結婚してよかったエピソード

結婚してよかったエピソード

結婚してよかったと感じる瞬間は、日常のいちばん地味な場面に宿る

結婚生活って、本当に幸せなんでしょうか?

婚活中の方や夫婦関係に悩む方から、よくそんな声を聞きます。

結婚相談所のカウンセラーとして多くの夫婦を見てきた私からお伝えしたいのは、結婚してよかったと心から思える瞬間は、皆さんが想像するようなドラマチックな場面にはない、ということです。

記念日のサプライズでも高価なプレゼントでもなく、もっと地味で、誰にも見せないような日常の瞬間に「あ、結婚してよかったな」と気づく人が多いのです。

たとえば、こんな話があります。

ある女性の母親が、夫の誕生日にお祝いのはがきを送りました。

すると夫は、妻には内緒で義母にお礼を返していたのです。

○○を産み、育ててくれてありがとうございました

それを後で見つけた彼女は、嬉しすぎて泣けてきたそうです。

「結婚してよかった」は、自分が大切にされた瞬間ではなく、自分が大切にしているものまで大切にしてもらえた瞬間に、いちばん深く刺さるのかもしれません。

この記事は、結婚生活のリアルを知る私の視点から、そのようなエピソードを集めたものです。

派手な感動ではなく、日常の一瞬にしか宿らない幸せ。

読んでいくうちに、あなたも自分の生活のどこかに、似たような瞬間を見つけることになると思います。

「おかえり」が待っている家に帰れる、それだけで結婚してよかったと思える

ある男性のエピソードをご紹介しましょう。

会社から帰宅すると、子供二人がそれぞれ「おかえり〜」と迎えてくれました。

夕食の用意をしていた奥様も奥から出てきて、「おかえり〜」。

すると、小4の息子さんがぽつりと言ったそうです。

父さんは三回も『ただいま〜』を言わなくちゃいけないから大変だね

大変なんかじゃない。

三回も「ただいま〜」を言える俺は幸せなんだよ、と彼は語っています。

なぜそう思うのか?

実は彼はご両親が離婚し、小2の時から母子家庭で育ちました。

お母様が働きに出ていたため、いつも家の鍵を首からぶら下げて学校に通う、いわゆる鍵っ子だったのです。

冬は特に、帰ってドアを開けても家の中が寒々としていて、それだけで泣きそうになった覚えがあるとのこと。

今はその寂しさを埋めるように、「おかえり」の声が待ってくれている気がするそうです。

家族ってありがたいよな

彼はそう締めくくっていました。

別の男性はこう語っています。

帰宅してドアを開けると、開錠の音で気づいた1歳3ヶ月の娘さんが、リビングから廊下を、手をにぎにぎしながらよちよち歩きで出迎えてくれるそうです。

「パァ〜パ」と言いながら向かってくる姿に、彼はこう添えていました。

これ最強

別の家庭では、玄関を開けると3歳の娘さんと奥様が抱きついてくるとのこと。

これじゃ外で何もできないよ、する気もないけど

と惚気ていました。

さらに別のマンションに住む男性は、入り口でインターホンを押して開けてもらい、エレベーターで上がります。

玄関に着くと外灯がついていて、鍵が開いている。

ドアを開けると、奥様と愛猫が一緒に立っている。

「お帰り」「ニャーン」

俺、幸せだ、と。

帰る場所がある、ただそれだけのことなのです。

誰かが鍵を開けて待っていてくれる。声を出して迎えてくれる。

それだけで、その日一日のしんどさが、玄関のところでふっとほどけていきます。

そして、こうした「ただいま」と「おかえり」が成立しているということは、相手がこちらの帰宅時間を気にして、家の中で何かを準備してくれているということでもあります。

次に紹介するのは、そんな「見えない相手の思い」に、たまたま気づいてしまったエピソードです。

相手の見えない努力に気づいた瞬間、結婚生活の幸せは深くなる

これは、ご本人の罪悪感込みで読んでほしいエピソードです。

ある男性が、奥様の日記を盗み読みしてしまいました。

本人も「盗み読みは良くないことだが」と認めています。

もちろん良くないことですが、それを承知で彼は読んでしまったのです。

そこに何が書いてあったかというと――奥様は昼食に、いつも納豆ご飯やお茶漬けしか食べていませんでした。

友達とファミレスに行くのも月に一度と決めている。

夫に美味しい料理を食べさせたいから、自分の昼食代を削って夕食にまわす、と書かれていたのです。

しかも、それがとても明るいトーンで書かれていました。

今日は○ちゃん(夫)の好きな牡蠣を買うのだ〜

といった調子です。

彼への文句も書いてあるものの、最後はちゃっかり夫を庇うようなことまで書かれていました。

「マジで泣いた」と彼は語っています。

もっと俺に甲斐性があれば、昼から寿司でもなんでも食べさせてやれるのに。

給料が少ないのに専業主婦でいてくれと頼んだのは自分だし、お金のことで責められたことは一度もない(タバコを減らせとは言われるようですが)。

「節約も楽しいよー」なんて言ってくれていたそうです。

盗み読みは良くないことですが、「結婚してよかった」と彼はつくづく思いました。

こんなに自分に尽くしてくれたのは、親以外で初めてだ。

何もしてやれないから、せめて浮気だけはしないと誓う。

まあ、しようにもモテないからできないけど

と、彼は最後に照れ隠しのように綴っています。

似たような状況で、夜の出来事もあります。

別の男性は、その日なかなか寝付けず、布団でもぞもぞしていました。

そこへ奥様が、一日の仕事を終えて寝床にやってきました。

彼が寝たふりをして驚かそうと待っていたら、奥様が小さな声でこう言ったそうです。

明日も一日○くん(彼)が事故にあいませんように。元気に過ごせますように

そして息子の健康も祈り、眠りにつきました。

「別に宗教じゃない」と彼はわざわざ注釈をつけています。

22歳で結婚して2年。いつも、こうして祈ってくれていたのか。

親以外で、自分のことをそんなふうに思ってくれる人がいたのか――と、彼は胸を打たれました。

もう一人、こんなエピソードもあります。

割と遅めの結婚で、それまでの食生活が悪すぎたせいもあるのでしょうが、奥様の手料理を食べて5年、花粉症や肩こり、不眠、頭痛がかなり改善されたそうです。

仕事はむしろハードになっているのに、です。

なぜその理由に気づいたかというと、ふと奥様の本棚にあるファイルを見たから。

そこには、花粉症に効く食事や、よくなる症状別の食事がファイリングされていました。

さらに、彼の体調を管理するコメントのようなものまで書いてあり、ひどく感動したそうです。

まるで俺の観察日記みたいで笑ったけど

と語っています。

夫が寝ている間、妻が昼食を削っているとも知らずに弁当を食べている間、自分の症状が勝手に治っていると思い込んでいる間――妻は、起きて、考えて、書いて、選んで、祈ってくれています。

「自分はこんなにも大切にされていたのか」と気づくのは、嬉しい感情より先に「申し訳ない」という感情が湧き上がるものです。

それを後から知ってしまうと、男は少し黙り込んでしまいます。

相談所の現場でも、こうした見えない思いやりに気づけた男性は、そこから一気に頼もしく変わっていくのを何度も見てきました。

ただ、結婚生活はこうした献身ばかりで成り立っているわけではありません。むしろ、ぶつかり合い、時には無視して、それでも翌日には何かしらの形で元の鞘に収まる。そういう泥臭さこそが、夫婦の絆を強くしていくのだと、私は考えています。

喧嘩しても、不器用でも、戻れる場所があるという結婚の幸せ

大喧嘩した翌日、奥様にぶっきらぼうに弁当を渡された男性の話です。

「いってきます」も無視された彼は、ますます腹を立てて家を出ました。

でも、昼休みに弁当箱を開けると、中身は自分の好きな食べ物だらけでした。

「もう本当にアイツは不器用だな。悪いとは思っているんだろうな。謝るのが悔しいんだろうな」と思ったら、なんだか無性に可愛く思えてきて、「弁当まじ上手かった、お前は馬鹿だな」とメールしたそうです。

夜帰宅すると、これまた豪華な夕食が用意されており、ケーキまで焼いてありました。

喧嘩の内容については「俺は悪くない」と本心では思っていたものの、「昨日ごめんな」と先に謝ると、奥様は涙ぐんでこう返してきたそうです。

本当よ!ちゃんと反省してね

これがまた可愛いから、本当は反省なんかしていないけれど、「うん、悪かった」と言って仲直りしたとのこと。

嫁大好きだー。喧嘩しても幸せなんだよ、俺が馬鹿でも

と彼は最後に綴っています。

それから、ある深夜のお話です。別の男性が、飲み会で遅く帰宅しました。

奥様はすでに寝ていました。

シャワーを浴び、起こさないように静かに布団に入ると、背中に奥様の足の裏が当たりました。

何だと思ったら、寝ぼけた声で「帰りが遅いキック」と言われたそうです。

「ああ、起こしちゃったか、悪い悪い」と謝ると、今度は両足で「帰りが遅いダブルキック」。

さらに「帰りが遅いパンチ」と、こぶしが力なく背中に当たってきました。

「眠いなら寝ろよ」と彼はぼやきつつも、フニャフニャした寝顔と声が可愛かったから「遅くなってすみません」と謝罪してエピソードを締めています。

寝ぼけた抗議というのは、夫婦でなければ成立しないやりとりです。

本気で怒っているわけではないし、かといって全く怒っていないわけでもない。

眠いから、ちゃんと文句を言う気力もない。でも、少しは文句を言っておきたい。

だから足の裏でキックする。

とても可愛らしいですよね。

そしてもう一つ、こんなお話があります。

仕事で落ち込んでいた男性が家に帰ると、奥様が何も聞かずに抱きしめてくれたそうです。

そして、こう言ってくれました。

嫌だったら……やめちゃいな……ね?大丈夫よ

彼はこう振り返っています。

「こいつのためにも、やめられないと思った」と。

きっと奥様は彼の性格を熟知しており、その上で「やめちゃいな」とあえて言ってくれたのでしょう。

夫婦の幸せとは、おそらく「揉めないこと」ではありません。揉めても、不器用でも、翌日には好物だらけの弁当が出てくること。寝ぼけて足の裏で抗議されるくらいの、心地よい距離感にすぐ戻れること。逃げ場をくれる人がそばにいると気づけること。そういうことなのだと思います。

カウンセラーとしての経験からも、こうした「不器用な修復」ができるカップルほど、本当に強固な関係を築いています。

そして、こうした不器用な絆は、健康な時よりも、弱った時にこそ真価を発揮するのです。

弱った時、年を重ねた時にこそ「結婚してよかった」は深く刺さる

風邪をひいて会社を休み、数日間寝込んだ男性のエピソードです。

彼は「今更だが、結婚してよかったとつくづく思った」と語っています。

独身時代は一人暮らしだったため、寝込むと食料もなくなり、部屋は散らかり、洗濯物もたまって着る服さえなくなる始末でした。

しかし今は奥様がいて、食事や身の回りの世話、洗濯までしてくれます。

何より、自分のことを気にかけてくれる人がいるという事実が、これほど嬉しいものだとは思わなかったそうです。

夜中に起きて氷枕を取り替えてくれたり、仕事から慌てて帰ってきてくれたり。

すっかり回復して彼がお礼を言い、「お前は大丈夫なのか?」と聞くと、こう返ってきました。

私?私は倒れてるヒマなんかないのよ、私が倒れたらこの家どうなっちゃうのよ

確かにその通りだ、と彼は猛省しました。

自分は妻が寝込んだ時、ここまで献身的にしていなかった。

次に妻が寝込んだら、せめて家のことくらいは黙って引き受けようと心に誓ったそうです。

男性は、自分が弱って初めて相手の痛みに気づくような不器用さがあります。

でも、その情けなさに気づけた時から、思いやりのベクトルが双方向になり、本当の意味での夫婦の絆が深まっていくのです。

こうした日々の不調を支え合う関係は、いつか、もっと重いものを支え合う関係へと変わっていきます。

ある男性は、ご自身のお父様が亡くなった時のことを綴っていました。

初七日が終わった時、お墓の前で奥様がぽそっとつぶやいたそうです。

もっと色々してあげられることあったはずなのに

彼はその言葉を聞いて、「自分は親父に何をしてあげられたんだろう」と深く考え込んでしまいました。

実の息子として、情けない限りだったと。

それまで彼のお母様とは別居していましたが、奥様からの提案で同居することになりました。

奥様は適度に義母を気遣いつつ、実の親子のように喧嘩もして、今では逆に彼が疎外感を覚えるほど、お母様と仲良くやっているそうです。

先日は彼を置いて、女性二人で旅行にも行ってしまったとのこと。

「女同士、話す事がたくさんあるんだから」と言われ、彼は何も反論できなかったそうです。

それから1年経った今も、奥様は月命日になるとお義父様のお墓に行き、何かを語りかけています。

彼がその事実を知ったのは、つい昨日のことでした。

毎日仏壇の前で朝晩、「お父さんおはよ〜今日もいい天気だね」と話しかけているのは知っていた。

夕食の時も、必ず何か一品を遺影の前に供えてくれている。

死ぬまで嫁さんを大事にしよう

と、彼は改めて誓いました。

感謝してもしきれないと、心の底から感じているそうです。

同居を申し出てくれた妻の優しさや強さに甘えることなく、自分が夫として、そして今年の秋からは一人の父親として、もっとしっかりしなければいけないと決意を語っています。

私自身、専門家としてお伝えしたいのは、結婚とは単に配偶者一人と一緒になることではないということです。相手の親、相手のいない時間、相手が抱える小さな悲しみ。それらを全部ひっくるめて引き受け合う関係のことなのです。

それは、健康な時にはあまり見えてきません。

寝込んだ夜の氷枕や、墓前でのつぶやき、月命日の沈黙の中に、ぽつぽつと現れてくるものなのです。

こうして病気や死といった重い出来事を支え合う絆もあれば、まったく別の形で、夫婦の景色が劇的に変わる瞬間もあります。

家族が増える瞬間、結婚は人生そのものに変わる

それが、新しい命の気配を感じた時です。

これは、ご本人の書かれた文章をできるだけそのまま辿ってご紹介したいエピソードです。

ある日、男性は会社の改装工事の関係で、突然午後から休みになりました。

そこで、サプライズで家に帰って奥様をランチに誘おうと、うきうきしながら帰宅しました。

すると、自宅の前にタクシーが停まっており、ちょうどそこから奥様が降りてくるところでした。

手にケーキの箱のようなものを抱え、彼に気づくことなく、ゆっくりと自宅に入っていきます。

「最近ますます綺麗になったなぁ」なんて見惚れながら、驚かそうと彼もこっそり後を追って家に入りました。

声をかけるタイミングを迷っていると、奥様は彼に気づかないまま、おもむろに料理を始めました。

こっそり見ていると、大鍋を出してきて、シチューのような煮込み料理を作り始めます。

昼から煮込まなければならない料理を作るのは、記念日くらいしかないはずなのに、奥様はにこにこしながらキッチンに立っています。

そして、彼はこう綴っています。

おかしいな、って思った。

この一行が、このエピソードの本当の核です。

妊娠がわかった瞬間の号泣でも、抱きついて泣く妻の姿でもなく、その手前にある「おかしいな」という違和感。

毎日同じ家で、同じ顔を見て、同じ食卓を囲んでいるからこそ気づける、ほんの小さなズレ。

シチューの鍋、ケーキの箱、見たこともないくらい晴れやかな横顔――どれ一つ取っても決定的ではない小さな変化を積み上げて、彼は「おかしいな」と思ったのです。

日常の小さな違和感に気づける観察力こそが、夫婦円満の大きな秘訣でもあります。その違和感の中に、夫婦として積み重ねてきた時間がすべて詰まっています。

シチューにケーキ、そして今まで見たこともないくらい晴れやかな妻の横顔。

しかし、どちらかの誕生日でもなければ、結婚記念日でもありません。

彼としては全く、その「特別な日」に思い当たる節がなかったのです。

とりあえず隠れ続けるのも不自然だし、お腹も減ったということで、彼は思い切って奥様にそっと声をかけました。

ただいま〜

すると、一瞬彼の顔を見てぽかんとした後、奥様はいきなり号泣し、抱きついてきました。

予想外の反応に思わず不安になる彼。

しかし、奥様はこう言いました。

よかった。会いたかった。今日は早く帰ってきて欲しかったから

彼はまた驚きます。

これまでそんな風に言われたことがなかったからです。

おそるおそる「どうしたの? 何があったの?」と聞く彼に、奥様はぽろぽろと涙を零しながら彼の手をぎゅっと握り、こう告げたそうです。

赤ちゃん出来たよ

二人は、お子さんのいない生活がすでに3年続いていました。

子供が欲しいと言い合いながらも、「きっと自然に授かる」と信じて、二人で頑張ってきたのです。

彼も、本気で号泣したと綴っています。

あの日の彼は、決してベテラン夫の顔をして帰宅したわけではありません。

いつもと違うシチューと、いつもと違う晴れやかな横顔、そして思い当たる節のない「特別な日」の空気の前で、ただ戸惑っていました。

そして「ただいま」とだけ言った。

その一言で、目の前の景色が劇的に変わったのです。

結婚生活の数年分の思いが、あの一瞬の「ただいま」の中に、すべて畳み込まれていたのだと私は思います。

まとめ──人生の1/3、体の半分、心のほとんど全部

最後に、ある男性が綴ったこんな一節をご紹介します。

俺の人生の1/3はヨメと暮らした期間。俺の体のたぶん半分はヨメが作った飯でできている。俺の心のほとんど全部がヨメのいたわりでメンテされている。

お子さんが、パパの癖をママから聞いたと言って話してくる時。

「パパはいっつも○○なんだよってママが言ってたけど、やっぱりそうだ!!」とゲラゲラ笑っている姿を見ると、「毎日仕事で帰りが遅いのに、妻と子供は家で俺の話をしてくれているんだな」と感激するそうです。

呆れ笑いしながら子供に話している奥様が、たまらなく愛おしい――彼はそう記していました。

人生の1/3、体の半分、心のほとんど全部。

この言葉を大袈裟だと笑うことは、誰にもできないはずです。

長い時間、誰かの作ったご飯を食べ、誰かの気遣いの中で眠ってきた人間の、率直な人生の棚卸しだからです。

もう一つ、こんなエピソードでこの記事を締めくくりたいと思います。

ボーナスが出た日、男性が帰宅すると、4歳の娘さんはすでに寝ていました。

テーブルにはビールと彼の好物が山ほど用意されていました。

さらに、奥様が「はい、これ」と一枚の画用紙を渡してくれたそうです。

そこには、娘さんが覚えたての文字で、こう書いてありました。

おとうさんおしことこくろさま、ありかとう

見事に、濁点が一つもありません。

文字の隣には、彼らしき似顔絵が描かれています。

本人いわく「どう見てもてるてる坊主にしか見えない」そうですが。

あやうく嫁の前で嬉しくて泣いてしまうところだった

と彼は振り返っています。

「おしごと」が「おしこと」になり、「ごくろうさま」が「こくろさま」になり、「ありがとう」が「ありかとう」になっている、その一枚の画用紙。

ボーナスの金額よりも、彼の中でずっと長く、深く残り続けるのは、間違いなくこの画用紙の方でしょう。

おとうさんおしことこくろさま、ありかとう。

今日家に帰ったら、あるいは次にパートナーと会う時に、ほんの少しだけいつもと違う視点で相手を観察してみてください。

そこにはきっと、あなただけの「結婚してよかった」が隠れているはずです。

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