再婚したら養育費はどうなる?減額になる場合の相場を解説!

再婚したら養育費はどうなる?減額になる場合の相場を解説!

再婚したら養育費は減額される?特別養子縁組済みでも続いているケースの話

「再婚したら養育費は止まる」――そう聞いていたのに、相談に来られたある女性のケースでは、今も2万円が毎月振り込まれているそうです。

子供と現在の夫を特別養子縁組までしたのに、です。

相場よりかなり低い金額を、離婚時にしぶしぶ承諾したと言います。

いつ止まってもおかしくないと思っていた、けれど、続いている、と。

「再婚したら養育費はどうなるのか」「減額の相場はいくらなのか」「打ち切りになるのはどんな条件か」――この記事では、法律の一般論だけでなく、実際に再婚・特別養子縁組をしたある女性のケースを軸に、現実的な判断材料をまとめます。

この記事の3つの結論

1. 再婚=即減額・打ち切りではない。法律上、再婚という事実だけで自動的にゼロになるわけではありません。2. 結論を分けるのは「再婚したかどうか」ではなく、「子供を養う義務が誰にあるか」。3. たとえ減額になりやすい条件でも、元夫が一方的に振込を止めることはできません。減額・打ち切りには双方の話し合いか、調停での合意が必要です。

「再婚したから、もう何も言えない」と思い込んでしまうと、本来受け取れる分まで諦めることになります。

逆に「権利だから絶対にもらえる」と構えると、相手の事情を見落とします。

諦めるのも早すぎるし、構えるのも違う。

まずは落ち着いて、自分がどの位置にいるかを確認するところから――それが結局いちばんの近道だと、私はカウンセリングの現場で感じています。

では、特別養子縁組をしても本当に養育費が続くケースはあるのか?

私が話を聞いたあるシングルマザーの方がまさにその一例なので、まずその体験談から紹介します。

体験談|再婚・特別養子縁組済みでも、月2万円の養育費が今も続いている女性の話

相談に来られたある女性は、シングルマザーで、子供が1人いらっしゃいます。

元夫と子供の面会頻度は月に1回、毎月支払われている養育費は2万円とのことでした。

私がもらっている養育費は相場よりもめちゃくちゃ低いんですが、離婚条件の話し合いのときに提示された金額を、しぶしぶ承諾しました

そう話してくれました。

離婚を一刻も早くまとめたい気持ちと、これ以上交渉で消耗したくないという気持ちと、「ゼロよりはマシ」という諦めとが混ざって、提示された数字にうなずいてしまった、というのが正直なところだそうです。

後から算定表を見て、自分のケースなら本来もう少し受け取れるはずだったと気づいたものの、もう一度ひっくり返して話し合う気力は残っていなかった、と振り返っておられました。

しかも厚生労働省の発表によると、離婚後に養育費が支払われている片親世帯は、たったの20%しかいないそうです。

だから、少額でも続いているだけマシなのかもしれない、とその女性もおっしゃっていました。

でも、本当にそれでいいのか

――それが、この記事を書いている理由でもあります。

その女性は現在は再婚し、子供も今の夫と特別養子縁組をしていますが、養育費の支払いは今のところ継続中とのことです。

もちろん元夫に再婚は隠していません。

再婚したこと、子供が今の夫と特別養子縁組をしたこと、どちらも伝えたそうです。

隠せば後でこじれるのは目に見えていたし、子供の戸籍が変わる以上、いずれ知られることでもある、と。

伝えた時点で、減額か打ち切りの話が来てもおかしくないと覚悟していたそうです。

法律の一般論では、特別養子縁組をした時点で、子供を養う義務は再婚相手のほうに移ります。

元夫からすれば、毎月2万円を払い続ける理由は薄れている。

なのに、振込は止まらなかった、と。

なぜ続いているのか? 元夫の本当の気持ちまでは分かりません。

ただ、月1回の面会を続けていること、子供が父親のことを父親として記憶していること、養育費の話を持ち出されていないこと――この3つが今のところセットで動いている、という事実だけがあります。

月2万円というもともと低い金額が、減額交渉のテーブルに載せるほどでもない、と判断されている可能性もあります。

再婚や特別養子縁組をしても、相手が動かなければ養育費が続くケースは実際にあります

この事実だけは、同じように妥協して低額で承諾した立場の人に伝えたくて、こうして紹介しています。

「相場通りもらえている人」ではなく、「相場より低い金額で妥協した人」が今どうなっているか、のひとつの記録として読んでもらえたらと思います。

このケースから見える「養育費が続くか/止まるか」の分かれ目

この女性の場合、特別養子縁組をしているので、本来なら養育費は止まりやすい立場でした。

子供を養う法律上の義務は、すでに再婚相手のほうに移っています。

それでも、元夫が面会を続け、減額や打ち切りの話し合いを持ち出してこなかったので、今も支払いは続いています。

逆に言えば、相手が話し合いを切り出してきた時点で、止まる可能性が高い側に立っているのがこの女性です。

ここで気づくのは、結局のところ、

「再婚したかどうか」だけでは何も決まらない

ということ。

判断の軸は「子供の扶養者が誰になっているか」、そしてもう一つ、「相手が話し合いを持ち出してくるかどうか」。

この2点に尽きます。

たとえば、子供と再婚相手が養子縁組をしていない場合は、再婚相手と子供のあいだに法律上の親子関係はありません。

子供を扶養する義務は、引き続き血のつながった実父――つまり元夫にあります。

だから、養育費を支払う理由も、そのまま残ります。

再婚すると、何となく「子供と新しい夫を養子縁組させるもの」という空気がありますが、必ずしも全員がそうしているわけではありません。

子供が実父との関係を保ちたがっている場合や、養育費を生活設計に組み込んでいる場合は、あえて養子縁組をしない選択もあります。

養子縁組をしていても、再婚相手に子供を養える収入がなければ、扶養義務を実質的に果たせる状態にはありません。

その場合は、養子縁組していたとしても、養育費の減額・中止が認められないことがあります。

法律の言葉だと民法877条1項の「直系血族の扶養義務」にあたりますが、難しく考えなくて大丈夫です。

要は、誰が今この子を養えるのか――それだけをシンプルに当てはめてみてください。

再婚で養育費が減額・打ち切りになる3つのケース【一覧表つき】

制度だけを見れば、減額や打ち切りになりやすいケースは整理できます。

でも実際には、相手がそれを言い出すか、こちらが応じるか、話し合いが成立するかで現実は変わる。

先ほどの女性のように、特別養子縁組をしていても、相手が何も言わなければ続くケースもあります。

そのうえで、「自分はどの位置に立っているか」を確認するために、3つのケースを並べておきます。

ケース どこで線が引かれるか 減額・打ち切りになりやすさ
① 子供と再婚相手が特別養子縁組をした 子供の扶養義務が再婚相手に移る 高(ゼロになる可能性あり)
② 元夫が再婚した(専業主婦の妻を含む) 元夫の扶養対象が増える 中(減額の可能性)
③ 元夫に新しい子供ができた 元夫が養うべき子供が増える 高(減額の可能性大)

①は先ほどの女性のケースそのものです。

子供の扶養義務があるのは本来、血のつながった実父ですが、特別養子縁組をした時点で、法律上の親は再婚相手に切り替わります。

元夫から減額や中止を求められれば、養育費がゼロになる可能性は十分にある立場です。

正直なところ、彼女の立場は減額・中止になってもおかしくない側です。

それでも続いているのは、相手側がその話を持ち出していないから、というだけのことです。

②は、元夫側の家庭に養うべき人が増えるパターン。

妻が専業主婦であっても、調停では「働きに出た場合」を想定して計算されるので、いきなり大幅減額になるとは限りません。

それでも、扶養家族が一人増えれば負担割合は変わるので、減額の議題には乗りやすくなります。

③は、減額になりやすさで言えば最も強い理由になります。

元夫の側で新しい子供を養う義務が発生する以上、自分の子供への養育費だけが今のまま据え置き、というのは難しい。

具体的な金額は、両家庭の収入と子供の人数から、後述する算定表で再計算されます。

3つのどれに当てはまっても、元夫が一方的に振込を止めたり、勝手に減額したりすることはできません。減額・打ち切りには双方の話し合いと同意、もしくは家庭裁判所の調停での合意が必要です。「特別養子縁組したからもう振り込みません」と通告されても、それで自動的に終わる話ではありません。

先ほどの女性も、子供と再婚相手を特別養子縁組させていますが、元夫から話し合いの要求が来ておらず、養育費も支払われているため、そのまま受け取っているそうです。

養育費は子供のためのお金なので、受け取る側から支払いを拒否するものではないですしね。

彼女自身も「もう要りません」と言うつもりはなく、かといって「絶対に減らさせない」と構えるつもりもない。

話し合いを求められたときに、子供の生活実態と元夫の現状を見て、その時点で考える――くらいの距離感で、この2万円とつき合っていきたい、と話しておられました。

再婚後の養育費減額の相場|算定表を見る前に確認したい6項目

結局、いくらになるのか

ここがいちばん気になるところですよね。まずは、ざっくりの目安からお伝えします。

養育費は、裁判所が公開している「養育費算定表」というものに基づいて計算されます。

子供の人数・年齢、父母双方の年収、給与所得者か自営業者か、で金額が決まる仕組みです。

たとえば、子供が1人、元夫が給与所得者で年収400万円台、自分の年収が200万円前後、というよくある組み合わせだと、算定表上の目安は月2〜4万円台のレンジに収まることが多いです。

子供が2人、3人と増えれば金額は上がり、元夫の年収がもっと高ければさらに上がります。

逆に、再婚相手と子供が特別養子縁組をしていて、元夫側にも新しい家族・新しい子供がいる、という状況になると、算定表上の目安は大きく下がるか、ゼロに近づくこともあります。

ただし、相場は一律では出せません。

だからこそ、自分のケースを当てはめて見ることが大事になります。

先ほどの女性も当時、揉めたくない気持ちが勝って、2万円という金額をしぶしぶ受け入れたとのこと。

でも今思うと、せめて算定表だけはきちんと確認しておけばよかった、と振り返っておられました。

算定表という客観的なものさしを知っていれば、もう一度交渉する材料になったはずです。

離婚を急いでいるときほど、感情だけで決めずに、このものさしを先に見ておくことを勧めたい、というのが私の本音です。

確認するなら、最低限ここです。

  • 子供の人数
  • 子供の年齢(0〜14歳と15歳以上で算定表が変わります)
  • 自分の年収
  • 元夫の年収(離婚時から変わっていないか、できれば現在の見込みも)
  • 子供と再婚相手の養子縁組の有無
  • 元夫側の再婚・新しい子供の有無

このうち元夫側の状況は、自分では正確に把握できないことも多いと思います。

それでも、分かる範囲でメモにしておけば、話し合いになったときに「こちらは事実に基づいて検討している」という土台ができます。

算定表は裁判所のサイトで誰でも見られるので、6項目を埋めてから一度開いてみてください。

相場が分かっても、相手が一方的に止めてきたらどうするか?

次は対処法です。

再婚を理由に養育費を打ち切られたときの対処法

ある日突然、振込が止まる。

連絡してみたら「再婚したんだから、もう払わない」と言われる。

実際にこういうケースは少なくないようです。

頭では「きちんと請求した方がいい」と分かっていても、元夫とお金の話をするのは本当にしんどいものです。

先ほどの女性も離婚条件のときに、揉めるくらいならこの金額でいいか、と飲み込んでしまったと言います。

だから、正論を並べられても言い出せない気持ちは、痛いほど分かる、と。

それでも、後悔を減らすために、次の順番で確認してみてください。

再婚していても、していなくても、話し合いをしないまま勝手に養育費を減額・打ち切りすることはできません。

落ち着いて、順番に動けば対応できます。

① まずは話し合いをする

いきなり連絡するのが怖ければ、まず手を動かせることから。

直近1〜2年の振込履歴を整理することです。

いつから、いくらが、どの口座に振り込まれていたか。

これがあるだけで、話し合いの土台が事実ベースになります。

感情でぶつかると、お互いに「言った言わない」になりがちなので、最初の一通の連絡は、履歴を見ながら淡々と書くのがおすすめです。

話し合いも、こちらの事情だけでなく、相手の事情、子供の事情を並べて考える方向で進めたほうが、結局まとまりやすいと感じています。

② 家庭裁判所に養育費減額調停(または養育費請求調停)を申し立てる

話し合いで結論が出ない、もしくは相手が話し合いに応じない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てます。

まず動くなら、自分の住所地もしくは相手の住所地を管轄する家庭裁判所を確認し、申立書一式を取り寄せること。

今は裁判所のサイトから書式をダウンロードすることもできます。

調停では、調停委員が間に立ち、お互いの家庭環境・年収・子供の数を基準に金額を決めていきます。

直接相手と顔を合わせず、別室で進められるので、感情的にならずに済むのも大きな利点です。

③ 並行して、弁護士の無料相談を使う・公正証書を確認する

自治体や弁護士会の無料相談は、30分から1時間ほど話を聞いてもらえます。

先に手を打つなら、離婚時に作った書面――公正証書、調停調書、離婚協議書――を引っ張り出すこと。

強制執行認諾文言付きの公正証書があれば、相手が支払わない場合に給与差し押さえなどの強制執行が選べる可能性があり、進め方が変わります。

書面が手元にあるかないかで、相談時の話の解像度がまったく違います。

お金の話はついつい感情的になってしまう問題でもあるので、ぜひ第三者に頼ることを検討してみてくださいね。

今後、養育費の減額・打ち切りの話し合いを求められた場合には、先ほどの女性もしっかりと応じていくつもりだ、と話していました。

受け取る側だからといって突っぱねるのではなく、相手から動きがあれば事実ベースで向き合う――それが彼女自身が決めている姿勢だそうです。

まとめ|再婚後の養育費は「子供のためのお金」として冷静に話し合う

最初は、その女性も「養育費は子供のためのお金だから、親の再婚は関係ないんじゃないの?」と思っていたそうです。

でも実際には、養子縁組によって扶養者が変われば、養育費は減額もしくは打ち切りになる可能性があります。

子供と再婚相手の養子縁組、元夫側の再婚や新しい子供、双方の収入の変化――これらが組み合わさって、初めて金額の見直しが議題に乗ります。

そして見直すときも、一方的に止めることはできず、話し合いか調停での合意が必要です。

ただ、先ほどの女性のように、特別養子縁組をしていても、相手が話し合いを求めてこなければ続くケースもあります。

だからこそ、「再婚したから終わり」と決めつけず、自分の状況を一度きちんと確認してほしいです。

お金と愛情は、直接結び付けられるものではありません。でも、養育費を支払っているという事実は、子供にとっては「気にかけてもらっている」と感じられる一つの形になることもあります。

養育費は、元夫婦の勝ち負けの話ではなく、子供が生活していくためのお金であり、同時に、離れて暮らす親が子供とつながり続ける一つの形でもある。

先ほどの女性自身、離婚条件の話し合いで感情的になり、結果として2万円という相場より低い金額で妥協してしまったと振り返っておられました。

「早く終わらせたい」が先に立つと、後から効いてくる判断がしにくくなる、というのは、彼女自身への戒めとして残っているそうです。

受け取れるあいだは受け取り、減額や打ち切りの話が出たら、子供の生活と相手の事情を並べてもう一度考える――それくらいの構えで十分だと思います。

まずは、裁判所の算定表を一度開いてみる。

それだけでも、今の自分の立ち位置が見えてきます。

話し合いの時には、自分の事情だけでなく相手の事情、子供の事情にまで目を向けて、納得できる答えを見つけてくださいね。

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