【結婚相談所の体験談】両親にすすめられて婚活した28歳男性の実話
日々、結婚相談所の現場で多くの男女をサポートしていると、時にドラマのような本当の話に出会うことがあります。
28歳、年収450万円。
「モテない自覚があったわけじゃない」——でも、母親に強く勧められて、Aさんの婚活は始まりました。

「モテない奴が行く場所」だと思っていた偏見が崩れたのは、初めてのお見合いの席でした。
その日、Aさんの隣には、なんと母親が座っていたのです——。
「モテない奴が行く場所」だと思っていた。28歳男性Aさんが渋々入会するまで
実は僕、婚活に乗り気じゃなかったんです
そう語るのは、今回話を聞かせてくれたAさん。

28歳のとき、両親に説得されて結婚相談所に入会した男性です。
社会人生活にも慣れてきた28歳。当時の年収は450万円ほど。
職場と家を往復する日々で、特別モテていたわけでも、逆に女性と縁がないと悩んでいたわけでもありません。
結婚願望はありました。
ただ、自分から動く気にはなれなかった、そういう温度感の独身男性でした。
ある日、両親から「そろそろ結婚しないの?」と切り出されます。
ここまでは、独身男性なら誰もが通る道でしょう。
問題はその先です。
最初は乗り気じゃありませんでした。けど、母親がガンガンおすすめしてくるので、仕方なく…という感じでした
「ガンガン」「仕方なく」。
Aさんはこの言葉を、笑うわけでも自虐するわけでもなく、ただ事実として口にしました。
母親に押し切られて相談所のパンフレットを取り寄せ、押し切られて面談に行き、押し切られて入会したのです。
彼の中には、ずっと一つの偏見が居座っていたといいます。
結婚相談所は、モテない人が集まる場所だ——。
口に出しにくい本音でしょう。しかし、Aさんはそれを隠しませんでした。
「自分はモテないと自覚していたわけじゃない。だからこそ、相談所に入る自分を認めたくなかった」。
28歳の男性が母親に押されて婚活する、という構図そのものに、彼は強い羞恥心を感じていたのです。
ここを読んで、ドキッとした方もいるのではないでしょうか。
親に急かされて婚活している自分は情けないのではないか、と。
ですが、日々多くの男性をサポートしていると、親御さんの勧めをきっかけに入会する方は決して珍しくありません。
Aさんの婚活も、まさにそういう「情けなさ」への葛藤のど真ん中から始まりました。
地域密着型の相談所で、偏見が崩れた瞬間
入会したのは、Aさんが住む地域に根付いた相談所でした。
全国チェーンでもなく、ハイクラス向けでもない、ごく普通の地域密着型の結婚相談所です。

ここが、Aさんの偏見が最初にぐらついた場所になります。
入会したのは地域に根付いた相談所でした。最初は乗り気ではなかったものの、会員女性は地元在住で安定した職業ばかりで…。結婚相談所への偏見がなくなりましたね
地元在住、安定した職業。
プロフィールを眺めながらAさんが受けた印象は、「モテない人の集まり」ではありませんでした。
むしろ、職場で会う同僚や、近所で見かける女性と地続きの人たちだったのです。
地域密着型の相談所は、その地域で暮らす人の生活圏がそのまま会員層になります。
Aさんが見たのは、自分と同じ通勤圏で働き、同じスーパーで買い物をしているかもしれない女性たちでした。
そして、Aさんは最初に紹介された女性のプロフィールを見るやいなや、即座にお見合いを申し込みます。
迷いはなかったそうです。
「タイプだったので」と本人は言いました。それ以上の説明はありませんでした。
私たち専門家の視点で言えば、「最初の紹介で即決するのはリスクが高い」「複数比較した方がいい」となるのがセオリーです。
しかし、Aさんはそうしませんでした。
偏見が崩れた直後の勢いに、自分の「タイプだ」という直感が乗った形です。
ここで早めに明かしておきます。
Aさんはこの女性と、1年・40万円で結婚します。
最初に紹介されたお相手と、そのまま成婚したのです。
「できすぎではないか?」と思った方は、いったんその違和感を保留しておいてください。
話の本筋は、そのお見合い当日にあります。
母親同席のお見合い。控えめな2人を救った、想定外の展開
お見合いは承諾され、日程が組まれ、当日を迎えました。
お見合いを承諾してくれたので、お互いの母親とスタッフの方を交えた食事会を行いました。母親が同席するお見合いってどうなの!?って思われるかもしれませんが(笑)

「(笑)」と本人がツッコミを入れている通り、これは普通のお見合いではありません。
ご本人2人の他に、双方の母親、相談所のスタッフを含めた、合計5人での食事会です。
Aさん自身も、自分のケースが珍しいことは承知していました。
では、この場で何が起きたのでしょうか。
Aさんもお相手の女性も、緊張でまったく会話が弾みませんでした。
Aさんはお見合いの場でかなり緊張し、汗もかいていたそうです。
母親の前でどんな顔をしていればいいのか、相手にどう話しかければいいのか、すべてが中途半端なまま、料理だけが運ばれてきます。
もし完全に一対一だったら、会話が止まったまま、気まずさだけが残ってその日のお見合いは終わっていたかもしれません。
ここで動いたのが、母親同士でした。
しかし意外にも同席した母親同士が意気投合?!初対面はなんとかなりました
Aさんの言い方も控えめです。
「意気投合?!」と疑問符がついています。
劇的に盛り上がったわけではない、ということでしょう。
ただ、母親世代の2人が、子どもの仕事の話や、地域の話など、当たり障りのない雑談で場をつないでくれたのです。
本人2人が黙り込んでいる時間を、母親たちの会話が優しく埋めてくれました。
母親同士が自然に場をつないでくれたことで、Aさんは無理に自分を大きく見せずに済んだのです。
控えめな性格の人が、初対面の異性と2人きりで2時間話すというのは、想像以上にハードルが高いものです。
Aさんの場合、母親たちが沈黙を埋めてくれた数十分のおかげで、本人同士は「相手は嫌な人ではない」という最低限のポジティブな手応えを持ち帰ることができました。
食事会の後、Aさんは改めてその女性と2人だけで会う約束を取り付け、後日カフェで話をしています。
2人きりで、仕事の話や趣味の話や学生時代の話をしました。緊張していましたが…。話が合うと感じましたし、おそらく、向こうも感じてくれたんだと思うのですが、連絡先を交換し、次回会う約束を取り付けました
「おそらく、向こうも感じてくれたんだと思うのですが」——この曖昧さが、私は好きです。
「お互い強く惹かれ合いました」とドラマチックに断言するわけではありません。
自分の手応えに半分自信がないけれど、次に会う約束はしっかり取り付けた。
28歳の控えめな男性の、これがリアルで誠実な手応えなのだと思います。
親に勧められた婚活は、情けないのか?
ここで一度、話を止めたいと思います。
ここまで読んだ方の中には、こう感じている人がいるはずです。

「親に押されて婚活して、母親同席のお見合いで、母親に場をつないでもらって、それで結婚って——主体性がなさすぎるのでは?」と。
Aさん自身、そうした視線を浴びています。
「母親同士がお見合いに同席した」と人に話すと、たいてい驚かれると本人も言っていました。
中には引いた顔をする人もいるそうです。
28歳にもなって母親が同席するお見合いなんて、と。
それでもAさんは、当時を振り返ってこう言います。
妻も僕も控えめな性格だったので、同席してくれてよかったんです
親が前に出たことを、本人の主体性のなさと見るのは少し違うと私は思います。
動き出すきっかけは母親でも、最初の紹介で即お見合いを申し込んだのも、カフェで勇気を出して連絡先を渡したのも、正式交際を申し込んだのも、結納の席に座ったのも、Aさん自身でした。
受け身で始まった婚活を、途中から自分で選び直した——それがAさんのケースなのです。
費用40万円・期間1年。最初のお見合い相手と結婚するまで
Aさんの場合は、初お見合いの後にカフェで連絡先を交換し、2回、3回とデートを重ね、正式交際へ進み、そのまま結婚へと至りました。
家庭環境や価値観が近かったことが、Aさんにとって大きな安心材料だったそうです。

両家の顔合わせ、結納、結婚と、Aさん本人の言葉を借りれば「とんとん拍子」に進んでいきました。
そしてAさんの婚活は、こう着地します。
婚活の費用は40万円・期間は1年でした。はじめてのお見合い相手で、素敵な女性を紹介してもらえた僕はラッキーだったと思います。年齢も2つ年下で、医療関係の仕事をしている妻とは、現在も夫婦円満です
- 婚活費用:40万円
- 婚活期間:1年
- 成婚相手:はじめて紹介されたお見合い相手
- 妻:2歳年下、医療関係の仕事
Aさんはこの流れを「ラッキーだった」と笑っていました。
ただ、そのラッキーの中身を聞いていくと、母親同士の相性、家庭環境の近さ、お相手の女性の落ち着いた雰囲気など、本人同士の努力だけではどうにもならない安心材料がいくつも重なっていたことがわかります。
ただし、専門家として一つだけお伝えしておきたいのは、この数字を「誰もが辿れる最短ルート」だと思い込まないことです。
Aさんが運がよかったのは事実であり、それを否定する材料は何もありません。
しかし、彼が運をつかめた前提として、次の3つの選択が積み上がっています。
- 地域密着型の相談所を選んだこと
- 最初の紹介ですぐに動けたこと
- 母親同席という珍しい形式を受け入れたこと
「初お見合いで成婚」という結果だけを切り取ると、婚活の実態を見誤ってしまいます。
まとめ|母親同席のお見合いが、意外と機能する理由
Aさんが強く感じていたのは、「結婚は本人同士だけでは終わらない」ということでした。
今回のように、母親同士が自然に話せて、家庭の空気感まで近いと感じられたことは、Aさんにとって結婚へ踏み出す大きな後押しになったのだと思います。

Aさん自身も、「控えめな性格の人ほど、ひとりで全部を背負う婚活より、場をつないでくれる人がいる婚活のほうが合うのではないか」と感じていました。
普段、異性と会う機会がない人にとって、結婚相談所には真面目で素敵な方がたくさん入会しています。
金銭感覚や家庭環境の近さも、結婚を考えるうえで大切な軸になる——これがAさんが体験を経て出した結論でした。
親に勧められて始まった婚活、母親に押し切られた入会、母親同席のお見合い——出だしはすべて、Aさん本人の主体性ではありませんでした。
それでも、最初の紹介で即動いたのは彼自身です。
カフェで連絡先を渡したのも、正式交際を申し込んだのも、結納の席に座ったのも、Aさんなのです。
受け身で始めて、途中から自分で選び直した結婚。
もし今、「親に勧められたから」という理由で相談所へ行くことをためらっていたり、情けないと感じている方がいるなら、気にする必要はありません。
Aさんの「正直ラッキーだった」という自嘲には、最終的に自分の選択を引き受けた人間ならではの落ち着きと自信がありました。
きっかけは受け身でも構いません。
まずはその一歩を踏み出してみることで、あなたなりの確かな幸せの形が、きっと見つかるはずです。





