【連載4】結婚相談所の独自ルールは成婚へのはずみになる?!業界の大御所に聞いてみた
結婚相談所で「3ヶ月で決めろ」と言われて焦ったことはありませんか?
結婚相談所で「3ヶ月以内に交際を決めて、6ヶ月以内に結婚を決めてください」と言われて、急かされた気持ちになったことはありませんか?
一生を左右する決断なのに、タイムリミットを迫られているようで不安になりますよね。

高い入会金を払うのに、なぜ自由に交際できないのか?
なぜルールで縛られるのか?
ただ、相談所を運営している側から見ると、このルールにはかなり現実的な理由があります。
実際、業界の大御所D社さんに聞いてみると、成婚退会後に戻ってくる方は約1%。それでも「退会前に確認しておくべきこと」はある——という回答でした。
今回はその真意を、恋愛・婚活の専門家である私、岡田が直球で聞いてきました。
入会面談で戸惑う「3ヶ月ルール」|現場のカウンセラーは賛成派だった
入会面談で「3ヶ月ルール」「6ヶ月ルール」の説明を受けて、戸惑った人は多いはずです。
お金を払うのは自分なのに、なぜ期限を切られるのか?

恋愛のペースまで決められるのは窮屈ではないか——。
ところが今回お話を聞いたD社さんは、開口一番こう言いました。
3ヶ月ルールは、メリットに感じています。カウンセラーとして3か月ルールは賛成派です。
正直、意外でした。
会員に同情してルールを緩めるカウンセラーならわかりますが、現場で何百組と見てきた立場の方が、なぜここまで明確に「賛成派」と言い切るのか?
そして話を聞いていくうちに、問いの立て方が間違っていたことに気づきます。
「ルールは敵か味方か」ではなく、「そのルールを、どう運用している相談所か」——見るべきはここでした。
賛成する理由を聞く前に、まず読者がいちばん気にする「成婚退会後の破局」の実態から見ていきます。
成婚退会後の出戻りは約1%|ただし「追跡しきれない破局」がある
まず気になるのは、退会後にカップルが本当にゴールインしているのか、です。
D社さんに直球で聞いてみました。

A.ご成婚退会からいわゆる出戻りの割合は、当社では、約1%程度です。
100組のうち1組。少ない、と感じる人が多いと思います。
私もそう思いました。
ただ、ここから続く言葉が印象的でした。
ただ、戻らずとも破局になるケースもあると思います。それを考えると、追跡しきれない会員さんもいたかと…。
数字を出した直後に、自社データの限界を自分で認める。
普通であれば「1%です、優秀でしょう」で終わらせたいところを、わざわざ「追跡しきれない」とつけ加える。
この正直さが、逆に話の信憑性を上げているように感じました。
さらに踏み込んで、こう続きます。
また、成婚退会後の「破局」を定義するためには、何か月以内なのか?何年以内なのか?を、決めないとなんとも言い切れませんね。
「破局」という言葉そのものを定義しないと、数字は出せない——。
これは現場で会員を長年見てきた人でないと、出てこない問題意識だと思いました。
「成婚退会の5年後に破局した」と言われると、そもそも原因が違うところにありそうですし…。
5年後の別離は、相談所のせいなのか?
それとも夫婦としての別の何かなのか?
語尾の「…」に、簡単に白黒つけられない現場感がにじみます。
いずれにしましても、出戻りや婚約破棄は当社としても最小限に防ぎたいですし、すべての会員さんに幸せになってほしい!という願望がありますから、防止策を講じています。
では、その「防止策」とは具体的に何なのか?
次に独自ルールの中身を見ていきます。
成婚退会前に「両親への挨拶」を義務化している理由
D社さんに、出戻りを減らすために何をしているかを聞くと、即答でした。
A.プロポーズ後に、両親のごあいさつを済ませてからご退会していただいております。

成婚退会のタイミングは、相談所によってかなり差があります。
プロポーズが成功した時点で退会扱いとする所もあれば、入籍まで伴走する所もある。
D社さんはその中間、「両親へのご挨拶を済ませてから退会」というラインを引いています。
なぜそこなのか?
最後の最後で、ご両親の反対で破局というケースも珍しくないので、必ずといってもよいほどお願いしていますよ。
プロポーズが成功して、二人の気持ちが固まった。
式場の話まで進んだ。
ところが片方の親に挨拶に行った日、空気が凍る——。
そういう場面を、現場では何度も見てきたということです。
二人だけの問題なら相談所が伴走できますが、親が出てくる場面はカウンセラーの力が及ばない領域です。だからこそ、退会させる前にそこを通過させてしまう。「すべての会員さんに幸せになってほしい!」という願望を実装するなら、最後の関門である親の挨拶までを射程に入れるしかない、という判断なのだと思います。
聞いていて納得したのは、これが「会員を縛るルール」ではなく「最後の地雷を踏ませないためのルール」として設計されている点です。
プロポーズ成功=ゴールではなく、両親が了承して初めて夫婦になる現実的な手前まで、相談所が責任を持つ。
ただ、ルールがあれば必ず良いとは限りません。
同じ業界には、別のルールを別の意図で運用しているところもあります。
6ヶ月ルールは「親への挨拶なしの成婚退会」を許してはいけない
D社さんは「3ヶ月ルール」だけでなく、もうひとつのルールも導入していました。
また、いわゆる真剣交際後半年で強制退会というルールも取り入れております。

個人的には決断が遅れてしまわないためにも必要なルールだと思いますが、この場合も、最低でもご両親へのご挨拶が済んでからのご退会にすべきだと思います。
ここでD社さんが繰り返し強調したのが、「親への挨拶なしの成婚退会」を作ってはいけない、という一点でした。
挨拶を済ませないまま「真剣交際後6ヶ月」という期限だけが先に来て、二人を退会させてしまうと、後で親の反対で破局するリスクがそのまま残る。
プロポーズの返事をもらった当事者同士は盛り上がっていても、最後の地雷は別の場所に埋まっている——というのが、D社さんが現場で何度も見てきた光景です。
だから「6ヶ月で強制退会」というルールも、両親への挨拶を済ませた状態で退会させる、という運用とセットでなければ意味がない。期限だけを切って肩書きとして「成婚退会」を出してしまうのは、会員にとって危険だ、という考え方です。
ここから先が、今回の取材でいちばん緊張感のあった部分でした。
業界人として正直に言うと——という前置きで、こう切り出されたのです。
結婚相談所のカウンセラーという立場から言わせていただくと、この半年ルールを都合の良いように解釈をすれば、「何もしなくても半年経てば成婚料をもらえる」と理解する相談所もあるはずです。
ぞくっとしました。
会員が真剣交際に入れば、6ヶ月後には自動的に退会する。
退会するということは、相談所側に成婚料が入る。
極端に言えば、カウンセラーが何もしなくても、時間が経てばお金が落ちてくる仕組みになる、ということです。
そのスタンスでは、半年であろうが1年であろうが、本人同士は何の進展もなく退会され、破局になる可能性も高いかもしれません。
何もしなくても成婚料が入る仕組みになってしまうと、相談所側は「本当にこの2人が結婚まで進める状態か」を確認しなくてもよくなってしまいます。
会員は「成婚退会」という肩書だけを持って世に出る。
けれど結婚に向けた具体的な進展は何もない——そういう運用が、同じ業界の中に存在しうる、という指摘でした。
もちろん、大半の相談所は会員のために真摯なサポートを行っています。しかし、こうしたルールの「形」だけを利用する悪質な場所を避けるためにも、私たちはこの仕組みの裏側を知っておく必要があるのです。
だからD社さんは、退会前に親御さんへの挨拶まで確認することを大事にしています。
会員からすれば、「同じ6ヶ月ルール」と書かれていても、その6ヶ月間にカウンセラーが二人をどう動かすかは、契約書の文言からは読み取れません。
両親への挨拶まで義務化している相談所と、期限が来たらそのまま送り出す相談所では、退会後の運命がまったく変わってきます。
ルールを良く働かせるか悪く働かせるか、そこは、相談所のポリシー次第かなと考えます。
ここでようやく腑に落ちました。
「6ヶ月ルールは厳しい」「3ヶ月ルールは短い」という議論は、ルールの文字面だけを見た議論です。
同じルールでも、運用する相談所のポリシーで、結果は真逆になる。
ここまでは6ヶ月ルールの話でした。
では、もうひとつの3ヶ月ルールを賛成派の立場から見ると、どう映るのか?
3ヶ月ルールに賛成するカウンセラーの本音|「公平性」を保つための仕組み
D社さんに、なぜ3ヶ月ルール賛成派なのかを掘り下げて聞きました。
結婚相談所に入会されるとき、この交際3ヶ月ルール・6ヶ月ルールについてお話すると、驚かれる方もいらっしゃいますが、当社としては会員さんにとって、メリットと捉えています。

驚かれる、という表現が現場感を伝えてきます。
「そんなに早く決められません」と顔色を変える方もいるそうです。
それでもメリットだと言い切る根拠は何か?
理由としては、結婚相談所にご入会される方の共通点としていえるのは「早く」結婚したいと思っているからです。
入会者の共通点は「早く結婚したい」。
これが多数の会員を見てきたカウンセラーのシンプルな観察でした。
逆に言えば、ゆっくりでいい人は、そもそも相談所には来ない。
そして、ここからが本題でした。
交際し、お互いに早く結婚をしたいと思っているわけで、その対価として、お金をお互いに払っています。であれば、その「時間」を明確化することが必要です。
会員が払っているのは「出会いの場」への対価ではなく、「結婚までの時間」への対価だ、という捉え方です。
であれば、その時間を曖昧にしたままでは、サービスとして成立しない。
婚活において、交際期間の目安が人によってバラバラだとどうなるか——。
ひとりは3か月で結婚を決めたいと思っている会員さん。もうひとりは1年で結婚を決めたいと思っている会員さん。これではお互いのペース配分も温度も異なります。何よりも公平ではありません。
片方が真剣に「3ヶ月で将来の決断をしたい」と思って交際に向き合っているのに、もう片方が「まあ1年くらいかけて、とりあえず恋人として」という温度感だったらどうでしょうか。
本気の人ほど貴重な時間を奪われ、深く傷ついてしまいます。
同じお金、同じ期間、同じ熱量。この前提があって初めて、対等な交際が成立する。3ヶ月ルールは「急かすための制度」ではなく、「ふたりの時間軸と温度感をそろえ、感情のすれ違いを防ぐための制度」だということです。
そう聞くと、3ヶ月という期間そのものが厳しいのではなく、3ヶ月で決める覚悟を持った者同士をマッチさせる仕組みだ、というふうに見え方が変わってきます。
だから大事なのは、3ヶ月ルールがあるかないかだけで判断することではありません。自分が納得できるペース感で、でも必要な場面では背中を押してくれる相談所かどうか。ルールの有無より、その相談所がどういう成婚観で運営しているかを見て、自分と相性のいい相談所を選ぶことが大事だと思います。
とはいえ、頭で理解しても、3ヶ月で結婚を決める覚悟は持ちにくい。
ここで現場のカウンセラーが見てきた「時間を奪われた人」の話を聞いてほしいのです。
5年付き合って「結婚はあと5年」と言われる恋愛から守るために
ルールの話を聞きながら、D社さんが少し声のトーンを落としてこんな話を始めました。
婚活で一番つらいのは、ダメだったことそのものよりも、「結婚する気があるのかないのか分からない相手に、何ヶ月も何年も時間を使ってしまうこと」なんですよ——と。

来年で30歳になる女性。実は5年間交際している彼氏がいます。子供も希望していたし、早めに今の彼氏と結婚したいと思っていました。今までも、彼氏の「結婚願望がある」という言葉を信じ、長々と交際を続けましたがもう限界。しびれを切らした彼女は彼氏にこう聞くのです。「いつまでに結婚したいの?」すると、彼氏からびっくりする答えが。「結婚は、後5年くらいかなぁ…」
5年付き合って、聞いた答えが「あと5年」。
この話を聞いたとき、私は一瞬、言葉が出ませんでした。
彼女は20代の5年間を、その彼に賭けていた。
子供を産める身体の時間と、結婚相手を探し直す時間と、両方を同時に失った形になります。
結婚に焦りを感じはじめる年代になると、こういう話が多かったですね。
「多かったですね」。過去形で、しかも複数形。
一度や二度ではなく、何度も似た話を聞いてきた人の口調でした。
カウンセラーとして、こういう女性に何かしてあげられたかというと、相談所に来る前の話なので何もできない。だからこそ、せめて自分のところに来てくれた会員さんには、同じことを繰り返させたくない。そういう静かな決意が、3ヶ月ルールという制度の奥にあるのだと感じました。
目安がない交際は、本人たちが思っている以上に長引きます。
実際に、5年付き合ったあとで「あと5年くらいしたら結婚するかも」と言われた方もいた。
だから結婚相談所の交際には、ある程度の期限が必要だ——というのがD社さんの結論でした。
逆に、その目安があるからこそ、安心して恋愛ができて、余計な駆け引きをせず、スムーズに進む部分も少なからずあると思っています。
期限があるから怖い、ではなく、期限があるから安心して恋愛できる。
「いつ結婚の話を切り出せばいいんだろう」「重いと思われないかな」という駆け引きが消える。
3ヶ月後にはお互いに答えを出すと決まっているから、目の前の相手と向き合うことに集中できる——という意味です。
5年付き合って「あと5年」と言われる恋愛と、3ヶ月で答えを出すと決めた恋愛。どちらが厳しいか?と聞かれると、答えは少し変わってくるはずです。
では、3ヶ月という期間そのものは本当に短すぎないのか?
ここでカウンセラー自身の体験を聞きました。
カウンセラー自身も3ヶ月でプロポーズした|結婚願望が一致していれば早すぎない
最後に、D社さんご自身の話を聞かせていただきました。
少し恐縮した様子で、こう切り出されたのです。

ちなみに、この仕事をしていると結婚相談所には入会できないのでプライベートで出会った方ですが…。
これには、日々結婚相談所の裏側を見ている私も思わず驚きました。
自社の会員情報を扱う立場上、カウンセラーが自身の所属する結婚相談所に入会できないのは当然といえば当然ですが、「結婚を支援する人が、そのサービスを使えない」という構造には、業界人ならではのもどかしさがあるそうです。
その上で、こう続きます。
ちなみに、私個人の経験で恐縮ですが…、結婚したいなと思ったタイミングに出会った女性と交際し、3ヶ月でプロポーズしました。
自社のルールを会員に課している人が、自分でも3ヶ月でプロポーズしていた。
しかも相談所の力を借りずに。
今までの恋愛と何が違うかというとお互いに結婚願望があること。
結婚願望が一致していること。これが過去の恋愛と何が違うか?と聞かれたときの答えでした。期間ではなく、向いている方向。3ヶ月か1年かという話ではなく、「同じものを欲しがっているか」という話です。
個人的な経験をもっても、結婚願望が明確であるならプロポーズまでに3ヶ月という期間は、短すぎず長すぎず、プロポーズには良い期間かなと感じました。
もちろん、入籍をしたのは、それから1年後です。
プロポーズまでが3ヶ月、入籍までは1年。
「3ヶ月ルール=3ヶ月で結婚する」ではなく、3ヶ月で意思を固めて、そこから1年かけて式と入籍に進む。
このタイムラインを聞くと、ルールの輪郭が現実的に見えてきます。
まとめ|3ヶ月で本気度が見えるかどうか
3ヶ月ルール、6ヶ月ルール、両親挨拶ルール——同じ言葉で書かれていても、運用する相談所のポリシー次第で、会員にとっての意味は真逆になります。
D社さん自身が3ヶ月でプロポーズしたという話が示しているのは、結婚願望が一致していれば3ヶ月は短すぎないということ。

そして3ヶ月という期限があるからこそ、相手の本気度が見えるということです。
もし今、検討中の結婚相談所があるなら、ルールの文字面だけでなく、そのルールを「誰が」「何のために」運用しているのかを確認してみてください。
無料面談の際に、「成婚退会の条件はプロポーズ成功時ですか?それとも、親への挨拶が終わったタイミングですか?」と質問してみるのも有効です。その答え一つで、相談所がどれだけ会員の未来に責任を持とうとしているのか、その姿勢がはっきりと見えてくるはずです。





