【結婚相談所名】×××× 【結婚相談所の点数】★★★ 【自分の婚活の点数】★★★★ 【都道府県】東京都 【年齢】33歳 【職業】当時は会社員(現在は専業主婦) 【活動期間】平成19年7月~平成20年7月 |
小規模の結婚相談所に入会していたときの話です。
そこは、マンションの一室をサロンとして使い、仲人の女性がひとりで切り盛りしている結婚相談所でした。
紹介された両者が決められた日時にその部屋へ出向き、仲人を交えてお話をするというスタイル。
私がそこで紹介されたAさん。
第一印象は「あれ? 写真と違う」でした。
もらった写真よりも一回りか二周り、ふっくらされていました。
おそらく、少し前の写真を使っていたのでしょう。
その点は「まあ、そういうこともあるよね」くらいに思っていたのですが、仲人を交え、お話をしているときに私はある違和感を抱いたのです。
仲人が話題を振ってくれるのはよかったのですが、その女性がとにかくよくしゃべるのです。
仲人がAさんに質問してAさんが答える、仲人が私にも質問し、答える……ということが続きました。
それがいつの間にか、仲人が話すことに私たちが相づちを打つ、という形に変わっていったのです。
私は「全然、Aさんとしゃべってない!」と途中で気づきました。
相談所内で話したあとは外へ出て、ふたりで自由に2、3時間一緒に出歩いたり、食事をしたりすることがその日のミッションとして決まっていましたので、私たちは仲人に促されるまま公園へ行くことになりました。
Aさんはとても無口なひとでした。
会話がなかなか進まず困りましたので、プロフィールを見て知っていたAさんのお仕事のことや、ご兄弟のことを私から聞いてみました。
そうすると、質問に対してAさんは「そうです」「違います」という返事しかしなかったのです。
これでは会話が全然続きません。
趣味は電車だということを聞き出せたので、今度は電車に関する話題をふってみたところ、今まで一文だった答えが、二文、三文に長くなって返ってきたのです。
私は「あっ、のってきた!」と思って、しばらくAさんの電車トークに付き合うことにしました。
しかし、ものの数分で「もう電車の話題は飽きたな」と思ってしまったので、試しに「海外に行かれたことありますか」とAさんに聞いてみました。
申し訳ないことに覚えてないのですが、Aさんはおそらく、イギリスに行ったことがあると仰っていたと思います。
でも、語られたのはイギリスで見た「電車」のお話でした。
また電車!
結局どんな話をしても、電車の話に戻るのでした。
帰り道、地下鉄の駅の前を通ったときにAさんが「ちょっと取りにいきたいものがあるんですが、いいですか?」と聞いてきたので了解し、10分くらい待ったのですが、待っている間に「私、今日何しにきたんだっけ。何でここに立ってるんだっけ?」と思い、少し切なくなりました。
帰ってきたAさんの手にはパンフレットみたいなものが握られていましたが、私はもうどうでもよくなっていました。
Aさんは、おそらくいいひとだと思います。
善良さが全身から滲み出ていました。
嘘を言ったり、からかったりしようなんていう不誠実さは感じられないひとです。
でも、私は2、3時間のAさんとのお話にものすごい疲労感を覚えたのです。
そして気づきました。
どうして仲人の女性がほぼひとりでしゃべっていたのかを。
また、彼女がどうして近くの公園に行くことを猛プッシュしてきたかを。
Aさんが電車以外に興味がないことを仲人は知っていたのでしょう。
細かった頃の過去の写真で婚活するほどAさんに結婚したいという気持ちががあるのなら、せめてもう少し、電車以外のことにも興味を持ったらいいのにと、私は彼に対して思ってしまいました。
相談所にお断りの連絡とともに伝えた感想は、「Aさんはいいひとだと思いますが、電車に対する情熱の3割りほどを別のことにも向けてくれたらいいなと感じました」です。
もちろんそれっきりAさんとは会っていませんが、世の中にはこういうひともいるのだな、という勉強になりました。
また、仲人が一方的に話をするケースには注意しようと思ったのでした。
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