婚活で男は頑張らなくていい!
婚活デート前夜、胃がキリキリする男性へ
婚活デートの前日、布団に入っても眠れない夜がある。
明日、何を話そうか?

店はあそこでよかっただろうか?
帰りは送るべきか? 送ったら重いと思われないだろうか?
気がつけば胃がキリキリしている。
もしあなたが今そういう夜を過ごしているなら、ひとつだけ先に伝えておきたい。
現在、結婚相談所のカウンセラーとして日々多くの男性をサポートしている私も、昔は布団の中で胃がキリキリしながら同じ夜を過ごした側の人間だ。
だからこの記事は、若き日の自分に手渡したいつもりで書こうと思う。
眠れない夜を過ごしているのは、あなただけではない
- 明日、何を話そうか?
- 食事はどこに行こうか?
- 帰りは送ったほうがいいのか?
- 次の予定は明日決めるべきか?
頭の中で同じ問いがぐるぐる回って、寝返りばかり打っている。

スマホで店のレビューを開いては閉じ、開いては閉じ、結局決めきれずに天井を見ている。
胃の奥がキリキリしてくる頃には、もう深夜2時を過ぎている。
エスコートに慣れていなくて当然だ
結婚相談所で長く現場を見てきた立場から言わせてもらうと、こういう夜を過ごす男性は、本当に多い。
入会する男性に遊び人はほとんどいない。
真面目で誠実な人が大半だ。だから、女性をスマートにエスコートした経験がそもそも少ないのだ。慣れていなくて当然である。
そして交際になった瞬間から、これまでの人生でそこまで使ってこなかった神経を、急にフル稼働させ始める。
前日に眠れないくらい悩むし、胃がキリキリしてくる人もいる。
ただ、ひとつだけ覚えておいてほしい。
あなたが今しんどいのは、能力やセンスの問題ではない。頑張る方向を、ほんの少しだけ間違えているだけなのだ。
そんなに完璧にしなくていい。
ちゃんとしていようとする誠実な気持ちは、もう十分すぎるほど相手に伝わっているからだ。
では、何を間違えているのか? 原因は、だいたいひとつに絞れる。
「楽しませなきゃ」と思った瞬間、デートは空回りし始める
ここではっきり聞きたい。
なぜそんなに、女性の前でいい格好をしたいのか?

男がデートで「女性を楽しませなきゃ」と思っている時点で、もう少しだけ方向がずれている。
デートというのは、男性が女性を楽しませる場ではない。一緒に楽しむ場だ。楽しませようと構えた瞬間、デートは”接待”に変わってしまう。
接待は疲れる。当たり前だ。
仕事ですらないのに、相手の表情をうかがいながら次の話題を探し、笑いが取れたかどうかで自己採点していく。
3時間もそんなことをすれば、帰り道には抜け殻になってしまうだろう。
次のデートが近づくたびに胃がキリキリするのも無理はない。
お互いに演技しあう空回り
しかも厄介なのは、こちらの緊張が相手にも伝わってしまうということだ。
一生懸命に間を埋めようとする男性を前にして、女性もこう思い、こわばっていく。
楽しんでもらわなきゃ申し訳ない
お互いに演技しあう食事になる。終わった後、両方とも疲れたと感じる。
これが空回りの正体だ。
なぜ男は、女性の前で完璧でいたいと思ってしまうのだろうか?
それこそが、恋愛初心者がやってしまう一番の間違いなのだ。
完璧であろうとするほど、相手との距離は遠くなってしまう。
「楽しませる」を「一緒に楽しむ」に置き換えてみる。たったそれだけで、デート前夜の眠れなさはかなり減るはずだ。
では、「一緒に楽しむ」とは具体的にどんな感覚か?
一番わかりやすい例えがある。
婚活デートは、男友達とご飯に行く感覚でちょうどいい
あなたは男友達からご飯に誘われたとき、「こいつ、俺を楽しませろよ」と思うだろうか?
思わないだろう、そんなことは。

- 美味しくない店に入ることもある。
- 話題に挙げた映画を観に行ったら、とんでもなくつまらないこともある。
それで、その友達の評価が下がるだろうか? 下がらない。
「ハズレだったな、次はどこへ行こうか」で終わる話だ。
婚活デートも、本来はそれくらいの感覚でいい。
「美味しい店じゃなかったね」「あんまり面白い映画じゃなかったね」「今度はどこに行こうか」
普段、友達と過ごしているときの自分のままで会話する。
失敗を一緒に笑える関係こそ、長く続く相性だ。
むしろそこで、人としての相性がはっきりと見えてくる。
失敗を一緒に笑えるのが相性
逆に、こちらが良かれと思って選んだ店が少し外れただけで、露骨に不機嫌になる女性なら、無理に追わなくていい。
それは単に縁がなかったというだけの話だ。
感性が違う相手と無理に合わせ続けても、結局どこかで限界が来る。
ここで誤解されたくないので先に書いておくが、「縁がなかった」は女性を見下す言葉ではない。
あなたに合わない相手がいて、相手にも合わない男性がいる。
それだけのことだ。
両方が「ここはちょっと違うな」と思える権利を持っている。婚活で大事なのは、合う合わないを早めに見極めて、合う人と関係を深めることなのだ。
男友達とご飯に行くときの自分を、そのまま女性の前に持ち込む。
これができれば、デート前夜の8割の悩みは消える。
店選びを30分迷うことも、会話のネタを暗記することも、いらなくなる。
ただし、ここで一つだけ言っておきたいことがある。
「頑張らない」と「手抜き」は、まったく違うものだ。
頑張らなくていいこと、ここだけは手を抜かないこと
頑張る方向を整理しておこう。ここは記事の中でも特に実用的な部分だ。
- 頑張らなくていいこと:完璧なデートルートの設計(駅の出口から店までの最短距離を秒単位で把握するなど)
- 頑張らなくていいこと:女性を笑わせ続ける役回り
- 頑張らなくていいこと:普段行かない高級店で背伸びして注文すること
- 頑張らなくていいこと:恋愛上級者を演じること
- 頑張らなくていいこと:失敗をゼロにすること

- ここだけは手を抜かないこと:清潔感(服のシワ、靴、爪、髪、においまで含めて)
- ここだけは手を抜かないこと:待ち合わせ時間の厳守
- ここだけは手を抜かないこと:相手の苦手な食べ物・アレルギーだけは事前に確認しておく
- ここだけは手を抜かないこと:駅からの距離と、予約をしているかどうか
- ここだけは手を抜かないこと:「今日は来てくれてありがとう」を最後にきちんと伝えること
- ここだけは手を抜かないこと:自分が苦手な分、相手の得意なところは素直に尊重すること
これだけだ。決してややこしい話ではない。
清潔感の合格ラインは高くない
清潔感といっても、ブランド服を着ろという話ではないのだ。
服のシワ、靴、爪、髪、におい。
そこをちゃんとして、待ち合わせ時間を守る。
それだけで、十分きちんとして見える。
あなたが想像している10分の1くらいで、もう合格ラインなのだ。
具体的に初回デートのイメージを書いておく。
- 場所は、お互いの最寄りから乗り換えなしで行ける駅の近く。移動は片道40〜50分以内に収める。
- 店は、3_000〜5_000円程度のカフェか、雰囲気の落ち着いた個室寄りのカジュアル店。
- 所要時間は90分から長くても2時間。それ以上は両方が疲れる。
これくらいの設計で、初回はじゅうぶんだ。
何度も言うが、「頑張らなくていい」イコール「何もしなくていい」ではない。
彼女を大切に扱うこと、楽しんでもらおうと努力する気持ち、これは絶対に必要だ。
手を抜く場所と、抜いてはいけない場所を、きっちり分ける。これだけで十分にまっとうなデートになるのだ。
ここまで読んで、「やはり下見くらいはしておいたほうがいいのではないか?」と不安に思った人がいるはずだ。
次にその話をしておきたい。
下調べに走る前に。努力の方向は、本当に合っているか?
婚活のアドバイスをする人の中には、こう言う人もいる。
デートはできれば下調べしましょう、できれば下見もしておきましょう

当日、余裕を持って行動できるから。
落ち着いた男性に見えて魅力が増すから、というわけだ。
ほう、たしかにな。そりゃあそうだろう。
いや、ちょっと待ってほしい!
背伸びして、どうするのだ。ずっと背伸びし続けるつもりか? エスコート上手の仮面を、結婚した後もずっと被り続ける気か?
下見というのは、その日その場所だけの安心料だ。
次のデートで別の場所に行けば、そこではまた一からやり直しになる。
3回目のデートでまた下見、4回目でまた下見。
それを延々と続ける気だろうか?
下見は無限に続く苦行
どれだけその場所を熟知していたとしても、次の場所では通用しない。
これは努力の方向が違うのだ。
あなたが本当に頑張るべきは、店の地図を暗記することではない。
どんな場所でも、まず自分が楽しめる軸を持つこと。そして、相手を楽しませるには、まず自分が楽しまなければならない。順番が逆になると、全部崩れてしまう。
そのうえで、「一生懸命あなたのことを大事にしたいと思っている」という気持ちを正直に伝える。
これだけだ。
下見の時間があるなら、その分早く寝て、当日機嫌よく会いに行くほうがよっぽど効果がある。
演技でその場をしのいだ関係は、続けるほどに苦しくなる。最初に背伸びした分だけ、後で帳尻が合わなくなるのだ。だから婚活が苦しくなる前に、演技をやめてほしい。
ここで多くの男性が次に怖がるのは、「演技をやめたら、自分の弱みを隠せなくなる」ということだ。
ここが本題になる。
「苦手なんです」と言える男が、結局いちばん長く愛される
世の中に、完璧な男なんてほとんどいない。
どこか欠落しているのが人間というものだ。

エスコートが苦手でも、女性を笑わせ続けられなくても、必ずあなたにしかない良さがある。
欠点は別の魅力でカバーすればいいだけだ。
そのうえで、本題に入る。「苦手を苦手と言える技術」の話だ。
たとえば、店選びが苦手なら、こう言えばいい。
店を選ぶのが正直あんまり得意じゃなくて。よかったら、行きたいお店があれば教えてもらえると嬉しいです
これだけで通じる。
隠そうとして適当な店をネットで探し続け、当日「これ、選ぶの大変だったでしょ?」と気を遣わせるよりも、最初から正直に言ったほうが楽だし、相手にも誠実さが伝わる。
LINEのやり取りでも同じことが起きる。比べてみよう。
悪い言い方(背伸び型)「明日のお店、最高のところ予約しておきました!絶対楽しませますので楽しみにしててください!」
いい言い方(自然体型)「明日、駅前のカフェに19時で予約してます。もし苦手な食べ物があれば事前に教えてもらえると助かります。あと、口下手なので少し緊張してしまうかもしれませんが、お会いできるのは本当に楽しみです」
悪い言い方は、苦手を隠して急に背伸びをすること。いい言い方は、苦手を先に笑って渡しておくこと。「ごめん、店選びは本当に得意じゃないんだ。でも一緒に探すのは楽しい」。これでいいのだ。
どちらが受け取って気が楽か、考えるまでもない。
前者は受け取った瞬間に、女性側にも「期待に応えなきゃ」というプレッシャーが乗る。
後者は、ただ事実と気遣い、そして純粋な好意だけが伝わってくる。
長く続くのは「息切れしない」関係
現場を長く見てきて、はっきり言えることがある。
うまく取り繕えている男性より、苦手を苦手と言える男性のほうが、交際は長く続いている。
これは抽象的な励ましではなく、何度も目撃してきた事実だ。
最初の数回は前者のほうが”スマート”に見えるかもしれない。
でも3ヶ月、半年と進むうちに、前者は息切れしていく。
後者は息切れしないのだ。
無理をして誤魔化そうとするほうが、絶対にいい結果にはならない。これは断言できる。
ただし注意点もある。
出会ったばかりの段階で、プライベートすぎる欠点を一気にぶちまけるのは違う。
借金、家族の闇、過去の人間関係のトラブル、そういう重い話まで初回から開示しろという意味ではまったくない。
社会人としての一定の節度は当然必要だ。
開示していいのは、次のようなデートの中で自然に出てくる範囲のことだ。
- 店選びが苦手
- 会話を回すのが得意じゃない
- 予定を組むのが不器用
この範囲なら、正直に言ったほうが必ず関係は楽になる。
とはいえ、ここで多くの男性が立ち止まり、こう言い張る。
「恥ずかしい」「カッコ悪い」
その壁の崩し方を、最後に書いておきたい。
婚活で本当に頑張るべきは、続けられる形に整えること
もし相手の女性が、こう言ってきたら、あなたはどう感じるだろうか?
すみません、私、男性と食事すると緊張してうまく話せないんです

これを聞いて、「この女、最悪だ」となるだろうか?
ならないはずだ。
「いいよいいよ、ゆっくりでいいので」「むしろ言ってくれて助かります」と、自然に思うはずだ。
場合によっては、その正直さに少し心が動くかもしれない。
他人には優しいのに、自分には厳しい
おかしな話だ。
他人が自分の弱みを告白することには、あれだけ寛容になれるのに、自分のことになると、こう思ってしまう。
絶対に隠さなきゃ
たいていの人は、他人の弱みを大きな心で受け止められるのに、自分の弱みは絶対に許せない。
なぜなのだろうか?
人の苦手は笑って受け止められるのに、自分の苦手だけは許されないと思ってしまう。でも、そこまで自分に厳しくしなくていい。
その非対称性に気づくと、少しだけ肩の力が抜ける。
あなたが他人にしている優しさは、自分にも向けていい。
むしろ、自分に向けなければ、いつまでも疲れ続けてしまう。
最後に、結論を書こう。
婚活で何より大事なのは、続けることだ。途中で潰れてしまったら、相性の合う相手に出会う前に終わってしまう。だから、続けられる形に整えることが本当の頑張りどころになる。苦しい婚活は、やってはいけないのだ。
焦らず、気負わず、背伸びせず。
足りない自分をまず認めて、それを相手に正直に伝えて、助けてもらった分は自分の得意な場所で返す。
この往復ができれば、関係は自然に続いていく。
これは婚活に限らず、人生すべてにおいて役に立つ処世術だ。
「頑張らなくていい」というのは、「何もしなくていい」という意味ではない。
「自分を偽る方向に頑張らなくていい」という意味だ。
ここを間違えなければ、デート前夜に胃がキリキリすることは、少しずつ減っていく。
そして、もしあなたが今、ひとりでこの形を整えようとして苦しいのなら、伴走してくれるカウンセラーがいる小さな相談所を一緒に探してみてもいい。
一人で抱え込むより、ずっと続けやすい形になるからだ。
さあ、明日のあなたは自然体のままで十分だ。
だから今夜はもう、店の検索画面を閉じて、ゆっくり眠ってほしい。





