に時間や心やお金を奪われたとしても、自分を責める必要はありません。
優しさや誠実さを持っていたことは、欠点ではない。
ただ、優しさを利用しようとする人間が、現実に存在する——その事実だけは、知っておいてほしいのです。
それを知っているかどうかが、次に違和感を覚えたとき、立ち止まれるかどうかを分けます。
ここまで読んで、怖くなってしまった方もいるかもしれません。
でも、手口さえ知っていれば必ず防げます。ここからは具体的な対策をお伝えします。
それでも、もしお金の話が出てきてしまったら——その時の動き方を、最後にまとめます。
お金を要求された時に確認すべきこと|証拠と相談先
Aはこう、こともなげに言っていました。
自分が運命の人だと思いこんで、好きになったら、『ちょっと困っているんだ』とか、『事業を一緒にしてほしい』とか、『お金を少し融通してくれないかな?』とか、どうとでもなる

これを聞いた瞬間、私は本当にゾッとしました。
恋愛感情を作ったあとにお金を出させる。これが一番えげつない。
しかも、Aは一度もお金が目的だとは言わなかった。
この詐欺師Aの目的は、お金じゃないんだ。女性と付き合うことなんだ。その女性が自分に惚れて尽くすタイプだったら、その女性は出来る限りのことをしてくれる
つまり、お金は「尽くす関係」を確認するための装置に過ぎない。
ここが恐ろしいところです。
お金を渡してしまうと、相手は引き下がるどころか、「もっと尽くしてくれる相手だ」と判断して、関係を一段深く食い込ませてくる。
だから、もしお金の話が出たら、まず一人で判断してはいけない。
Aの手口を全部聞いた人間として、これだけは強く言わせてください。
お金の話が出た時、まずやること
* 証拠を残す——LINE、通話履歴、振込明細、相手のSNSアカウント、写真。全部スクリーンショットで保管する。Aみたいな男は、途中でアカウントごと消える。今のうちにです。* 渡す前に、必ず一度、第三者に話す——家族でも、長年の友人でもいい。「こんな話があるんだけど」と口に出した瞬間、自分でも違和感に気づくことがあります。一人で抱え込まないでください。* それでも貸すなら、借用書を交わす——金額、返済期限、利息、双方のサイン。これを嫌がる相手は、最初から返すつもりがない。Aみたいな男は、ここで必ず「めんどくさいわ〜」と言って逃げます。* 公的な窓口を使う——警察相談専用電話「#9110」、消費生活センター「188(いやや)」、各地の弁護士会の法律相談。
ここで一つだけ強調しておきたい。
これらの窓口は、騙されたあとに使うものだと思われがちです。
でも本当は、「迷っている段階」で使うべき窓口です。
Aと話して、心底それを思いました。
Aみたいな男は、被害者が一人で抱えてくれることを前提に動いている。
第三者の目が入った瞬間、彼らの計算は崩れます。
まとめ|「普通だから安全」ではなく「普通なのに違和感がある」を信じる
私が会ったAは、最後までどこにでもいる、冴えない普通の男でした。
ただ、彼のやり方を全部聞き終えたあと、一つだけ確かに分かったことがあります。

詐欺師は、あなたの欠点を突いてくるのではない。
彼らは、あなたが欲しい言葉、あなたが欲しい安心、あなたが欲しい未来を、徹底的に調べ上げて、そっくり差し出してくる。
だから一見、あまりにも気が合うように感じる。
あまりにも理解されているように感じる。
あまりにも、「運命の人」のように感じてしまう。
それは運命ではなく、調査の結果です。
向こうはあなたを丸ごと知った上で演じている。
だからこそ、理屈で説明できない、ふとした違和感——「なんか、おかしい」「いつまでも会えない」「話が出来すぎている」——その小さな引っかかりだけが、相手の手の内に入っていない、あなただけのセンサーになります。
正直に書きます。
彼の巧妙な手口に感心したり、このやり方を推奨したりしているわけでは決してありません。
でも、Aと向き合った時間は、考えさせられるものでした。
世の中にはこんな男が現実に行動している。
ろくな死に方をしないだろう、最低の最低野郎です。
私が一番言いたいのは、これです。
恋愛したい気持ちは、恥じる必要なんか一つもありません。
ただ、その気持ちを「入口」にして近づいてくる人間がいる。
Aと話して、それを嫌というほど見せられました。
「普通だから安全」ではない。
「普通なのに、なぜか違和感がある」——その感覚を信じていいです。
一人で抱え込まず、信頼できる人や専門の窓口に、早めに口に出してください。
それだけで、Aみたいな男の計算は崩れます。
あなたはあなたのままで、ただ少しだけ「知識」という盾を持てばいいのです。
あなたの優しさと誠実さが、それを本当に大切にしてくれる人に届くことを願っています。





