バツイチ子持ちと結婚を決めた彼氏に私を選んだ理由を聞いてみた
はじめに:もう恋愛なんてできないと思っていた
恋愛や婚活の専門家として日々多くの方の悩みに向き合っている私(岡田)ですが、過去に取材したある女性相談者は、深い絶望の中にいました。
彼女はかつて「もう二度と恋愛なんてできない」と思い込んでいたのです。

元夫からのDVで離婚したあと、別の人とはいえ男性とまた同じ時間を過ごすことに、彼女は耐えられないと思っていたそうです。
それなのに私は、この夏、再婚をします。
正直に言うと、再婚を決めた今でも、夜中に元夫の夢を見て飛び起きることがあるそうです。
それでも、彼女は彼との生活を選びました。
どうしても信じられなくて、相手の彼に何度もしつこく聞いたそうです。
「どうしてわざわざ、バツイチ子持ちの私なの?」って。
この記事は、その答えと、答えを聞きながら彼女の中で起きた変化の記録です。
専門家としての視点も交えつつ、少しのろけが混じるかもしれません。
でも、かつての彼女と同じように「もう無理だ」と思っている誰かに届いたら嬉しいです。
「もう男性とは無理」と思っていた彼女が、彼に出会うまで
離婚した直後、彼女は男性が怖かったそうです。
街ですれ違う男性の声が大きかっただけで、心臓が縮んだといいます。

元夫からのDVのせいで、男性とまた同じ部屋にいるという状況そのものが、彼女の中では「危険」と紐づいていたんです。
電車で隣に座られるだけで身構えてしまう自分に、自分でもうんざりしていたそうです。
それに、子どもがいるということも、彼女にとっては大きな鎖でした。
母親なのに恋愛していいのか?そんな見えない監視員が、いつも胸の奥にいるような感覚がありました。
子どもが寝たあと、夜中に一人で泣いたこともあるそうです。
母親なのに、と自分で自分を責めながら、それでも誰かにそばにいてほしいと思ってしまう自分が、許せなかったと言います。
世間でよく言われる時間の問題や周囲の目も、もちろんありました。
でも、彼女の中で一番大きかったのは、そういう外側の事情ではなくて、
「もう恋愛すらできないだろう」という、自分自身への深い諦めでした。
わざわざバツイチ子持ちの彼女を選ぶ男性なんて現れないと思っていたんです。
仮に現れたとしても、その人が「変わった人」であるか、何か別の目的を持っているか、どちらかだろうと。
だから彼女は、誰かを好きになる前に、好きになってもらう可能性そのものを自分から閉じていました。
それでも彼女は、彼に何度もしつこく聞いてしまったそうです。
「どうしてバツイチ子持ちの私なの?」と。
「どうして私を選んだの?」と、彼女はしつこく彼に聞いた
彼女は本当にしつこいくらい聞いたそうです。
なんで私なの?
初婚の人の方がよくない?
子どもがいるのに、本当にいいの?

自分でも、また聞いてる、と思うくらいだったといいます。
彼からすれば「またその話?」と思ったはずです。
実際、彼は時々、面倒くさそうな顔で答えていたそうです。
それでも、逃げずに何度でも答えてくれた彼の言葉を、ここに少しずつ書き残しておきます。
「バツイチであることは関係がない」
最初に聞いたとき、彼女が一番怖かったのは「同情で一緒にいてくれているんじゃないか」ということでした。
子どもに新しい父親ができるなんて、絶対に無理だと思っていた彼女が、それでもこの人と一緒にいたいと思い始めていることが、自分でも信じられなかったんです。
彼はこう言いました。
話していて楽しいし、離れるのがさみしいなって思ったら好きになってしまっていた。バツイチシングルマザーであることは関係がないし、むしろ頑張っててすごいなと思うよ
この言葉のあと、彼女はしばらく何も言えなかったそうです。
彼女がバツイチシングルマザーであることの後ろめたさを感じていた気持ちを、すっと取り除いてくれた言葉です。
「会えなさ」を申し訳なく思っていたのは彼女だけだった
二つ目に聞いたのは、「会える時間が少ないことが嫌じゃないのか」ということ。
ここは少し笑ってしまうところで、自分の趣味を大切にする彼は、恋愛よりも自分の時間を第一優先に考えていたようです。
むしろ交友関係も最小限ですし、会社の飲み会には参加することもなくまっすぐ家に帰るような人でした(笑)
だから、彼女が、
子どもがいるからあまり会えない
と言っても、本人はそんなに困っていなかった。
それぞれ自宅で過ごしている時は、絶え間なくLINEを交わしたり子どもが寝た後に電話をしたりして、その日にあった出来事を共有していました。
月に何回かは一緒に食事をしたり、子どもを連れておでかけをしたりしました。
「会えなさ」を申し訳なく思っていたのは、いつも私の側だけだったんです。
「バツイチはプラスしかない」と彼は言った
三つ目。彼女は少し勇気を出して聞いたそうです。
「バツイチって、やっぱり気にならないの?」と。
彼はこう言いました。
バツイチになった経験から、とても精神的にもたくましく、『頼もしさ』すら感じた
そしてもう一言、
バツイチの経験がある分、結婚や離婚の大変さを知っているから、もしも自分と再婚するとしたら、それは、本当に自分のことを好きだと言うことだと思える。だからこそ、バツイチはプラスしかない。
正直、最初はその言葉をそのまま信じるのが怖かったそうです。
そんな綺麗なことを言って、あとで現実を見て離れていくんじゃないか。
そう疑ってしまう自分もいたと言います。
それでも、日々多くの相談者と向き合う専門家としての立場からも、ここまで思ってくれる人は少ないかもしれないけれど、この考え方は事実だと私は思います。
それくらい、バツイチにとっての相手選びは真剣そのものです。
再婚相手を選ぶときの彼女の慎重さは、初婚の人のそれとは比べ物にならないくらい厳しかったはずです。
失敗できないと知っているからです。
「立ちはだかる問題は、2人で乗り越えればいい」
最後に聞いたのは、「私の過去のトラウマや、子どものこと、全部抱えて大丈夫なの?」ということ。
彼女が、子どものこと、元夫とのこと、親への説明のことを一つずつ並べて、
こんなに問題があるのに、本当にいいの?
と聞いたとき、彼は軽く流さずに、こう言いました。
立ちはだかる問題は、2人で乗り越えれば問題はないって思ったから
彼女が過去の話を途中で詰まらせても、彼は急かしませんでした。
「言えるところまででいいよ」と、ただ隣で待ってくれた。
ここは少しのろけみたいになりますが、彼のそういうところに、彼女は何度も救われたそうです。
過去の結婚のトラウマや、父親以外の男性と子どもを関わらせることへの抵抗――こうしたものは、シングルマザーである自分自身の問題で、自分一人で乗り越えるしかないと、彼女は信じ込んでいました。
彼は、その前提を静かに崩しに来た人でした。
彼は「父親候補」として彼女に近づいたわけじゃなかった
彼の言葉を聞きながら彼女は気づいたことがあります。
彼は最初から、彼女の「母親としての役割」を見ていたわけじゃなかった。

彼は「好きなひとがたまたまバツイチ子持ちだった」という姿勢をしていました。
彼女はこの構造に気づくのに、かなり時間がかかったそうです。
婚活の現場では「条件」から相手を探しがちですが、彼が「バツイチ子持ちのひとと恋愛をしよう」と考えていたのではなく、「好きになった人にたまたま付随していた状況を受け入れることは(彼にとっては)簡単だった」から、彼らは結婚できたのだと私は思っています。
順番が逆なんです。彼女が「条件」として最初にあって、彼がそれを引き受けてくれたわけじゃない。
それに気づいたとき、彼女の側の姿勢も変わったそうです。
もちろん彼女も、彼に我が子の父親になってもらうことを強要したことはありません。
それでも交際を始めた頃は、心のどこかで、
この人にいずれ父親になってもらえるかな
と、勝手に評価していた時期があった気がするそうです。
でも、その目線で相手を見ると、相手はそれに気づきます。
もうすぐ父親になるんだから、この子のことをもっとちゃんと見て! 叱って!
という気持ちでいたら、きっとうまくいかなかっただろうと彼女は振り返ります。
子どもには、子どもの父親探しのフィルターを通して彼を見ない、と決めたそうです。
彼は彼として一緒にいたい人で、子どもにとっては「お母さんが好きな大人の人」として、まずそこから始まればいい。
彼女が彼を信じたいと思えた理由の一つは、子どもに対して急に父親になろうとしなかったことです。
最初の数ヶ月は、お父さん面しない。まずは安心できる大人になる
そう言ってくれたとき、彼女は少しだけ肩の力が抜けたそうです。
再婚を決める前に、彼女が自分の中でけりをつけたこと
ここが、彼女が一番語りたくなかった部分だそうです。
なぜなら、彼が優しかったから再婚できたんですよ、という話のほうが、ずっと語りやすいから。

実際、世の中の再婚エッセイの多くはそう書かれています。
でも、それは半分しか本当のことじゃありません。
傷ついた心を癒すことは彼とともにできますが、離婚への後悔は自分の中でけりをつけておかなければなりません。
これは口で言うほど簡単なことではありません。
日々クライアントにお伝えしている私(岡田)としても、この点は強調したいところです。
彼女がこれに気づくまで長い時間がかかりました。
これは、再婚を決める半年くらい前、彼女が自分に課した宿題だったのです。
具体的に何をしたかというと、別に劇的なことではないそうです。
彼女は、以下のことをノートに一つずつ書き出しました。
- 元夫にされたこと
- 怖かったこと
- 悔しかったこと
忘れるためではありません。
彼に全部背負わせないために、自分の中で一度、過去に名前をつけておきたかったそうです。
あのとき自分はどう動くべきだったのか?
なぜ私はあそこまで耐えてしまったのか?
これらは誰かに見せるためじゃなく、自分の中で「あれは終わったこと」として置いていくために、何度もペンを走らせたといいます。
どんなに彼が自分を引っ張ってくれようとしても、自分の気持ちが、
あのときこうだったら……
と、前の結婚生活にばかり向いていたら、始まるものも始まらなくなってしまいます。
これは、彼と過ごし始めて分かったことだそうです。
彼が何かやさしいことをしてくれるたびに、彼女の頭の片隅で、
元夫はこうじゃなかった
という比較が走る。
いいことを言ってくれているはずなのに、彼女の中では「過去の答え合わせ」になってしまう。
これでは、彼は彼女と一緒にいるのに、彼女はずっと前夫と一緒にいることになる。
そう気づいてから、彼女は意識して比較を止めたそうです。
彼の言葉を、彼の言葉として受け取る。
それだけのことが、最初は本当に難しかったといいます。
彼はあるとき、こう言いました。
俺は前の人の代わりじゃないからね
少し怒っていたそうです。
当時の彼女は、それが言われる原因を自分で作っていたんです。
しかしそれは、彼女を「前の夫と比較する対象」ではなく「目の前にいる一人の人間」として見てほしいという、彼なりの切実な愛情表現でもありました。
「離婚を後悔していないこと」が大切です――そう書くと簡単な話に見えますが、後悔しないというのは、過去をなかったことにすることじゃない。
あの結婚は失敗だったと認めて、その上で「それでも今日からは前を向く」と決めることなんです。
彼の優しさで再婚できたんじゃない。彼女が自分の過去にけりをつけたから、彼の優しさを受け取れるようになっただけ。順番を間違えると、再婚しても同じ場所に戻ります。だからこそ、痛みを伴っても自分と向き合う時間が必要だったのです。
結婚を決めた今、子どものために彼女たちが守ろうとしていること
この夏、彼女たちは籍を入れるそうです。
それでも、子どもの生活はできるだけ急に変えないつもりだといいます。

再婚後に子どもを戸惑わせたり不安な気持ちにさせてしまったりして親子の溝を作ってしまわないよう、できるだけ今まで通りの生活を送るために、今までの習慣を忠実に再現しようと考えているそうです。
- ご飯の時間
- 寝る前の絵本の時間
- 休みの日の過ごし方
これらをいきなり変えない。彼にも、
最初の数ヶ月は、お父さん面はしないでほしい
と伝えたそうです。彼もそれに同意してくれているといいます。
子どもにとっては、知らない男性が急に家にいる、という状況にどうしてもなります。
それを「お父さんだよ」と上から被せることが、子どもを安心させるとは限らない。
むしろ逆だと、専門家である私も思っています。
そして、彼女自身のことも一つだけ。
不安な夜は、彼に電話しているそうです。
子どもが寝た後に電話をする習慣は、交際中からずっと続けていて、再婚後もたぶん変わらないとのこと。
一人で抱え込まないこと。これは、私が自分のために決めたルールです。
彼は彼女の不安を「面倒」と切り捨てずに、何度でも一緒に確認してくれる人でした。
それは、再婚を決めた今でも変わっていないそうです。
バツイチ子持ちでも、選ばれる理由はちゃんとあった
冒頭で私は、「もう恋愛すらできないだろうと思っていた彼女が、どうして再婚しようと思えたのか?」と書きました。
その答えを、専門家としての知見も踏まえつつ、彼女の体験から導いた範囲で、最後に短く置いておきます。

一つ。彼は彼女を「条件」で選んだのではなく、「人」として選んでくれた。バツイチであることも、子どもがいることも、彼にとっては彼女という人の一部でしかなかった。
二つ。父親候補として男性を選ぶのではなく、好きになった人を結果的に家族にしていく。順番を間違えなかったから、子どもも彼に身構えなかった。
三つ。彼の優しさに頼り切らず、自分の過去には自分でけりをつけた。彼が引き上げてくれたのではなく、彼女が自分で立った場所に、彼が並んで立ってくれただけ。
四つ。再婚は「ゴール」ではなく、子どもの生活を急に変えないように気を遣い続ける、ただの日常の続き。
もちろん、彼女も今でも不安がゼロになったわけではないそうです。
- 子どもが本当に彼を受け入れてくれるのか?
- 自分がまた誰かを信じて、傷つかずにいられるのか?
- 元夫の夢を見る夜もあるし、彼に「重い」と思われていないか不安になる瞬間もある。
考える夜は、彼女にも今でもあるそうです。
もし今、あなたが過去の彼女のように「もう無理だ」と立ち止まっているなら、まずは自分の本当の気持ちや不安をノートに書き出すことから始めてみませんか?
問題が起きたときに一人で抱え込む人生ではなく、一緒に話し合える人の隣に立つ人生を、彼女は選びたいと思ったそうです。
それでも私は、この夏、籍を入れます。





