いざ再婚を考えたときに、我が子と再婚したい相手との関係が良好でない場合、理想的な子連れ再婚を果たすことは難しくなってしまいます。
再婚する当人(親)にとっては魅力的な”いい再婚相手”だったとしても、その人が我が子にとっても”いい人”かどうかは子供とお相手との相性次第。
助言をすることはできても、交際相手が我が子を大切に思ってくれない場合、再婚はできませんよね。
では、子供にとって”いい再婚相手”とは、いったいどのような人なのでしょうか?
今回は子供目線から、”いい再婚相手”の条件とその理由をお伝えしていきます。
子連れ再婚を考えている人、今まさに子供に交際相手を会わせようとしている人はぜひ参考にしてみてくださいね。
“いい再婚相手”の条件は「子供目線を超えること」!?
子連れ再婚者を幸せにしてくれるのは、子供目線を理解してくれるだけじゃ足りません。
子供目線を超えて、子供の感情まで理解してくれることが大事なのです。
でも、そこまで理解してくれるなら、自ずとどんな行動をとればいいか分かってくると思います。
条件1.わかりやすく自己紹介してくれる
あなたの交際相手は、初めてあなたのお子さんと会ったときにしっかりと自己紹介をしてくれましたか?
これから会わせる予定の人は、交際相手と自己紹介についての話(打ち合わせ)をしていますか?
実親であるあなたとあなたの交際相手はどんな関係なのか、どんなお仕事をしている人でどんな趣味嗜好をしているのかなど、子供にわかりやすく伝えることは非常に大切なこと。
なぜこれから一緒に暮らすのかも合わせて、子供が納得できるよう説明する必要があります。
子供は、親の再婚相手となる人に対して多かれ少なかれ不信感を持っています。
今後の生活の変化や、自分と実親との関係性に変化があるのではないかという不安感や恐怖心を抱いている場合も。
不信感や不安感を拭えないまま一緒に暮らし始めても、うまくはいきません。
子供にとって「知らないこと」は非常に怖いことですし、「新しいお父さん・お母さん」との距離のとり方もわかりません。
大人でも、素性のわからない人とはなかなか心の距離を縮められませんよね。
たとえば、近所に引っ越してきた人がどんな人かわかるまでは警戒してしまうはず。
ワンランク上を目指すなら
初めて会ったときや関係を深めていく過程で、交際相手から我が子に「自分はこういう人物だよ、安心してね」ということを伝えてもらったり、あなたからもお子さんに説明したりする必要があります。
交際相手が我が子に対して自己紹介することを面倒くさがったり、嫌がったりした場合、その人との付き合いは考え直したほうが良いかもしれません。
子供のことを大切に思い、寄り添おうと考えている人は、自分のことをわかってもらおうと努力してくれるものです。
そういったことを嫌がる人とは再婚後もきっとうまくはいきませんから、子供にとっての“いい再婚相手”の条件には当てはまりません。
条件2.子供の考えをちゃんと聞いてくれる
子供も自分の考えを持っていて、それを元に行動しています。
大人からすれば取るに足らないことでも、子供にとってはものすごく大切だということもあります。
年齢によっては気持ちを上手に言語化できず、ヤキモキしていることだってありますから、親が子供にも関係する何かしらの決断を下す時には、きちんと子供にも考えを聞く必要があります。
ワンランク上を目指すなら
確認のないまま決断を下し、子供の環境が激変するようなことがあれば、その子は困惑したりやさぐれてしまったりするでしょう。
反抗的な態度を取ったり、ワガママを言ったりすることもあるかもしれません。
反対・賛成という意見を述べられない年齢であっても、お話ができるくらいの年齢であれば「どうかな?」と尋ねることだってできますよね。
子供の気持ちを尊重することが大切です。
「●●ちゃん、どう言ってる? どうにかして『いいよ』と言わせて!」「早く答えが欲しいんだけど」といったように、子供のペースや意見を無視したり急かしたりするような人は、子供にとって”いい人”とは言えません。
さらに、子供の気持ちを無視するようなことが続けば、あなたとあなたのお子さんとの関係がこじれてしまう危険性だってあるのです。
交際相手に嫌われないようにと交際相手ばかりを優先した結果、子供の気持ちをないがしろに、傷つけてしまうような事態は絶対に避けなければなりません。
ひとつの目安として、心に留めておいてくださいね。
条件3.親と子、両方を大切にしてくれる
子供は親の再婚に対して様々な不安を抱きます。
特に、前のお父さんお母さんとの間にトラブル(DV・モラルハラスメント等)があった場合、子供も心に傷を負っている可能性が高いため、注意が必要です。
トラウマは思いがけないタイミング・シチュエーションで脳裏によみがえってくるもの。
もしもあなたの交際相手の言動にどこか暴力的な部分があった場合、子供はかつての経験を鮮明に思い出すことも。
そうなると当然、子供があなたの交際相手に心を開くことは難しくなりますし、再婚してからの生活もうまくいかなくなる可能性が高くなってしまいます。
子供の心の傷やトラウマに対して注意深く観察し、見守りながらたくさんの愛で子供を包んで癒してあげなければいけないのに、交際相手がそのことに無頓着な場合、お付き合い自体を考え直す必要があります。
ワンランク上を目指すなら
再婚相手は、あなたにだけ優しい人ではいけません。
人と人として、そして家族として共に暮らしていくのであれば、子供・大人という垣根を越えて「相手を尊重する」ことが大切です。
そういう気持ちをみんなが持てていないと、家族のバランスが悪くなってしまいます。
「お前がバツイチだから」「お前の子供だろう」等、あなたとお子さんの人生や境遇をダシにするような人を再婚相手に選んではいけません。
どんな過去があろうと、人として対等に接することのできる人でなければ、子供もストレスを抱えてしまいます。
子供は他人の気持ちに敏感です。
あなたとあなたのお子さん、どちらも大切に思ってくれないような人に対して、子供は「こんな人が新しい父親・母親になるなんて絶対に嫌!」と思うはず。
普段から、交際相手の言動を注意深く観察する必要があります。
条件4.距離感を見定めながら接してくれる
再婚を叶えるためには、子供と自分の交際相手が親しい関係になっていなければなりませんが、子供が彼・彼女を警戒し、遠ざけようとする場合、無理に近付こうとすることは逆効果。
子供の精神面を考慮し、距離感を見定めながら、踏み込んでも大丈夫なパーソナルな部分を見定めていきましょう。
交際相手がお子さんに無理に会おうとしたり、お子さんの気持ちを無視して再婚話を進めようとしたりした場合、注意が必要です。
そういった人は自分自身のことしか考えていない可能性がありますから、再婚相手には向きません。
交際相手の反応や対応をしっかりと確認しておきましょう。
ワンランク上を目指すなら
子供のペースや気持ちを第一に考えてくれる人でなければ、家族にはなれません。
お子さんが小さい場合はみんなで遊んだり絵本を読み聞かせたりしながら、ある程度の年齢になっている場合はどこかに出かけたりご飯を食べたりしながら接していくとよいですよ。
長期間に渡って丁寧に接していれば、少しずつ距離を縮めていけるはず。
お子さんの好きなもの(好きなキャラクターや芸能人など)や趣味などを中心に、出かける場所を考えたり会話を進めていったりして様子を見てみてください。
焦りは禁物です。
じっくりゆっくり、子供のペースに合わせて距離を縮めていきましょう。
子供の繊細な感情を理解できる人かどうかを確認しよう
お子さんとあなたの交際相手が良い関係を築くためには、お子さんに歩み寄りながら付き合っていくことが絶対条件となります。
前述のように、子供の考えを尊重したり、距離感に気を付けたりすることが重要です。
お子さんが再婚相手に対して嫌な言動をしてしまうと、親であるあなたはいたたまれない気持ちになり、子供を怒りたくなるかもしれませんが、子供も新しい環境に適応しようと必死です。
その努力が限界を迎えた時、あなたや再婚相手に厳しく当たるのです。
そうした子供の繊細な感情を理解することは親の務めではないでしょうか。
それができないような人は、あなたにとっても子供にとっても”いい再婚相手”とは言えません。
もしも交際相手がお子さんに寄り添う姿勢を見せてくれない場合、再婚することは一度白紙に戻し、正しい選択かどうかを判断する時間が必要です。
「どんな人が新しいお父さん(お母さん)だと嬉しい?」と子供に聞こう
新しいお父さん・お母さんに対する理想像は子供によって違いがあります。
これは良くてもあれはダメ、これはダメでもこれは良いなど、様々な要素が複雑に絡み合い、子供の考えを左右しています。
子供の意見とあなたの意見をすり合わせたうえで、素敵な相手と新しい生活を始められると良いですね。
再婚ありきはダメ!
新しいお父さんがほしいから・新しいお母さんがほしいからという理由だけで再婚するのはタブーであり、あくまで親と相手がパートナーとして寄り添えるからこそ再婚に至るのですが……。
子供が描く父親・母親像を把握しておくとそれが指針となることもありますし、子供と未来の話をするきっかけにもなります。
より多くの感情や意見をお子さんと共有することが、今以上の幸福を手にする足掛かりになるはずです。
“お父さん・お母さん”に徹底しなくてもいい
実親が描く親像・再婚相手が描く親像・子供が描く親像はそれぞれ異なりますが、新しいお父さん・お母さんを「徹底的にお父さん・お母さん」とする必要はありません。
実際に筆者の友人は、中学生の頃に親が再婚して新しいお父さんができましたが、友人は新しい父親のことを「お父さん」と呼ぶことはありませんでした。
そういうと「関係性に何か問題があるのでは……?」と思ってしまうかもしれませんね。
しかし、あだ名で呼んではいたものの友人もその「新しい父親」も、友達みたいに仲良しだったのが印象的でした。
子供は大人以上に新しい環境に適応することが苦手ですし、想像以上にナイーブです。
新しいお父さん・お母さんを家族の一員として認めており、信頼していたとしても、照れ臭くてそう接することができないケースもあるでしょう。
「お父さんのこと、お母さんのことを、ちゃんとお父さん・お母さんと呼びなさい」と徹しなくてもいいのです。
重要なのは再婚相手が”新しい親”として認められることではなく、再婚相手を”家族”として受け入れられるかどうかなのです。
条件すべてを突破していなくても重要度次第で合格
今回ご紹介した以下の条件。
・自己紹介をしてくれる
・自分にも考えを聞いてくれる
・親と自分の両方を大切にしてくれる
・距離感を見定めて接してくれる
これらは、すべて子供にとって重要な審査項目です。
ただし、全てクリアしなくてはいけないのでしょうか?
それは違います。
条件を多くクリアしている場合や、たとえクリア数は少なくとも子供が重要視する項目の達成度が高い場合、その人は”いい再婚相手”に近いと言えるでしょう。
もちろん、全ての条件をクリアしていることが最高ですが、ここに挙げた条件だって場合によっては、全てじゃないかもしれません。
子供はそれぞれに異なる感覚をもっています、「これだから大丈夫!」なんてポイントはありません。
というより、そういう考え方こそが、失敗の元です。
大切なのは、子供に寄り添い、子供が安心できる家庭を築くことです。
安心してください!子供だって成長します!
再婚相手に足りない部分があっても、努力しているのが分かれば歩み寄ります。
お互いに成長していきましょう!
まとめ
今回は子供視点に立って、どんな人が”いい再婚相手”となるのかについてお伝えしてきました。
子供は子供なりに再婚相手を見ており、自分にとっていい相手なのか悪い相手なのかを判断しています。
決して「子供もひとりの人間」であることを忘れてはいけません。
子供は大人よりも人生経験が少なく、自分の気持ちを細かく説明できる難しい言葉も知らないかもしれませんが、子供は子供なりに物事をよく考えていて、周囲の環境・空気感を感じ取っています。
再婚することは新しい人生のための前向きな一歩です。
その一歩が子供にとって良いものとなるよう、親であるあなたにとっても良いものとなるよう応援しています。
どちらにとっても魅力的で頼れる再婚相手を見つけられると良いですね。