離婚は、結婚の3倍ほど労力を使うと言われています。
できるだけスムーズに手続きをすすめたいのに、全然進まないことも……。
そういった状況を防ぐため、海外では結婚するときにプレナップに、離婚条件を盛り込んで契約書を作成しておくのが一般的です。
今回は、海外セレブが定めてちょっとビックリな離婚の条件を例に出しながら、プレナップについてご紹介していきます。
婚前契約書で資産を守るのが、海外セレブの「当たり前」
離婚時の条件は、『プレナップ』という婚前契約書の中に記載されます。
プレナップは、結婚後の生活についてや約束事をあらかじめ書面で取り交わすこと。
「結婚してからも仕事を続けてもいいが、水曜日の夕食は同じテーブルで一緒に食べる」なんてことも、わざわざ書かれたりすることがあるほどです。
多くの場合は、円滑な結婚生活を送るために製作するのですが、海外セレブの場合は資産を守ることが目的。
例えば、スティーブン・スピルバーグ監督は映画『ジェラシックパーク』シリーズなど様々なヒットを飛ばしていることから、資産が規格外なのは誰もが想像できると思います。
そんな彼は離婚時に1億ドル(日本円で約110億円)もの慰謝料を払っているんです!
彼がプレナップを交わしているか交わしていないかは定かになっていませんが、それくらい海外セレブは離婚時に高額な慰謝料や養育費を支払うことになります。
海外セレブ同士での離婚となると、結婚後の資産の線引きも難しくなるため、お互いの同意のもとに資産を守るプレナップを作ることが一般的になっているのです。
「私のおかげであなたはヒット映画の脚本を書けた!」なんて裁判も起こりかねないのが、海外セレブなので……。
海外セレブが実際に作っていた「離婚時の条件」は?
ただ、離婚時の条件は慰謝料や養育費だけにとどまりません。
これまでに公開されてきた(ほぼ非公認ですが)プレナップには、驚くような離婚時の条件も……。
具体的にどんなものがあったのか、お見せしていきましょう。
離婚後5年間は、公に誰かと交際するの禁止
離婚申請から成立までが過去に例を見ないほど迅速だったことから、プレナップがかなり詳細だったとされているのが、映画『ミッション・イン・ポッシブル』シリーズなどで主演を務めるトム・クルーズとケイティ・ホームズ元夫婦。
トムからケイティへ提示され了承を得られていた離婚の条件が「交際はしてもいいが、5年間は交際を公にすることを禁ずる。恋人を娘のスリに近づけることも禁ずる」というもの。
この条件に違反すれば、養育費や離婚調停金として受け取っている約11億円がもらえなくなるのです。
トムと離婚した際のケイティは、まだ30代前半。
新しい恋をしても、パパラッチに撮られたりゴシップ誌にすっぱ抜かれたりしないなんて至難の技です。
にもかかわらず、かなり厳しい離婚の条件を飲んででも離婚したことを考えると、相当トムとの結婚生活が厳しかったことが伺えますし、この条件を考えたトムって……。
ちょっと器が小さい男に見えるのは、筆者だけではないはずです。
離婚した際の慰謝料は、結婚年数の長さで変わる
ハリウッドの元祖年の差婚といえば、2000年に結婚したマーベル映画『アベンジャーズ・エンドゲーム』や『アントマン』シリーズに出演している俳優のマイケル・ダグラスと女優キャサリン・ ゼタ=ジョーンズ。
年の差25歳の2人が結婚した際の交わされたプレナップでは「離婚した場合は、1.5億円×結婚年数の慰謝料をキャサリンは得られる」と定められています。
ここで注目したいのは、結婚年数が長くなればなるほど、慰謝料が多くもらえるという点。
海外セレブにとって、イメージはとても大切なものです。
特にマイケル・ダグラスは、最近イメージを大切にすることで知られるマーベル作品に出演しており、離婚や不仲などはもってのほか!
家庭内がぐちゃぐちゃでも、離婚をしないことである程度のイメージが保たれるため、キャサリンに「離婚をしない方がお得だよ!」とアピールするプレナップを作ったことも納得できます。
結婚前に、万が一を考えて相談しておくのは大事かも
海外セレブの婚前契約書はぶっとんでいる要素が満載ではありますが、結婚前にキチンと万が一のことを考えて決めておくことで、離婚時のややこしい取引がなくなるのは事実です。
離婚となると、話し合いが上手くいかないことは多々ありますから(バツがついている方はよくよくご存知のはず)。
ですから、結婚時・再婚時は簡易でもいいので、プレナップを作っておくほうがお互いに新たな幸せも掴みやすいのではないでしょうか。