多少の身体の障害なんて気にしない方が良いです。運命の人がいるかもしれません。

私は三十歳になっても恋愛経験もなく、地元の工務店で事務をしていました。

そんな私を見かねた両親が勧めたのは、秋田県が中心となりマッチングしてくれる●●でした。

私はそれまでは恋愛に興味もなく、結婚なんて一生縁のないものだと思っていましたが、親にすすめられた時は何故か、登録してみようという気持ちになりました。

今考えてもその時の気持ちが不思議です。

とにかく相談所に出向き、マッチングを依頼しました。

担当者さんにファイルを渡され、「この中からピックアップして下さい」と言われました。

ファイルには公務員の方や、会社経営の方もいました。

時間をかけてじっくりと見ていたのですが、ある男性の写真を見て、とても惹かれたのです。

いわゆる「ビビビッ」ときたのです。

今まで運命なんて関係ない人生でした。

しかし、私はその男性の顔写真だけで運命を感じました。

写真の顔は色は浅黒く、テカリがあり、とっても丸顔で、どう見たってイケメンではありませんでした。

更にプロフィールを見ると年齢は40歳で、身長は私より低く、体重もかなりあるようです。

しかし、会社経営者とのことです。

大学もちゃんと有名な大学を卒業してる方でした。

早速、担当の方にこの方との面会を希望しました。

その時に、「身体に障害がある方ですがよろしいですか」という確認がありました。

しかし、その方が会社経営をしているのは間違いないようですし、経営している会社も介護施設とのことで、きっと真面目な方だと思って、深く考えずにそのまま手続きをお願いしました。

そして、その方と初めてお会いした時、やはり私はとてもしっくりきたのです。

運命の人だという気持ちは変わりませんでした。

ちなみにその方は小学生の頃に、右肘より下を農機に挟まれてしまったという方でした。

つまり右手が無い方です。

少し驚きましたが、お話しをするととても明るく元気な方でした。

片手でも車の運転はもちろんしますし、お酒も呑みます。

しかも大食いです。

何故か何回目かのデートが、彼の地元の食堂の大食い大会でした。

彼は優勝はできませんでしたが、かなり奮闘したと思います。

右手が無い彼ですが、私の家族も反対することなく、あれよあれよと言う間に気がづけば婚約していました。

翌年には挙式をし、更に翌年には娘が生まれました。

相談所の方曰く、最初のマッチングで話しがまとまることはかなり珍しいことのようです。

今は三歳になる娘の面倒を見ながら、主人の介護施設の経理の仕事を手伝っています。

あっという間に終わってしまった婚活でしたが、無事に結婚できて良かったと思っています。

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