自由奔放な50代の恋愛は失敗する!3つのポイント
はじめに|「もう我慢したくない」と「一人で年を取るのは寂しい」が同居する50代へ
50代になると、ふと思うものです。
「もう我慢はしたくないな」「でも、一人で年を取るのは寂しいな」

この二つの気持ちは矛盾しているようで、実は同じ人の中に同居しています。
先日も、60代になってから一人に戻った女性会員が、ぽつりと言いました。
あの時、籍を入れておけばよかった
声を荒げるでもなく、泣くでもなく、ただ静かに。
その静けさのほうが、私の胸に深く刺さりました。
でも、手遅れになる前に気づくことができれば、決して遅すぎることはありません。
自由奔放で構いません。50代から恋愛するのは素敵なことです。
ただ、相談室で50代の婚活を見てきて思うのは、この「自由に恋愛したい」という気持ちの使い方を間違えると、50代の恋愛は一気に危なくなるということです。
気づけば「都合のいい関係」に変わっていたという人を、私は本当に何人も見送ってきました。
その自由を「無責任」なものにしないために、知っておいてほしい3つの落とし穴の話をさせてください。
50代の「もう我慢したくない」が、恋愛を壊し始める瞬間
何かやり残したことがあるのではないか…
これは、50代独身の人がふとした瞬間にこぼす言葉です。

私はこの言葉を、相談室で何度も聞いてきました。
- 仕事は一区切りついた
- 子どもがいる人なら手も離れた
- 健康のことや引退のことが、うっすらと視界に入ってくる
そういう年代だからこそ、「最高のパートナーとはまだ巡り合っていない」という気持ちが急に強くなるのです。
ただ、この気持ちが「もう誰にも我慢したくない」という思いと結びついた瞬間に、恋愛は少しずつ壊れ始めます。
50代以上になると、人生経験が豊富で財力もあるため、遠慮なくわがままを言いますし、カウンセラーの言うことなどなかなか聞いてくれません。
まだまだパワーが残っているため、自分の希望もしっかりと主張します。
恋愛に対して直線的で貪欲な人が多く、初婚もバツイチも入り乱れています。
多種多様な人々が混ざり合っているのが、50代の婚活なのです。
正直なところ、サポートをしていて手を焼くことの方が多いです。
それは危ないですよ
私がそう忠告しても、突っ走ってしまいます。
でも、そういう人たちが可愛くて仕方ないところもあるのです。
みんな必死なのです。
もう一度、誰かと共に生きたいと、本気で思っているからです。
面白い婚活ドラマがてんこ盛りの世代、それが50代です。
その勢い自体は悪いことではありません。問題は、勢いと「都合のいい関係」の境目が、自分では見えなくなってしまうことなのです。
「我慢したくない」が「相手に合わせたくない」になり、「相手に合わせたくない」が「お金や責任の話を後回しにしたい」に変わっていく。
そこに、ちゃっかり乗ってくる相手がいるのです。
気づけば、自由を楽しんでいるつもりが、ただ便利に使われているだけの関係に変わっています。
自由に恋愛して構いません。ただ、その自由を「都合のいい関係」にしないために、いくつか先に知っておいてほしいことがあります。では、一番危ない落とし穴から先に話しましょう。
なぜ50代になると恋愛したくなるのか、その背景は後で整理します。
自由奔放な50代の恋愛が失敗する3つの落とし穴
50代の婚活でこぼれ落ちていく人たちには、はっきりとした共通点があります。
それは3つです。

順に話していきましょう。
①「事実婚でいいよね」でお金の話を先送りにする
50代以上で出会いを求めている人の中には、あえて入籍はせずに事実婚を希望する人も多くいます。
男性は事実婚を望むことが多いのですが、女性にとってはよく考えた方がいいということです。
結婚となると、土地、金融資産、子どもの問題が絡んできます。
だから、
とりあえず一緒にいて楽しいなら、籍は入れずにお付き合いでいいじゃないか
となります。聞こえはいいのです。
お互い大人ですし、自由ですから。
ただ、最近は50代からの同棲が多く、便利な面もあるのですが、同棲というのは別の言い方をすれば、男性にとって都合のいい「責任逃れの口実」になり得ます。
一部の無責任な男性にとって、これは最高の関係ではないか、ということになるのです。
私は本当に何人も見てきました。
50代から同棲のようなお付き合いを始めて、60代になってから「もう出ていけ」と言われ、着の身着のまま無一文で放り出された女性を。
籍を入れていれば、収入は基本的に夫婦で50%ずつの権利がありますが、事実婚ではそれすらありません。
何十年一緒に暮らしていても、ゼロなのです。
そこから先、家賃も払えず、年金もろくに増えておらず、頼る家族もいないという60代の生活がどれだけ過酷か。
相談に来た時にはもう手遅れ、ということが多いのです。
厳しい現実ですが、あなたを守るためにあえてお伝えします。
②昨日まで元気だった人が、急に倒れる
もう一つは身体の話です。
50代の怖さは、親の介護だけではありません。
本人が突然、病に倒れることがあるのです。
昨日まで普通にデートをして笑っていた人が、急に入院する。
脳の血管が切れたり、心臓の病気になったりして、見つかった時にはもう手術、ということもあります。
そうなった瞬間、恋愛は一気に「生活」になります。
- 誰がお金を出すのか?
- 誰が病院に駆けつけるのか?
- 家はどうするのか?
- 連絡先は誰にしておくのか?
籍が入っていなければ、病院から「ご家族以外には説明できません」と言われる場面もあります。
ロマンチックではないため、恋愛中は誰もがこの話を避けます。
怖いし、夢が萎んでしまうからです。
「好き」という気持ちだけで進むと、後で本当に苦しくなるのです。
避けたまま一緒になった人ほど、いざ病気になったときに「こんなはずではなかった」と崩れ去ります。
③一人の自由を、そのまま結婚に持ち込む
最後はこれです。
長く一人で暮らしてきた人ほど、生活のリズム、お金の使い方、休日の過ごし方が固まっています。
夜の過ごし方一つを取ってもそうです。
テレビの音量、寝る時間、休日に誰にも干渉されたくない時間、友人へ飲みに行く頻度、ペットとの距離。
一人暮らしが長いほど、こういう細かいところに自分の「型」が出来上がっています。
そこを「私の自由だから」「俺のやり方だから」と押し通したまま、「結婚という形」だけを手に入れようとします。
実際に二人で生活を始めると、「あれ、こんなに窮屈だったのか」と気づき、半年も経たずに別れてしまうのです。
特にお金の面では揉めることも多いです。
自由を捨てる覚悟ではありません。
自由を相手と「すり合わせる」覚悟が必要なのですが、そこが抜け落ちてしまうのです。
自由で構いません。
ただ、その自由を相手にどう伝えて、どこを共有するのか。
その話し合いから逃げてはいけません。
3つの落とし穴に共通するのは「言いにくい話を後回しにする」こと。50代の恋愛において、後回しは一番効く毒なのです。
それでも50代が恋愛を始めたくなる、本当の理由
ここまで読んで、「やはり50代の恋愛は危ないのだ」と思った人もいるかもしれません。
でも、危ないと分かっていても、それでも誰かと暮らしたいと思うのが50代なのです。

それは弱さではありません。
きちんとした理由があるのです。
50代が誰かと暮らしたくなる理由
一つは、身体の寂しさです。
風邪を引いた時でも、40代で自宅に寝込むのと、50代で寝込むのとでは、寂しさが全く違ってきます。
- 額に手を当ててくれる人がいない
- 水を取ってきてくれる人もいない
一人で寝るときに、無性に人の温もりが恋しくなります。
仕事から帰って、真っ暗な、灯りのついていない家のドアを開ける瞬間、ふっと切なくなるのです。
これは恥ずかしいことではありません。生きている人間として真っ当な感覚です。
もう一度、誰かと共に生きたい
そういう瞬間に、人はそう思うのです。
もう一つは、生活の現実です。
給料の良い仕事は少なくなりましたし、物価も高くなっていて大変だからです。
一人で家賃も光熱費も食費も背負うより、二人で支え合って暮らしたいと考える人がいます。
特に生活の苦しい女性に多く見られます。
結婚して生活が楽になるのなら、それも一つの幸せではないかと思っています。
私はこの動機を否定しません。
それから、過去の傷の癒しです。
バツイチの人で、離婚のときの怒りや苦痛が、ようやく薄らいできた。
もう一度、人と暮らしてみてもいいかもしれない
と思えるようになる。これは嬉しい心の変化です。
実際に恋愛するか、結婚するかは別として、常に異性を意識する気持ちを持っておきたいと思うのです。
そして、わちゃわちゃとドキドキするような恋愛はもういいから、「一緒に住める人を探したい」と思うようになります。
デートや気を遣う付き合いは、50代になるとだんだんしんどくなってきます。
外で待ち合わせて、お洒落をして、いい店で食事をして……これが面倒くさくなってくる人が一定数いるのです。
それよりも、同じ屋根の下で静かに息ができる人がほしい。
これが、50代の恋愛のいちばん深いところだと私は思います。
寂しさも、お金の不安も、過去の傷も、静かな暮らしへの憧れも、すべて本物の感情です。
だからこそ、その本物の感情を、本物の関係へと育てる手順が必要なのです。
失敗しない50代婚活|先に決めておくべき現実的な話
落とし穴を知った上で、ではどう動けばいいのか?
三つだけ、先に決めておきましょう。

一つ目|入籍しないなら、書面で決める
「結婚」という形にこだわらないのは、それはそれで一つの選択です。
ただ、もし入籍をしないとしても、お金のことはしっかりと書面で決めておいた方がいいのです。
好きな時ほど、お金や住まいの話はしにくいものです。
でも、そこから逃げる男性ほど後で危ないのです。
確認しておきたいのは、ざっとこれくらいです。
- どこに住むのか、住まいの名義は誰か
- 生活費の負担割合をどうするのか
- 病気になった時、誰がどう動くのか
- 籍は入れるのか?入れないなら、別れる時の取り決めをどうするのか?
- 共有するもの、しないもの(資産・口座・カード)
文字にすると冷たく聞こえますが、書くからこそ後で揉めずに済むのです。
ロマンが冷める話ですが、50代の恋愛ではここを避けてはいけません。
二つ目|健康・介護・親の話を、交際中に必ず一度は通す
- 「もし病気になったら」
- 「もし親の介護が始まったら」
- 「もし自分が動けなくなったら」
重い話なので、一気にする必要はありません。
何回かに分けて話し、相手の反応を見るのです。
あんな人だとは思わなかった
という後悔の言葉を、私は何度聞いたことでしょうか…。
恋愛中は、破局後の二人の関係を正しく想像できないものなのです。
考えたくないでしょうが、最悪の事態を想定しておいた方がいいのです。
三つ目|話し合いそのものから逃げる相手は、最後に揉める相手
そういう話を嫌がる男性であれば、「優しくない男」「最後に揉める男」と判断して間違いありません。
優しさというのは、優しい言葉をかけてくれることではありません。重たい話から逃げずに、一緒に考えてくれることなのです。
逆に、楽しい話のときだけ優しくて、お金や病気の話になると、
「そんな先のことはまた今度にしよう」「なんとかなるよ」
と黙る、はぐらかす、あるいは不機嫌になる。
これが一番やってはいけないパターンです。
50代の婚活は、ロマンスを盛り上げる時間よりも、こういう「言いにくい話に耐えられる相手か」を見極める時間のほうが、ずっと大事なのです。
ただ、書面や話し合いだけでは見えない部分があります。
それが見えるのが、一緒の屋根の下なのです。
50代の恋愛こそ、短期間の同棲で「現実」を見てほしい
これは私が現場で一番効果があると感じている方法の話です。
押し付けるつもりはないので、聞きたい人だけ聞いてくれれば構いません。

おすすめは、期間を区切った短期の同棲です。
事実婚ではありません。
ゴールでもありません。
あくまで「現実確認」として、3ヶ月や半年など、終わりを最初に決めてから一緒に暮らしてみる方法です。
いくら頭で考えていても、やはり一緒に住んでみないと分からないからです。
- お金の感覚
- 健康への姿勢
- 自由の使い方
- 家事の分担
- 休日の過ごし方
デートでは絶対に見えない部分が、一緒に住むと一気に見えてきます。
たとえば、相手が体調を崩したときの態度。
たとえば、生活費の話を切り出したときの顔。
たとえば、自分の趣味に相手が踏み込んできたときの反応。
これらは何ヶ月レストランで会っていても、決して分かりません。
同棲は若い男女がするものではなく、シニアの恋愛にこそ必要だったりするのです。
50代は失敗の代償が大きい年代です。
籍を入れた後で「無理だ」となるより、終わりを決めた同棲で「合わなかった」となる方が、お互いにずっと傷が浅く済みます。
事実婚へずるずると流れてしまうのはいけませんが、期間限定で住んでみるのは、現実を確認するための誠実な方法なのです。
50代の婚活は、一人で抱え込まないほうがいい
ここまで話を進めてきて、
一人でこれ全部をやるのはきついな

と思った人もいるでしょう。それでいいのです。
それが正しい感覚です。
なかなか50代の恋愛は、周りの人に相談しにくいですし、的確なアドバイスができる人も少ないはずです。
同年代の友達は子育てや介護で忙しいか、あるいは自分と同じ独身で同じ悩みを抱えています。
子どもがいれば、子どもには相談しにくいものです。
親はもう頼れる年齢ではありません。
一人で考え込んでいると、目の前の相手の言葉だけが大きく響いてしまいます。「籍なんか入れなくてもいいじゃないか」という言葉も、好きな人に言われたら正しく聞こえてしまうのです。
だからこそ、冷静な目をもう一つ持っておいた方がいいのです。
もちろん、相談相手は信頼できる友人でも構いません。
ただ、利害関係のないプロの第三者として、結婚相談所という選択肢も頭の片隅に置いておいてほしいと思います。
相談所には、男性側にもしっかりと責任のある行動をとってもらえる仕組みがあります。
事実婚にずるずる流れることも少ないですし、お金や健康の話を交際の早い段階ですり合わせる手伝いもしてくれます。
一人では聞きにくい話を、第三者として聞いてくれる役割が必要なのです、50代には。
無理強いはしませんが、少し考えてみてください。
悩んだ時で構わないので、相談してみてください。
今すぐ動かなくても大丈夫です。
「いざとなったら相談できる場所がある」と知っておくだけで、一人で抱え込む怖さはグッと減るからです。
まとめ|50代の恋愛は、自由を捨てるのではなく整えるもの
最後に、ひとつだけ言わせてください。
「もう我慢はしたくない」という人が増えていますが、我慢のない結婚などありません。

これは脅しではありません。
誰と一緒に暮らしても、必ず譲り合う部分は出てきます。
それを「我慢」と呼ぶか、「すり合わせ」と呼ぶかの違いだけなのです。
50代の恋愛で目指すのは、自由を捨てることではありません。
自分の自由と相手の自由をしっかりと机に並べて、どこを共有してどこを残すかを決めること。
ただそれだけです。
自由気ままなままの結婚生活などあり得ないということも、よく理解しておいてください。
ただ同時に、自分の大事なものを全部手放す必要もありません。
手放すか、守るか、共有するかを、ひとつずつ話し合うのです。
それを引き受ける覚悟があるなら、50代の恋愛はちゃんと幸せな形になります。
焦ることだけは、やめた方がいいに決まっています。
50歳からの結婚は、今までの経験をどう活かすかで大きく差が出るからです。
自由で構いません。
ただ、話し合いから逃げない覚悟だけは持っていてほしいのです。
それさえあれば、50代の恋愛はまだまだ間に合います。
まずは、気になっている相手や今のパートナーに、
これからのこと、少し話してみない?
と声をかけるところから始めてみませんか。





