納骨の時に見つけた手紙

妻は子供が幼いときに、病死した。

妻が亡くなった後、お墓には納骨せずにいた。

どんどん大きくなっていく子供たちの成長を見たいだろう。

子供たちと一緒に過ごしたいだろうと思ったから。

納骨を決めたのは、下の長男が成人したとき。

家族3人と妻のお義母さんで納骨をした。

自宅からもう一度妻がいなくなるような… 少し寂しい気持ちもあった。

下の子も成人したんだと、

大変なこともあったなと、

子供たちは寂しかっただろうなと、

今の姿を見たかっただろうなと、

いろんな感情が込み上げてきた。

お墓をきれいに掃除して、いよいよお墓の中に入れる時、

お骨の中に手紙があることに気が付いた。

息子が書いた妻への手紙だった。


《※「カッカ」は子供たちが呼んでいた妻の愛称》

カッカが死んでから、ちょうど10年がたちました。

今思うと誕生日を迎えられてよかったね。

すごく運が良かったんじゃないだろうか。

10年たった今でもカッカが死んでしまった時の記憶はずっと残っています。

僕の中学生活、高校生活、ちゃんと見ててくれたかな?

生まれ変わったらグローブになると言ってたけど、

最後の試合でエラーをしたのはカッカのしわざかな?

どうだ、字もきれいに書けるようになっただろ?

今僕は受験シーズンで勉強に追われています。

でも勉強には嫌なことばかりじゃなくて

新たな発見を教えてくれる

高い金を払って学校に行っている分

絶対に受からなければ。

そんな気持ちです。

残念なことに昔の記憶というのはだんだん消えていく

人間の記憶ほど、あてにならないものはないって

この前■■が言っていたよ

名言だろう?

学校生活も

彼女がいないこと以外は上手くいってるし

一緒に笑い会える友達も無事にできたよ

髪の毛伸ばし中

どうせ■■ちゃんはカッカの誕生日が今日だということも忘れているんだろうなぁ

かくいう僕も今日の朝は忘れていたんだけど・・・

でも昨日の夜はおぼえてた!

お誕生日おめでとう!!

Happy Birthday!!

英語も書けるよ♪


やさしい男になってる。安心していい。