私が婚活中の女性に「結婚しても仕事を続けた方がいい」と勧める理由
「結婚したら働きたくない」その気持ちは、否定しません
婚活中の女性に、私はときどき少し強い言葉でお願いすることがあります。
「結婚しても、できるだけ仕事を辞めないでほしい」と。

専業主婦に憧れる気持ちは、痛いほどよくわかります。
私自身、カウンセラーとして「専業主婦」の孤独や葛藤を抱える女性たちから数多くの相談を受けてきたからです。
そうした彼女たちの生の声を聞いてきた視点からお話しさせてください。
それでもこうお伝えするのは、私自身が一度離婚を経験し、再婚した側だからです。
そして、カウンセラーとして何人もの「結婚後に仕事を辞めて、後悔した女性」を見てきたからです。
共働きを正解だと言いたいわけではありません。ただ、辞めたあとに起こる夫婦の変化を、知らないまま選んでほしくないだけなのです。
結婚したら、ゆっくり家のことをしたい
仕事を辞めて、夫を支える生活がしたい
そう話される女性は、いまもたくさんいらっしゃいます。
その気持ちを、私は否定しません。
なぜなら、私自身、カウンセラーとして数多くの事例に触れる中で、家事に専念する暮らしの良さも、苦しさも、両方見てきたからです。
共働き万歳というわけではありません
ですから、これから書くことは「共働きが正解です」という話ではありません。
むしろ私は、共働き万歳というタイプのカウンセラーではないと自分でも思っています。
ただ、離婚と再婚を経験した私だからこそ、そして長年、婚活で出会ったご夫婦のその後を見てきた私だからこそ、あえてお伝えしたいことがあるのです。
それは、「仕事を辞める」という選択が、想像しているよりもずっと大きな扉を開けてしまうことがある、という話です。
なぜ離婚と再婚を経験した私が、あえて「辞めないで」と伝えるのか?
理由は、二つあります。
それでも私が、婚活女性に「仕事を辞めないで」と伝える理由
- 一つめは、自分の自由を手放さないため。
- 二つめは、夫婦が対等でいるため。
このうち、まず「自由」の話からさせてください。

自分で稼いだお金がある、というのは、金額の大小ではないんです。
- 夫の許可を取らずに美容院を予約できる
- お気に入りのワンピースを、夫に「これいくらしたの?」と聞かれずに買える
- 友人とのランチに、罪悪感なく出かけられる
こういう、ささやかな自由です。
かつて専業主婦を経験した女性たちから話を聞くと、多くの方が「振り返ってみるとストレスフルな期間だった」と口にします。
何が一番つらかったかというと、お金を使うたびにこう考えてしまう癖がついたことだそうです。
これ、私が使っていいお金だっけ?
誰かに咎められたわけでもないのに、自分の中に小さな検閲官が住みついたみたいに。
夫は何も言わない優しい人だったとしても、自分で稼いでいないという事実は、思った以上に自分の背筋を曲げてしまうと彼女たちは語ります。
これは理想論で言っているのではありません。
私自身が離婚も再婚も経験し、カウンセラーとして多くの夫婦を見てきた中で、本当にそう感じるんです。
現代の結婚における「万が一」の備え
それから、これは脅しのように聞こえたら申し訳ないのですが、なにせ、今の離婚率は三組に一組くらいですからね。
私の現場でも、決して大げさな数字じゃないんです。
だから怖がりましょう、という話ではありません。
「結婚したら一生安泰」と信じたいお気持ちは、本当によくわかります。
でも残念ながら、今の時代はそう言い切れない。これは私の現場感覚としても、かなり強くあります。万が一のとき、すぐに戻れる場所がある。それは「夫を疑っているから」ではなく、「自分の人生を自分の足で立たせ続けるため」のものです。
ただ、私が本当に伝えたいのは、お金の話ではないんです。
仕事を辞めた女性の多くがつまずくのは、もっと別の場所でした。
専業主婦で後悔する人が口を揃える、夫婦の力関係の変わり方
これは、見てきた人にしかわからない話かもしれません。
妻が仕事を辞めて家にいる――その状態に、夫が「慣れる」までの時間は、思ったより短いんです。

最初の数ヶ月は、たぶん大丈夫です。
いつもありがとう
家にいてくれて助かる
と言ってくれる旦那さんも多い。
でも、半年、一年と経つうちに、その「ありがとう」が少しずつ短くなっていきます。
結婚して間もない頃は喜んでくれていた家事も、慣れてくれば、そこまでありがたく感じないなんてこともあり得ますよね。
私が見てきた限り、どんなに優しい男性でも妻がずっと家にいると、次第に「家で何もしていない」と考えるようになるようです。子供がいない場合、特にその傾向が顕著です。目に見える「仕事」がないぶん、家事という労働が透明になりやすいんです。
そして、ここからが本当に怖いところで。
夫の態度が少し雑になってくると、妻は無意識にこう思い始めます。
養ってもらっているのだから
文句を言える立場じゃない
言いたいことが言えなくなると、真面目で相手を思いやれる優しい女性ほど、「私が我慢すれば」と無意識に萎縮していってしまうのです。
萎縮の連鎖がもたらすもの
問題は、その萎縮が夫を優しくはしてくれない、ということです。
むしろ逆で、妻が萎縮すると男性は無意識のうちに「自分の方が偉い」と勘違いし、余計に強い態度に出るようになるのです。
妻が遠慮する → 夫が居丈高になる → 妻がもっと遠慮する。
この連鎖は、本人たちが気づいたときには、ずいぶん遠いところまで来てしまっています。
最悪の場合は、ここからモラハラに突入することもあるでしょう。
カウンセリングの現場でも、専業主婦の女性からふとした瞬間にこう感じたという声を聞くことがあります。
私はここで何を生み出しているんだろう?
当たり前のように家事をして、当たり前のように受け止められる――その繰り返しは、心身ともに苦しいものです。
「でも私の彼は違う、優しいから」――そう思った方にこそ、次の話を読んでいただきたいのです。
「私の彼は優しいから大丈夫」が当てにならなかった、二人の友人の話
私の友人で結婚後、夫の両親と同居して義父の介護を手伝っていた女性がいます。
義父が寝たきりで家にいた間、夫は友人にこうしきりに感謝の言葉を述べていたそうです。

君が専業主婦として家にいてくれて良かった
夫婦の間に子供はいませんでした。
しかし、義父が亡くなると夫は外で遊び歩くようになりました。
その挙句、今まで義父の介護をまっとうしていた妻に、こう言うようになりました。
いつまで家にいるつもりなんだ
仕事を探すつもりがない怠け者
やがて浮気をしはじめ、2人は結局離婚してしまいました。
結婚した当初は誰よりも優しい旦那さんとして、私たち友人の間でも評判の男性だったのに…です。
その友人はこう言っています。
仕事を辞めて専業主婦にならなければ離婚しなかっただろう
今後は絶対に仕事を辞めるつもりはない
彼に頼まれても辞めない
彼女はその後、再婚しましたが、新しい旦那様との仲はとても良好とのことです。
夫婦円満の秘訣はそれだけではないでしょうが。
怖いのは、介護そのものではありません。女性が家庭のために尽くしている間に、夫婦の力関係が静かに変わってしまうことなんです。
もう一人、思い出す友人がいます。
経済力のある旦那様に熱烈なプロポーズを受け、こう言われました。
結婚したら仕事を辞めてほしい
そうして、苦労して積み重ねて得たキャリアを捨ててしまった友人です。
その後、ご主人はお金に物を言わせて若い女性と浮気をするようになり、彼女は経済的な理由から離婚もままならず、とても苦労しました。
当然、元の職場に戻ることもできず、キャリアもゼロから再スタートすることに。
彼女もこう嘆いていました。
こんなことになるなら仕事を辞めなければ良かった
仕事を手放すというのは、収入だけを手放すことではありません。自分の判断軸や、いざという時の逃げ道まで細くしてしまうことがあるんです。
もちろん、これは少し極端な例かもしれません。
「私の彼は浮気なんてしないし、そこまで酷い人じゃない」と思う方もいるでしょう。
でも、浮気や離婚といった最悪のケースに至らなくても、日々のちょっとした会話で下に見られたり、肩身の狭い思いをしたりするケースは、本当に山ほどあるのです。
飾らなくなった日常で何が見えるか
二人とも、結婚するときはこう思っていたはずです。
この人なら大丈夫
私もそう思っていました。
でも、結婚相手の本当の姿が見えるのは、ラブラブの時期ではなく、生活が日常に溶けて、お互いに飾らなくなってからです。
ですから、もしあなたが「彼は優しいから」と思っているなら――その判断は、正しいかもしれません。
ただ、それは「いまの彼」についての判断であって、「五年後、十年後の彼」についての判断ではない、ということだけは、覚えておいてほしいのです。
では、仕事を続けることは、夫を疑うためにあるのでしょうか?
私はそうは思いません。
仕事を持つことは、夫婦のあいだに「ちょうどいい距離」をつくる
仕事って、お金を稼ぐための場所だけじゃないんです。
外の世界との接点、と言い換えてもいいかもしれません。

- 職場で誰かと話す
- ちょっと面倒な客に頭を下げる
- 後輩の愚痴を聞く
そういう一日があると、夜、夫の前で話すことができます。
ねえ、今日こんなことがあってさ
と切り出せる話題が、家にいるだけだと、どうしても痩せていくんです。
帰ってきても妻はいつも家にいて、真新しい話題もない。
となると、悪気はなくても、どうしてもお互いに対する新鮮さが失われ、関係がマンネリ化しやすくなってしまうのです。
別々の世界を持ちながら暮らす形
私の見てきた限りでは、ずっとカップルっぽくラブラブに過ごしているご夫婦は、それほど多くはありません。
多くのご夫婦は、何年か経つうちに、別々の世界を持ちながら、でも一緒に暮らす形に落ち着いていきます。
仕事は、その「別々の世界」を妻側に確保する道具なんです。
夫だけが世界のすべて、にならない。
これは夫を信用していないという話ではなくて、一人の人間が誰かの世界の全部を背負うのは、夫にとっても重すぎる、という話です。
とくに、都心で生活していく場合、女性はパートでもアルバイトでも仕事と呼べるものを持っていた方が、その後の夫婦関係がうまくいきやすいと感じています。
人間関係が会社と家庭くらいしかない都市の暮らしでは、外の風が入る隙間を、自分で開けておく必要があるのだと思います。
とはいえ、いま現在の仕事がつらくて、それで婚活をしている、という方もいらっしゃるはずです。
その方にこそ、最後にお伝えしたいことがあります。
今の仕事がつらい人へ、「辞める」ではなく「働き方を変える」という選択
ここまで読んで、こう感じた方もいるかもしれません。
私はフルタイムを続けるなんて無理

それで構わないんです。
私がお願いしているのは、「フルタイムで頑張り続けてください」ということではありません。
「ゼロにしないでください」というだけです。
- 週三日のパートでもいい
- 在宅の仕事でもいい
- 実家の家業を少し手伝う形でもいい
- 資格を活かした単発の仕事でもいい
肩書きとしての「仕事」がなくても、ご主人の許可を取らずに少しお金を生める手段を、何か一つだけでも残しておく。
それだけで、結婚生活の中での自分の立ち位置がずいぶん変わります。
婚活を「いまの仕事から逃げる場所」にしてしまうと、結婚後にもう一度、別の形で苦しむことになりがちです。それは、私が見てきた多くの女性が、自分が困る選択をしてしまった原因でもあります。
そして、できれば結婚を決める前に、未来の旦那様と話し合っておいてほしいのです。
- 私はこういう働き方を続けたい
- 家事はこう分担したい
- 子供ができたらこう変えていきたい
結婚後に切り出すよりも、結婚前のほうが、ずっと話しやすいはずですから。
仕事は、夫を疑うためではなく、自分の人生を守るためにある
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
最後にもう一度だけお伝えしておきたいのは、私はこの記事で、専業主婦という生き方を否定したいわけではない、ということです。

家事も育児も介護も、本当に大変なお仕事です。
私は海外で離婚カウンセリングをしているカウンセラーとも情報交換をするのですが、彼女もよくこう言っています。
介護や育児家事といった専業主婦の仕事を仮に外注したら一体いくらになると男性は思っているのかしら?
本当に、そう思います。
ただ、その大変さが報われるかどうかは、残念ながら相手の男性次第になってしまう部分があります。
だからこそ、自分の足で立てる手段を、ほんの少しだけでも残しておいてほしいのです。
不安そうな表情を浮かべて入会された方が、何度もくじけそうになりながら、一生懸命がんばってきた婚活。
パートナーとお二人で成婚・入籍報告をしにいらっしゃったり、結婚式やお子さんとの写真を送ってくださったりする瞬間こそ、こう思うのです。
ああ、このお仕事をしていてよかったな
私は、すべての女性に無理に働きなさいと言いたいわけではありません。
もちろん、どんなご夫婦にも末長く幸せな生活を送ってほしいと願っています。
ただ、その幸せを守るためにも、家庭の外に自分の居場所を持つことは、想像以上に大事なんです。
何かあったときに自分で選べる力を、結婚後も手放さないでほしい。女性の皆さんには、何らかの形で社会とのつながりを持っていてほしいと思います。それが、夫を疑うためではなく、自分の人生を守るための、たぶん一番優しい備えになると、私は思っています。
ですから、もし今お付き合いしている方がいるなら、まずは次のデートで「結婚後の理想の働き方」について、彼と少しだけ話してみませんか?
あなたの幸せな未来を守るために、今日からできる小さな一歩を、どうか踏み出してみてください。





