つらい離婚の経験を乗り越えて、新しくパートナーを見つけたい!
そんな心意気で結婚相談所を利用する方も多いでしょう。
それって大きな進歩ですよね。素晴らしいです。
でも、再婚のために登録に来られる方の中には……
まれに私たちカウンセラーが「うーん…」と頭を悩ませてしまうほど、
どうアドバイスしたらいいのか考えてしまう方がいます。
その人たちに共通するのが……
「元配偶者を見返してやりたい」という気持ちだけで婚活していること。
ハッキリいいます。
元夫・元妻を見返したい気持ちだけで婚活している人は再婚できません。
実際に私も元夫を見返したい気持ちを抱いていたのですが……
見返したい気持ちを捨てられないときは、進歩がありませんでした。
ここでは具体的な例を挙げて説明していきます。
元夫・元妻を見返したい!その気持ちの何がいけないの……?
女性の方によくあるのが
「浮気された元夫を見返すためにキレイになって素敵なパートナーを見つけたい」というパターン。
こちらは問題ないケースが多く、離婚で傷ついた女性が婚活中にみるみるうちに明るくきれいになって、新しい相手を見つけるというのはよくあります。
女性はいったん立ち直ると気持ちをポジティブな方向へもっていける人が多いのでしょうか?
このケースは、私たちカウンセラーもあまり問題視していません。
問題となるのは……
「離婚の原因がまったく自分にないと思っている男性」が
かつての妻を見返してやろうと思うケース。
妻を見返してやろう!と再婚に踏み切ったAさんのケース
Aさん(男性)は、く家庭内別居だった妻に40代半ばで離婚を切り出されました。
そんなAさんと話しをしていて、すぐに気がついたのは、
話し方が常に上から目線で傲慢な態度が目立つこと。
「女性はいくつになってもきれいでいるべき」と公言するほど、亭主関白気質なAさん。
男ぶりはそれほど悪くないものの「うーん、もしかしたらこれが離婚の原因なのかも」と思わざるを得ませんでした。
さらに話を聞いてみると、とにかく前妻よりも早く結婚して新しい生活をスタートさせたいとのこと。
離婚で精神的に落ち込んでしまったのは確かでしょうし、Aさん自身『不安定な部分』があるのも、私たちカウンセラーにとって不安要素のひとつでした。
しばらくしてAさんとマッチングし、仮交際中だった女性の登録者Bさんから相談を受けました。
Aさんと食事に出かけたあと、価値観が合いそうにないなと悩んでいたBさん。
その直後、Aさんから次回のデートのお誘いが来たものの、一旦お断りしました。
けれど……納得できなかったAさんから立て続けにメールが来て困っているというのです。
そのメールの内容を教えてもらうと……
「再婚もせず、その年齢で病気になったらどうするのですか?誰も面倒を見てくれませんよ」
「今は声がかかるかもしれませんがそのうち紹介数も減りますよ」
といったBさんに失礼とも取れる内容ばかり。
さらにこれだけではありません。
失礼なメールを送り続けたあと、何事もなかったように
「次の休みには、ドライブに行きませんか?」
「あなたとはもう1度お会いしてもいいと思っています」と続くのです。
お互いのカウンセラーが間を取り持って、交際は解消。
Aさんもカウンセラーの話に納得したようで、引き続き婚活に励んでくれたようですが……。
AさんはBさんを責め立てた意識がなかったんです。
再婚に向けてAさんが取るべき手段とは?
この場合、Aさんが再婚を目指して婚活をする前に必要なのが、
- 自分を見つめなおすこと
- 傷ついた気持ちを癒す時間
再婚に向けて婚活する前に『自分を見つめなおす時間』が必要
Aさんは離婚に対して精神的なダメージが大きく、落ち込んでいたようですが、
なぜ、前の奥さんに別れを切り出されたのか?
Aさんは、離婚の原因に自分が関わっている自覚が、まったくなかったんです。
「どうして離婚を切り出されたんだろう……」
「こんな僕(私)では、誰からも必要とされない……」
なんて、必要以上に自分を責めるべきではありませんが、
客観的に事実を見つめなければ、どんなに新しい女性と巡り会っても同じ過ちを繰り返すことになりますよね。
もちろん離婚の原因って人それぞれですし、ただたんにお相手との相性もあるかと思います。
けれど、100%完璧な人間はいませんから……。
悔しくても、腹が立っても、別れた相手に『言われたこと』の中には、自分が改善するべき点が含まれているかも。
最近ではDVが原因で離婚に至る人も増えてきました。
DV被害を受けた人は『支配感』に苛まれ、
自分自身の『心』を見失ってしまうこともあります。
その場合は、本当に自分がしたいこと・相手基準で物事を考えないことを心がけてみてください。
Aさんの場合、自分の気持ちを押し通すだけではなく、自分の発言に対し言われた相手がどんな気持ちになるのか、考える必要があると感じました。
精神的に不安定な時期に婚活するのはNG!まずは心の健康を……
AさんがBさんに送ったメールの文面をみていると、Aさんはまだ精神的に不安定な状態であることが分かります。
また、離婚後から婚活中も『心療内科』に通っていらっしゃるということでしたが……
婚活は、心の健康を取り戻してからでも遅くありません。
不安定な精神状態で見つけた相手は同じように不安定だったり、
相手に必要以上の負担をかけてしまったりして、長続きしないもの。
婚活だけではなく、普通恋愛でも同じですよね。
今度こそ、本当に長続きする相手を見つけたいなら、まずは、自分で自分を癒す時間を持ちましょう。
結婚していたころ、やりたくてもできなかったことをする、新しい趣味を見つけるなどもオススメです。
今まで一緒にいたパートナーがいなくなると、心がぽっかり空いてしまったような虚しさを感じるかもしれません。
けれど、結婚は『依存』ではなく『共存』です。
心の穴を埋めるためにお相手を探すことは、自分のためにもお相手のためにも良くありません。
40代・50代の方の婚活は「時間がない」と焦る方も多いのですが、そのことでイライラしたり、精神的に不安定になったりしては元も子もありません。
Aさんは離婚後、2カ月程度で当相談所に登録に来られました。
離婚後すぐに結婚相談所に登録するのは悪いことではありませんが、
ムキなって「とにかく早く新しい相手を見つけてやろう」と考えるのはオススメできません。
間違った見返す方法と正しい見返す方法をしっかりと理解!
今回のAさんは間違った方法を選んでしまい、自分自身の肉体的・精神的バランスを崩してしまいました。
いや、むしろ、離婚によって肉体的・精神的バランスが崩れていたことから、もしかしたら、今回のような間違った選択をしてしまったのかもしれませんね。
ただ人間なら辛いことがあったら、見返したいと思うのは当然の心理です。
見返す方法にも様々なスタイルがあり、場合によっては最初に申し上げたように正しい見返し方もあります。
ここでは間違った見返す方法と正しい見返す方法をご紹介していきます。
間違った方法
・ただ単に相手より早く再婚する
・スペックの高い相手と再婚する
一般的に考えられるのが、この2つの間違った方法です。
Aさんのケースもこちらですし、どちらかというと両方を兼ねているかもしれません。
特に「ただ単に相手より早く再婚する」はまったくもって不必要な方法です。
極端な話、再婚がメインで相手なんてどうでもいい感じになってしまっています。
これだと、また同じような離婚という不幸な結末をむかえてしまう可能性大です。
他にも、「スペックの高い相手と再婚する」というのもスペックだけを見てしまい、本当に自分に合った相手を見つけたことにはならず、結果的に離婚という結末をむかえてしまうかもしれません。
正しい方法
・カッコよく・綺麗になってモテるようになって再婚
・心から幸せな再婚
心の中では「見返したい」と思うのは問題ありません。
ただし、大事なのはその見返し方なのです。
先ほども言ったように、「見返す」ことばかり考えてしまい、再婚することばかり考えるのが無駄なのです。
再婚することよりも、まずは今よりもっとカッコよくなって(美しくなって)、生き生きとした生活をして、周りの女(男)が寄ってくるようにすることがベストです。
少し、これは大袈裟かもしれませんが、少しでもカッコよくなる(美しくなる)ことで相手を見返すことにはつながるはずです。(何せ一度はこちらのことを愛していた人ですからね)
さらにカッコよくなり(美しくなり)、再婚もして、心のそこから楽しんで生きている姿を相手に見せること、もしくは伝わることが最もベストな見返す方法だと思います。
まとめ
Aさんは体力的にも精神的にも疲れてしまったようで、その後、しばらく婚活はお休みしたいという申し出がありました。
「精神的に元気になってからの方が、Aさんによりマッチした素敵な女性が見つかりますよ!」
とアドバイスさせていただいたところ、Aさん自身、とてもホッとした表情をされたのが印象的でした。
きっとAさんも、焦りや不安を感じながら活動されていたのだと思います。
辛い経験から、再び立ち上がるには大変なエネルギーが必要です。
今度こそ、永遠に添い遂げられる相手を見つけるためにも、まずは自分自身を癒し、見つめなおしてみませんか?